第4幕ー6 ソフュシアの最後
ギラの刀の鋭い剣先を避けながら、エミリオは激戦を繰り広げていた。
刃先が、身体を掠めれば、それを避け、またエミリオの刃先をギラは素早い身のこなしで避けていた。
しかしふとした時にギラの眼光が赤く光ると、エミリオ、血清逆流の効果で黒い鮮血を口から吐き出していた。
(こいつ、強い、俺が今まで戦ってきたどの相手よりも!!!畜生、身体の中の血が全部奴にコントロールされて、言うことを聞かねえ。)
ギラは右眼の眼光を光らせる、さらに倍の量の、鮮血が吹き出した。
「辞めて、あんなに血を出したらエミリオが死んでしまうわ!!!」
マリアは、冷静に戦いを見守りながら心配した。
「無駄だ、所詮奴にある運命は死あるのみ。
ギラ様との戦ったもので、勝ったものはいない。」
マルチヌスは、ギラとの戦いを傍観しながらも、エミリオとの勝ち目はないことを痛感していた。
「なんだ、さっきの威勢の良さはどうしたんだ??そのままでは、全身の血を抜かれて、終わるだけだぞ。」
ギラの凄まじい眼光は、エミリオの体の血を尽く蝕んだ。
「まだだ、俺はマリアの為に、この国の為に、お前には負けん。!!!!」
エミリオは苦し紛れに立ち上がると、ギラへ向かった。
「ガンミュルト・シミューゼ!!!」
鎧が形成され、刀の刃先はより鋭利へと進化した。
すると同時に、素早さは、倍近くなった。瞬間的に、ギラの後方へ移動すると、黄色い閃光を放ちながらギラへ斬りかかった。
だが次の瞬間、ギラはガルドへと姿を変えると、一瞬にして攻撃を交した。そして鎧ごとエミリオを斬り裂いた。
「なんだと!!!!!!!」
鎧は一瞬にして消え、エミリオは、身体が剥き出しになったまま、ギラの足はエミリオを押さえつけていた。
「貴様、姿が変わっただと!!!」
エミリオは、その変化能力に驚いた。
「はははは、俺の能力は、他の七眷属に化けてその能力を使うことだ。ただの能力だけじゃねえ、こんな風に、性格も変えることができんだよ!!!は??かっこつけて、俺に偉そうに立ち向かってきたけどやっぱり雑魚じゃねえか、てめえ!!!なんだよその目はよ、てめえ絶対に俺に勝ってやるって目してるつもりか、悪いが俺には、ここで死ぬことに怯えてるカスの目にしか見えねえがな」
するとガルドに化けた、ギラはエミリオの脇腹に、刀を突き刺した。
エミリオはのたうち回り、苦しんだ。
ガルドに化けたギラは捨て台詞のように吐いた。
「俺はな、こうやって幾多もの人間を斬ってきた。斬った人間や殺した人間、化け物の血を喰らう事で俺の力は桁外れに進化するのさ、そしてそいつらの能力や、そいつの力、記憶までも手にすることが出来る。」
ドーンドーン、凄まじい音がすると、リヒュテイン連合軍の軍艦から撃たれた大砲が、炎獄を直撃した。炎獄の甲板にいた兵士たちは、その凄まじい攻撃をくらい、海中へ放り出された。
そして炎獄も負けずにと、大砲を打ち返した。
エミリオは苦し紛れに、ギラへ向かって言葉を吐いた。
「見ろ、お前らがどんなに苦しもうと、この戦艦は、何れは沈むんだ。俺だって巻き込まれと死ぬかもしれん。
だがな、俺は死にたくないんだ。くだらない欲望の為に、人類を皆殺しにするような奴らの為に命を差し出したくはねえんだよ!!!
立てよ、ギラ、とっとと決着を付けるぞ!!!」
エミリオは、甲板に立ち上がると、傷を抑えながら、ギラを殴りつけた。
ガルドの姿から、ギラの姿へと戻ると、ギラは素の性格に戻り、こう言った。
「ごちゃごちゃやかましいんだよ、来いよこら、今からお前が大事にしていた女が1人消えることになる。」
すると、ギラの部下である、ラザルという、長身の男がソフュシアをとっ捕まえて、甲板へ、瞬間移動してきた。
「なぜソフュシアが、そこにいる。フェルートのものはどうした?」
エミリオは、ギラへ聞いた。
「貴様の仲間は、ラザルが皆殺しにした。この女は、俺たちを裏切った。だから殺す、ラザル、殺せ。」
ギラのその一言を、聴くと、ラザルは思いっきり、ソフュシアを刺した。そして、剣を引っこ抜くと、何回も何回も刺し殺した。ソフュシアの身体から、赤い鮮血が飛び散ると、ソフュシアは、甲板へ倒れ尽くした。
「ソフュシア!!!!!」
マリアもその光景に、目が点になっていた
エミリオは、ソフュシアの方へ向かおうとしたが、その行手をギラが阻んだ。
「よそ見すんな。」
ギラの剣先は、エミリオの刀のとぶつかると、勢いでエミリオの身体を飛ばした。
ギラは、そのまま、ソフュシアの方へ移動すると、刀を横たわる、ソフュシアの身体へ突き刺した。
するとギラの身体の傷は、ほとんど回復してしまった。
「最初に言ったな。俺は、この剣で切ったやつ全ての力を手に入れられると、これでどんなに傷つけられても一瞬で治癒してしまう。いわゆる超速再生ってやつだ。おい、エミリオ、この女の最後の言葉でも聞いてやれ」
すると、ラザロは、エミリオを横たわるソフュシアの元へ蹴り飛ばした。
「エ、、、、ミ、、、、、、リ、、、、、、オ、、、、、、、」
わずかに、薄れていく意識の中で、ソフュシアは、エミリオへ呼びかけた。
狼の姿のまま、囁きかけた。
「おい、ソフュシアしっかりしろ、俺が、助けてやる。」
エミリオはソフュシアの頭を抱え、必死に呼びかけたが、
「あ、、、、、な、、、、た、、、、が、、、、す、、、、、、き、、、、、、。。。」
そう最後に言い残し、ソフュシアは、エミリオの唇ににキスをして、瞳を閉じた。そして、ソフュシアの身体は青白く燃えて、骨になってしまった。
「待て、ソフュシア、逝くな、逝くな!!!!」
エミリオは涙を溢れさせながら必死に叫び続けた。
エミリオは涙目にながら、ギラを睨みつけた。
「よくも、よくも、ソフュシアを、殺しやがって!!!!!!」
エミリオの身体から、赤黒い凄まじい光が立ち上った。
燃えるような剣を握ると、ギラの方へ走り寄って行った。
「いいぞ、いいぞ、それを待っていた。エミリオ・ロシュマン、その大切な物を殺された、憎しみの炎をぶつけろ。。それでこそ、俺と戦うに相応しい。黒翼ーレパンゴ!!!!」
ギラがそう唱えると、ギラの背中に黒い翼が生えた。
「今度は空中戦と行くぞ、エミリオ」
エミリオは、ギラの後を追い、空中へ移動した。




