幕間 ギラの過去
12年前、バグミュダット新帝国軍と旧帝国軍は政権をめぐり戦争していた。新帝国軍側ではかなり沢山の数の兵がいたがそんな中でも、新帝国軍の将軍として名を成せていたのがギラだった。かつては、多くの人たちを斬り殺した、最強の人斬りだったギラ。
「俺は人を斬り、人を殺さなければ、生きていけん。」
少年時代、戦争により両親を殺されたギラは、捕虜として旧帝国軍に連れていかれたが、戦争で旧帝国軍が負けたために解放された。
その後、新帝国軍に入ると、軍の師範ディガンスの元へ剣術を学んだ。そして10年後、帝国軍は、旧帝国軍の抹殺の為、当時剣豪として最大の腕を誇る、ギラを選んだ。
新帝国軍の軍師、バヒュルガルト少佐はギラの剣の腕を見込んで、新帝国軍の人斬りとして雇った。
「殺すのは旧帝国軍の老尉ローゼンホルンだ。奴が
夜部下を引き連れてザグルド通りの傍を通るだろう。その隙を見計らい殺せ。」
ギラはバヒュルガルト少佐の願いを受け入れて、その日ザグルド通りに向かった。ローゼンホルンは数人の部下を引き連れていた。
「全く持って今日は寒いなー。」
「ほんとだなー、寒すぎて手が凍っちまいそうだ。こういう時は帰って暖かい鍋に限るよなー。」
部下が、そんな談笑をしながら、歩いていると、後ろからグホッと声がした。
「何事だ?」
部下達とローゼンホルンが振り向くと、部下の1人が背後から斬られて血だらけになっていた。そしてその後ろには刀を片手に、佇む男の姿があった。
「貴様、何奴だ?」
男は、こちらを睨みつけるように見つめた。
「俺の名は、ギラ。バクミュダット旧帝国軍大老ローゼンホルン、貴様の命を頂戴する。」
「ふざけるな、誰が貴様ごとに。我々がローゼンホルン様をお守り致す。貴様、よくも部下の命を。」
部下たちは、刀を取り出すと、一斉にギラに斬りかかっていったが、ギラに叶うはずもなく、次々と斬られて行く。
「グホッー、グホッ。。。。。。グホッ、ガァー」
部下たちは次々と殺されていった。ローゼンホルンは、異常に気づき、馬車の中からでてきた。
「何事だ?お前達どうしたのだ。一体誰が。誰だお前は?」
「お前がローゼンホルンか?」
ギラの問いかけはまるで獲物を見つけた狩人のような、冷酷な物だった。
「そうだが、おい部下たちをお前が殺したのか?」
「問答無用、ローゼンホルン、お前の命は貰ったぞ。」
すると物凄い速さで、ローゼンホルンの元へ向かうと、ローゼンホルンを斬り伏せてしまった。
「バヒュルガルト含め、新帝国軍はお前ら旧帝国軍を抹殺する。お前ら旧帝国軍の時代は終わった。これからは俺達新政府の時代だ。」
思い起こせば、ギラは、かつての旧帝国軍の剣客として新帝国軍のリーダー達を次々と暗殺した。そして、バクミュダット最大の人斬りとして恐れられた。
しかしギラが殺したと言う、証拠は、殆ど残らず、バクミュダット旧帝国軍もその存在を認知できず、その素顔、生い立ちは一切、謎に包まれたままだった。
そして新帝国軍は、勝ち、バクミュダットは公国と名前を変えた。しかし、新政府の歪んだ政治を国民が許す訳がなかった。
税金も値上がりした。
また戦争によって、各地の村への甚大な被害が出てしまい、バグミュダットの村は壊滅的な被害を受けた。
兵役の年齢が早まったり、17歳以上の男は強制的に家を出て、連れて行かれた。そして軍事学校入れさせられ、実戦に参加させられた。それにより数多くの兵隊達が命を落とした。




