第3幕ー2 デドアラ神暴走の真実
その日は、記憶に残る大焼き討ちの日だった。デュオシュアの命令により、ソフュシアは、バルトアの森へ向かっていた。この森には、この大陸を創造した神、デューク、そしてロナーク、ナハト、などの神々が生息している。これらの神々は、遥か昔に地上の世界から現れ、この地底国に世界を想像したと伝えられている。その史実は、ファタール神話にて大体的に語られているのでる。かつてヘルヒュート大陸のデュール王国の王ヴィッテルスバッハが所持していた碑石から解放され、封印から目覚めたのであった。
レミシェルは、この事実を知らない、ソフュシアに向けて質問する様に言い放った。
「ソフュシアよバルトアの伝説は知っているぞよ?この森に住む神々が何者なのか、彼らがどこから来たか存じているぞよ?」
レミシェルは、かつてデュオシュアから神々の伝説について、教育されており、神話にまつわる話から、大陸の伝説からバルトアの森に居住する神々の伝説について何か知っているような素振りを見せた。母親から突然質問された事で狼狽たような態度でソフュシアは返答したのであった。
「いえ、母上存じ上げません。」
「ほう、そうぞよか。この森に住む神々は、はるか昔宇宙から来たのだぞよ。はるか何千万年前の昔、地球に生物が誕生したのと同じくらいぞよ。宇宙から落ちた隕石は、はるか地底深くにまで落ちたと言われているぞよ。そして神は地下に巨大な大陸と生物を想像した。地上とは一切繋がらない世界ぞよ。」
ソフュシアは、今まで自分が知り得なかった伝説の線が一本に繋がった気がした。どうやら神は宇宙からこの地上に降り立ち、そして地底大陸に文明や生命を築き上げたというのだ。あまりにも壮大な話にソフュシアの頭は混乱しそうになってしまったのであった。最悪の展開を想像したソフュシアはレミシェルに聞き返したのであった。
「母上、もし、神々の主であるデュークを殺したらこの世界はどうなるのですか?。」
ソフュシアは、レミシェルに恐る恐る聞いてみた。
それでもこの先恐ろしい事が起きることは確実だったのは、分かっていた。その先が気になってしょうがなかったのであった。
するとソフュシアの問いに対してレミシェルは、恐ろしい事実を口にしたのであった。
「聞いていなかったぞよか。デュークが死ねば、奴の身体から死のエネルギーが漏れそして世界中を覆い尽くす。そして人類は一人残らず確実に死んでしまうぞよ。まずは、デュークをおびき出すには神々に危害を加える他ないぞよ。」
デュークは、死の神とされ、彼に魂を吸われる事で人類、そして生命は、死へと誘われてしまうのだ。そんなデュークが死ぬ事で世界中に恐ろしい瘴気が蔓延してしまい地底大陸は滅亡してしまうという事実であった。だがデュークの首を取れば、デュークの身体は消滅して地底文明は、滅亡の道を辿らないとされているのであった。レミシェルは、そう言うと、魔術の力で白い弓矢を生成した。
「ソフュシア見ているぞよ。」
そして身体を、上空へ浮かばせると矢を森の奥深くへ向けて放った。すると一瞬にして凄まじい白い閃光が森全体を覆ったのであった。その閃光の眩しさにソフュシアは、目を奪われそうになってしまった。ソフュシアは、光の眩しさを堪えながら、レミシェルに大声で尋ねた。
「お母様、何を?」
「こいつで射止めたのだぞよ、、さあ出てくるが良い、豚の神ナハトよ。」
そう言うと、その問いかけに答えるように矢に刺された赤黒い豚が1匹現れた。だがそこに現れたのは、豚の神のナハトではなくナハトの息子の豚の神であった。
刺さってしまった矢を堪えながら恐ろしく低い声で、ソフュシアらに対して怒りを露わにするのであった。
「ぐぐっ、何者だ?お前ら?
おい。貴様か、この俺を攻撃したのは?」
「我々は、狗族の民フェムシンムだ。そちは、ナハトでは無いぞよな。ナハトの神はどこぞよか?」
レミシェルの質問に、ナハトの息子は答える様子はなかった。どうやら森をフェムシンムが荒らしに来たのでは無いかと勘違いしたのであった。その様子を見たソフュシアは、あまりにも酷い扱いを受けるナハトの息子に対して可愛そうに感じ、レミシェルに尋ねるのであった。
「母上、話が違うのではありませんか?神々と話を付けるのではなかったのでは?」
ソフュシアの予想外の答えに怒りを覚えたレミシェルはソフュシアに対して言い放った。目的を理解していないソフュシアに対して酷く反発したのであった。
「は?何を言っているぞよ。妾達の目的は、ナハトを殺しデドアラ神として暴走させることぞよ。誤って子を殺してしまったぞよ。しかし、やつはナハトの息子なら構わないぞよ。さあ、ソフュシア、お前が殺すぞよ!」
レミシェルは、ソフュシアにナハトの息子を殺すように、命じた。彼女にはもし生き物を生かしておきたいなどという道徳心があるのであらば、彼女を許す訳には行かなかった。
しかしソフュシアは、罪悪感のあまり殺すことが出来なかった。引き金が引けずに躊躇してしまってしまったのであった。
「さあ、、ソフュシア???何故殺さぬのだ??主は、、神などに情けをかけるのか??人間を憎み、、恨みを持つナハトなど、、生かしておく価値もないのだ。息子を殺せば奴も必ず姿を現すのだぞよ!!!情けを捨てるのだ!!!優しさや同情心など必要ないのだ!!!!」
「私には、、できません!!!!」
やがてそこへ、瞬間移動をしたのか煉獄の七眷属の1人である魔道士の1人であるガルドが現れた。ガルドは無残という剣を背中に所持していたのであった。ナハトの息子を殺すのに戸惑っているソフュシアを見かねたのか声を荒げて近づいた。
「おい、フェムシンムの女。そいつ1匹殺すのになに戸惑っでやがる?、、てめえ、、豚一匹も殺せねえのかよ???」
「あなたは?」
「貸しな、俺があいつを殺してやるよ。ふん、、馬鹿な豚野郎だ。てめえが死ぬのを、哀れにそこで見てろって言ってんだよ!!!いはははは!!!!!!!」
ガルドは、そう言うとソフュシアの持つ、弓矢を取ると、ナハトの息子にめがけて打ち放ったのであった。する血ソフュシアの持つ白い光上の弓矢はどす黒く変色した。ガルドの持つ能力により、弓矢は威力を増した。
「俺の能力は、無残。俺が放った能力の力で奴は確実に死ぬぜ。」
すると、矢は、ナハト息子を直撃すると同時にどす黒い触手がナハトの息子を覆い尽くした。
触手は全身を包むと、ナハトの息子の命を貪り尽くした。
「酷い、なんてことをあんまりです。」
ソフュシアはガルドの凶行に相当怯え切っていた。
触手は真っ先に、包み込むと豚の神は、デドアラ神へと変わり果てた。
「ガルド殿、すまぬぞよ。さあ計画通りぞよ。デドアラ神よ、手始めにリヒュテインの人間共を殺し尽くすが良いぞよ。」
デドアラ神は、まるで蜘蛛の如く這いずり回りバルトアの森から姿を消した。
その日起きた事が、全ての始まりだった。ガルドがデドアラ神を生み出した事により、暴走したデドアラ神は、リヒュテインの村や、市を襲い、人々の命を奪い尽くした。
そして、豚の神ナハトは、息子を殺されたということに酷く憤りを感じて、人間を強く憎むようになった。デドアラ神は、人間を強く憎み、魂が尽きるまで、大陸を暴れ回るとされている。そのような伝説から、人々は呪われし祟り神としてデドアラ神を恐れるようになった。




