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エスポル旅行記~夢幻の園~  作者: アリナス
第1章 地底旅行と異世界の夢
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第1幕ー10 エルエラの盾


激しい攻防戦の末、エミリオが所持する剣の先はザクアが所持しているマシンガンとぶつかった。ザクアの所持するマシンガンは、地面へと振り落とされてしまったが、ザクアは再びその銃を拾い上げると、エミリオの方にマシンガンの銃先を構えたのであった。エミリオはマシンガンを自信に向けられた事に対しての恐怖の気持ちは一切なかったのであった。寧ろ今自身がやらなければ勝ち目はないと。それだけしか考えられなかった。


「今度こそ真剣勝負と行こうやないか!!!

お前の息の根を完全に止めてやるよ、覚悟をしてもらおうかリヒュテインの野郎!!!さあ何で対抗するまさかそんな弱い剣で俺に立ち向かうっていうんやろなあ。寧ろそれで立ち向かえるならば、立ち向かってくるべきやないのかい!!!!さあはっきりせいや!!!!!」


「くそ!負ける訳にはいかん。」


エミリオはザクアに対抗するべく蔵から調達した、マシンガンを取り出すと、ザクアの身体に目掛けて猛烈なスピードで撃ち始めた。先程の闘いとは異なり両者の先が全く読めない激しい銃撃戦へとなっていった。エミリオが、マシンガンの引き金を引いた事で、放出された12発近い高速弾丸は、一向にザクアの身体に直撃しなかった。そればかりか、ザクア本人は一瞬にして、エミリオの視界から姿を眩ませたのであった。その代わりとしてザクアに操られているであろう部下が5人近く、エミリオに向けて襲いかかって来た。


「邪魔だどけ!」


エミリオは剣を握ると一斉に部下達を相手に戦い始めた。まるで疾風の如く、次々とザクアの部下を斬り刻んでゆく。一気に助走やスピードを付けて、部下を一人一人なぎ倒していく。久しぶりに剣を握る事でかつての剣豪としてのこの感情、この感覚かつての腕が蘇ってきたのか。しかし部下は一体何人いるのだろうか。倒しても倒しても全く、人数が減る様子がないのである。敵は結構いる中で一人で相手にするには埒が明かなくなってきた。


「俺に任せろ、エミリオ。」


エミリオにとって聴き覚えのある男の声がした。後ろから聞こえたので一体誰なのだろうかと一瞬気になったが、次の瞬間、1人の男が、瞬間移動をして現れたのであった。その声の主は、エミリオの同期でリヒュテイン連合軍の第2小隊の隊長エルエラだった。


「お前は、エルエラ。。どうしてここが!!」


「総隊長からお伝えがあった。お前が1人でバクミュダットへ乗り込んでるってよ。

馬鹿野郎少しは俺たち頼れよな。

俺たち隊長クラスが揃えあこんなヤツら屁でもねぇさ。

全く何でも1人で抱え込むんじゃねえよ。

ちっとは仲間を信用しろよな。」


「エルエラ、お前ってやつは。」


士官学校時代から同期で常に仲間として一緒に戦ってきた。エミリオとマリアにとって幼馴染みでありかけがえのない仲間であった。士官生からリヒュテイン連合軍の小隊長になっても、常に助けてくれる横にいる存在である。エルエラは、自身の部下の数名を呼び出した。


「あいつは俺が相手する。お前は傷ついてるだろ。おい!」


「隊長お呼びですか。」


第2小隊の隊員が4名~5名ほど現れた。彼らは、第2小隊の中でも救護を担当する隊員達である。隊員達はエルエラの命令に従うべく、頭を下げて地面に身体を平伏すのであった。するとエルエラは隊員達へと命令を出した。


「エミリオの手当て頼む。それからこいつらの相手もな。おいてめえ俺が相手だ。」


エルエラはザクアの前に立ちはだかると、腰にぶら下げてあった魔剣を抜くと、剣先をザクアに向けたのであった。ザクアは、エミリオとは違う男が現れた事に対して、反応した。自身の金髪の髪を、触ると、エルエラに対して叫び尽くした。


「おい、、なんやお前は?何者か??」


「ギェザルナ・カンパルゴ!!!!」


するとエルエラが持つ剣はから一気に凄まじい風が吹き始めた。凄まじい風は、まるで竜巻のように、エルエラの身体全体を包み込んでゆく。やがて、風が一気に姿を決してゆくと、エルエラの剣は双剣へと変形した。双剣を両手に持つと、エルエラの身体を装甲が覆ったのであった。するとザクアは、エルエラに対して反応した。


「あん?なんだお前?そうかこいつには仲間もおったんかいな。なんやてっきり仲間1人だけとか思ってたが。そんなんでこの俺に勝てる訳ねぇだろうが。」


その口調は、エルエラを冷やかしているようであった。自身の能力を鼓舞するように、エルエラに挑発をかました。


「俺のギェザルナはな、お前の熱戦銃だって跳ね返す。最高の防御力を誇る。」


エルエラは、ザクアの挑発を返すように、言い放った。ギェザルナは、エルエラの生成魔術の事である。エルエラの魔術能力は、物質生成魔術であり、ギェザルナ〇〇と唱える事で、魔術が生成されて物質や武器を作り出して自身の能力として使用する事が出来るのであった。


「はははははははははははははは、、、、、おいおい、、てめえ、、ほざくなよ、クソ野郎がよ。てめえに負けるほど俺は弱くねぇからな。」


すると挑発を返されたザクアは、高らかに笑い尽くしたのであった。そして、その眼光は完全にエルエラの方を向くと、急速に移動をしていった。

右手にマシンガン、左手に剣を持ちエルエラに襲いかかった。ザクアの剣とエルエラの双剣は、激しくぶつかってゆく。激しい闘いが原因で凄まじい火花が散る中でザクアはマシンガンを放っていった。


「なるほどな、確かに双剣にはこいつの方がお似合いかってな。」


ザクアが放ったマシンガンから排出された弾丸は、弧を描くように上方へ移動したのであった。上方へ移動した高速弾丸は、エルエラの部下達の身体に直撃した。エルエラの部下達は、弾丸が急所に当たった事でその場に倒れ伏した。両者が激しく動き回る中でエルエラは、双剣を回転させると鎖で繋がれた双剣がザクアの弾丸を盾のように防いでゆくのであった。


「なるほど両刀使いって訳かいな。だが忘れたかよ、俺の本来の力を。」


ザクアはそう言い放つとマシンガンを右手から離した。そして左手に持つ剣をマシンガンのサーチャルドライブに挿入した。するとマシンガンは煙を放つと、巨大なスマッシャーのような形の熱戦銃へと変化したのであった。


「さっきから俺の攻撃が当たらないみたいやないか。だったら、教えてやるよ。俺の持つ魔術の真の能力を。俺は、こいつを放ち、この村の奴らをぶっ殺してやったのさ。気持ち良かったぜ、人が黒焦げになる様はよぉぉぉ!!!!!!

てめえも丸焦げにしてやるよ。地獄へ先送りにしてやるぜ。ヴァルデック・ヴァン・ヘルト!!!」


スマッシャーのような形の熱線銃の引き金を引くと強力な光が銃先に現れた。そしてその光は一つの破壊光線の如く銃先に集まると、銃先から一気に放たれていったのであった。そしてその破壊砲は、一気にエルエラめがけて発射されたのであった。


「ギェザルナ・シラード!!!」


エルエラがそう叫ぶと、透明なバリアシールドが出来てザクアのヴァルデック・ヴァンヘルトを打ち返した。そしてそのままザクアに跳ね返っていった。凄まじい爆発音が響き渡りザクアへ直撃した。凄まじい爆風が吹き飛び辺り一面に風が起きた。それだけでなく周りの木が熱の力で燃え広がり始めた。瞬く間に周りの木から周りの木へと燃え移り、燃え移った。


「ギェザルナ・アビス!!!」


エルエラがそう叫ぶと水の巨大な渦が巻き起こり火を瞬く間に消して行った。

煙の中から傷だらけになったザクアが立ち上がっていた。


「確かに俺のヴァルデック・ヴァンヘルトを打ち返すとは大したものやな。だがそんなもんかよ、確かにてめえの防御力はさっき俺が戦ったやつよりは上だが、てめえの攻撃体制はとっくに読んでる。今度こそ、真剣勝負といこうじゃねぇか。場所変えるぜ。」


「望むところだ。」


しかし次の瞬間瞬く間にザクアが消えた。そしてそのまま消えた。


「やめろザクア、無駄なやつ相手にすんじゃねえよ。」


「てめえ、、ガルド。」


まるで武士のような人斬りのような姿をした若い30歳くらいにもならない男が現れた。


「待て!!」


エルエラは追いかけたが、男はそのままワープするように上空に消えてしまった。


「ガルドだと。」


エルエラが地上へ降りると、傷だらけになったギアンとエミリオがいた。ギアンは村長のことを守ろうとしたのもあり、やけどを負っていた。


「ギアンさん、しっかりしろ。おいギアンさんとエミリアを運べ。負傷してるからな。丁重に扱えよ。ギアンさん、エミリオとりあえず今は鍛冶場へ避難だ。そこに救護班が居る、治療してもらえ。おい村長も頼む。」


ギアンの部下の第2部隊の隊士達は、エミリオとギアンとミトを運ぶと、鍛冶場があるタタラ場へと戻って行った。タタラ場では火傷したギアンとミトの治療が進んでいた。しかしミトは全身に大火傷を追っていて治療の甲斐もなく死んでしまった。ギアンは軽い火傷を負っただけで済んだのが幸いだった。


「エルエラすまんな。やつを倒せなかった。」


エミリオはザクアが放った銃弾を受けていて、左胸の所から血が出ていた。


「思っていたほどだ。俺たち隊長格が戦っても倒せない。やつの力を舐め腐っていた。それよりエミリオお前その面はどうした?なんでお前狼の皮なんか被ってんだ。」


「すっかり取れなくなってしまった。フェムシンムの女に助けられたのだ。私の命を助けてくれた。これは敵の奴らに被せられた。ミト殿は無事か?エルエラ。」


エルエラは顔を俯かせながら、首を横に振った。


「すまんエミリオ、助けられなかった。くそ俺達は無力だ。俺たち、リヒュテインの十部隊は、国民の命を守るのが最優先だろ。それなのに全く人々の命を助けられてねぇ。俺たちに国を守る資格なんかねぇのかって、自分を責めないとやってられねえ。」


「そうか、、、」


エミリオはうっすらと涙を流した。


「俺がもっと早くザクアの来訪に気づいていれば、ミト殿は助けられたかもしれん。」


救護班の隊員達が、治癒魔法を使い、傷を治癒していく。隣からは女性の声が聞こえた。


「お父さん、お父さん、お父さん、目開けてお願い。ねぇねぇお父さん、お父さん、私よヒナクよ。」


女性は泣き崩れていた。恐らく村長ミトの娘であろう。赤い髪に長髪のまるで絵に書いたようなスタイルの良い美女だった。年齢は24歳くらいだろうか。鍛冶場には亡くなった村人の遺体や、遺体を探していた家族達によって埋め尽くされていた。皆家族の焼け焦げた変わり果てた遺体を見て涙を流し泣き崩れていた。

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