第3幕ー5 異変
花梨が寝た頃、龍太郎と峯岸は、部屋で話し合っていた。
「龍太郎、警察へ電話するか?このパスのこと。」
峯岸は、不安の思いを胸に、龍太郎へ相談した。
「無駄だよ。一切繋がらねえんだ。携帯も、地下へ来てからずっと圏外のままだ。俺たちこのままじゃ確実に地上へは戻れねぇよ。なあ峯岸、お前、ここ来てから、おかしいと思わなかったか。地球の中で、地下に地上と全く同じような、世界が存在したとして、それを地上人が認知できてなかった。そもそもここ、ほんとに地球の中の地下世界なのか?って俺思ったんだ。」
龍太郎は、この世界に来た時から明らかにおかしいと思っていた事を口にし始めた。
「確かにな、仮にここが宇宙だとしたら、俺たちは、宇宙をワープしたってことになるよな。この世界の人間は、地球人とは何かが違かった。」
「まさかとは思うが、ここ宇宙なんじゃねえのか、それか未来の世界?」
峯岸は推測した。恐らくそれは間違いなく正解だろう。
「あの船に乗ってた金髪の女は一体誰よ?」
龍太郎も確かに目撃したあの金髪の女性の事が気になっていた。その女性は、白いドレスのようなものを身にまとっていた。確かに今まで出会った女性とは比べ物にならないくらい美しく、青い目を靡かせていた。
「確かにあの日、あの人は言ったんだ。こっちの世界には来ては行けないって。」
「こっちの世界って、まさかほんとに未来の世界だって言うのかよ?」
峯岸は、解決策を思いつき、龍太郎へ伝えた。
「龍太郎、この後、バー行かないか、ホテルの1階にある。そこに俺らと同じような日本人が確実にいる可能性がある。その人達に会って話を聞くんだ。」
1時間後、峯岸と龍太郎は、1階のバーへ向かった。外国人が確かに多く、中々日本人は見つからなかった。
しばらくした時日本人っぽい顔立ちの男が1人バーへ立ち寄っていた。
「すいません。」
龍太郎は声を掛けた。男は30代くらいで、青っぽいトレーナーに、グレーのズボンを履いていた。
「はい。」
男は、龍太郎の掛け声に反応して、こちらを振り向いた。
「僕達、旅行でこの地底国へ来ているものなんですけど、日本人の方ですよね。すいません。ちょっとお話をお伺いしたいんだけど、よろしいですか?」
すると男は、相手が日本人と分かったのか、表情を変え始めた。
「あなた方も、日本人なのですか?。良かった、全然こっちの国で日本人に会わなくて困っていたんです。それに携帯も繋がらないし。妻と1週間前に来たんですけどね、妻が帰ってこなくて。」
男はどうやら1人で旅行へ来ていた訳では無いようだった。
「奥さんといらっしゃったんですか?」
「目が覚めなくなってしまったんです。前日からおかしな夢を見るって言い始めてね。」
龍太郎達はその話がまさに自分達が経験してるドリームバーチャルのことではないかと思い、改めて聞いてみた。
「僕達も、変な夢を見るんです。夢の世界では別の人物になって戦っていて。やっぱりこの世界に来てからその夢を見るようになったのは偶然ではなかったんですね。」
「もしかしてあなた達もですか、私もなんです。どうしても変な夢を見てしまう。しかも妻は夢を見たせいで目を覚まさくなってしまい、今行方不明なんです。前のホテルに行った時でした。妻が目を覚まさなくなって、そしたら警察らしき男に連れられて、妻は病院へ連れていかれました。しかし日本人の私は見舞いにも来ては行けないと言われて。」
男は警察にも電話しようとしたが携帯が繋がらず圏外になってしまったそうだった。
「やっぱり!!!、すみません、、奥さんは恐らく夢の世界で敵と負けたんでしょう。全てはこのパスが原因みたいです。このパスには、精神を夢の世界でバーチャルに引きずり込む特殊な力が備わってるみたいなのです。」
峯岸は金髪の女に言われたことを思いだした。
「そんな、じゃあ妻は二度と目を覚まさないってことなのですか?」
男は涙を流しながら、言い始めた。
「俺は妻と久しぶりに旅行に行きたかっただけなのに、こんなことになって、」
「1ついいですか?目を覚まさくなった奥さんは警察に連れていかれたんですか?それとも救急隊に連れていかれたんですか?」
龍太郎は、質問した。それそのはず、携帯が繋がらないのなら、110番も出来ないはずだった。
「ホテルのフロントが呼んだんです。救急隊が病院に運ぶって運ばれて行きました。でも、俺は病院へ付きそうことは出来ないって面会も拒否されてしまって。ホテルは、予約できないってその日は追い出せれてしまって。」
妻が病院へ連れていかれてから既に4日が経っていたのだ。
「あなたの名前は?」
龍太郎は聞いた。
「田宮雄一です。妻の名は田宮里穂です。」
男はそう名乗った。
「田宮さん、その病院へもう一度行ってみましょう。そこに奥さんはいるかもしれませんよ。明日の朝、またこのバーに来てくれませんか?」
龍太郎の提案に田宮も乗ったのか、賛成した。
「分かりました。お願いします。」




