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エスポル旅行記~夢幻の園~  作者: アリナス
第2章 最後の希望
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第6幕ー5 成獣ポルケトゥス

第3章の中核、ノーポジフェザード編も絶好調。

メシアの菩提樹生誕の謎が次回明らかになります。


その頃聖人ヴェロニカと聖ウィリブロルドの2人はラクター神殿のすぐ近くの森にまでやってきていた。その森は生き物の鳴き声は一切なく不気味な静けさと深淵なる雰囲気を醸し出していた。聖人ヴェロニカは福音書の第4章のページを眺めるとそこには魔の森と記されていたのだ。魔の森には無数の家が立ち並んでいた。その家に入るとそれまでの疲れを癒すのだ。ヴェロニカは暖炉に当たると寒さを凌いだ。彼女の美しい身体と手は聖人の面影を感じさせない程であった。その魔の森にはハゲワシの鳥人である貴族のフェルメール卿の豪邸が存在していたのだ。その魔の森の周辺から戦車が突き進む音が聞こえた。聖人ヴェロニカは奥で料理をしている聖人ウィリブロルドに向けて話しかけた。


「聞こえますね。戦車の音が、一体どこに向かっているのでしょう?私には疑問でしかありません。この音は世界を焼き尽くすようなそんな音にしか聞こえないのです。世界は終末に向けて動き出しているような気がするのです。」


ウィリブロルドは料理を作りながら答え始めた。その言い方は極めて落ち着いていた。ヴェロニカは落ち着いているウィリブロルドの喋り方を気にしていた。ウィリブロルドの顔から笑顔が消えていた。窓から外を眺めながら言った。ウィリブロルドの頭の中に遥か昔に知り合いの貴族が言っていた言葉がこだました。


「終末か、昔どこぞの貴族が言っていた。戦争がある限り生命は失われてゆく。愚かな戦争を終わらせない限り世界に光が戻ることはないとな。全く馬鹿げた話だよ。まもなくこの星に隕石が衝突して世界が終わってしまうというのに。ネルディバードの奴らは戦争を起こそうとしているのだからね。」


「ジョルジュ・ドゥ・ラトゥール、、ネルディバードを裏切った聖人がいたのですね。その聖人は何を起こそうとしているのですか?」


「ヴェルディオの聖剣の強奪だよ。ジョルジュ・ドゥ・ラトゥールは帝国貴族であった。元老院を裏切り帝国側に寝返った。この星はアルデバラン連合会と呼ばれる巨大な宇宙連合に属しているのだ。ネルディバードはアルデバラン連合会を滅ぼすつもりだ。密告者の名前はジョゼフ・バザーヌと言った。彼女はヴェルナール正教会に潜入しヴェルディオの聖剣の情報をネルディバードに密告した。」


「成獣ポルケトゥスを封印しろと言っていました。その成獣の存在は危険なのですか?私には分かりません。ポルケトゥスとは何者なのですか??」


「遥か昔の話だ。ジュラーセはこの星に命を与えた。まだこの星に生命が存在しなかった時火炎鳥であるジュラーセはノーポジフェザードに降り立った。ジュラーセの身体には12の石が封印されている。その石には神が封印されているのだよ。12の石の中から三つの石を選んだ。その石には3つの神が封印されていた。ロナーク、デューク、ナハトといってね。ジュラーセはとある星に降り立った時にその神を生み出したとされているのだ。その星の気温は生き物が住むには丁度良い気温だったそうだな。3つの神は一つの成獣へと姿を変えた。」


ウィリブロルドはそう言うと暖炉の方へと歩いてきた。その暖炉の火を操ると炎は青く光始めた。一気に温度が高温に上がってゆくとウィリブロルドの魔術によってあっという間にスープは完成した。トマトのミネストローネや道中で狩った小鳥の肉を使いウィリブロルドが作ったスープは絶品だった。ウィリブロルドはスープの入った鍋をヴェロニカの元へと運んだ。


「さあヴェロニカ、食べなさい。」


「ウィリブロルド様、ありがとうございます。」


「美味しいか?」


ヴェロニカはスープを食べ始めた。ヴェロニカは頭に巻いているウィンプルを脱ぎ始めた。ウィンプルを脱ぎ捨てたヴェロニカの頭には傷があった。その傷は幼い頃につけられた傷なのだが彼女にはその記憶を覚えていなかった。ただ覚えている事があった。彼女の記憶の中では銃を撃たれて殺された母親の姿があった。その母親の姿は酷い有様だった。父親は母親を銃で撃ち尽くし惨殺した。その惨殺した母親の遺体を斬り裂くと父親は貪り食うのであった。


「私の母は父によって殺されました。父は母の事を心から愛しているのだと私はそう思い込んでいたのです。でも違いました。今でも忘れません。父は母を殺してその肉を食べてしまったのです。父はマラント宗派の鳥人でした。マラント宗派では家族や友人仲間を殺してその肉を食べると命が長らえるという考えがあったのです。でも母はマラント宗派を恨みヴェルナール正教会に寝返った為に殺されました。」


過去を振り返り悲しむヴェロニカは涙を流していた。決して透明な色ではなく美しい緑の透明な色をした涙をウィリブロルドは見つめていた。するとウィリブロルドはヴェロニカに近寄ると彼女の身体を優しく抱きしめた。ただヴェロニカの頭を撫でた。ウィリブロルドに撫でられたヴェロニカはそのままウィリブロルドの唇を奪おうとした。次の瞬間ウィリブロルドはハッとしてヴェロニカから離れようとした。彼はこういうのに慣れていなかった。

ウィリブロルドの心の中で何かが音を立てて壊れ始めた。ウィリブロルドはヴェロニカとキスを始めた。ヴェロニカと激しくキスをしてゆく中でヴェロニカは口を開いた。ヴェロニカは愛に飢えていた。修道女になって彼女は人を愛するという事を禁じられた。


「いけない事だというのは分かっています。でもウィリブロルド様、もう私の目の前に貴方しかいないのです。

 3箇所に展開された魔法陣は白色であり中央の魔法陣は銀色を帯びていた。

中央の銀色の魔法陣には意味不明な文字が浮かび上がった。

その文字は古代のノーポジフェザードにいた鳥人が作り出した文字なのだろうか。その浮かび上がった文字を観てデイジー・ヴェルフェスは口を開いた。


「古代の文字なんですか?私には解読ができない、難しすぎませんか??読んでいて頭が混乱しそうになるのです。」


「古代の神がいたのさ。その神はこの文字に命を吹き込んだのさ。その文字を使い三つの神を作り出したとされているのさ。自身の魂を3つに分けてね。その神は魂を3つに分けたんだがその魂は12本の剣に封印されたんだ。3つの魂はさらに分断された。聖剣を使い神をこの手で復活させればその神が蘇る。」


「その文字を考え出したのは古代の鳥人だったのじゃ。その鳥人は神へと姿を変えた。

進化した事で神へとなった鳥人は永遠の命を手に入れた。神へと進化する際に一本の菩提樹を作り出したのじゃ。その菩提樹の樹液を吸い神へと進化した。」


エースィクトは福音書の目次を開くと最終章と書かれたページを見た。

マルコスの福音書は黄金色の分厚い表紙に銀色の紙が使われていた。600ページを開くとそのページには魔法陣と同じ模様のマークが記されていた。

魔法陣は全部で4種類存在していた。

魔法陣のマークの下に聖剣士ゲルヴァダートは太字で書かれた古代文字のような文字を発見した。その太字の文字を観てゲルヴァダートはその文字を朗読し始めたのであった。


「死を司る死神、大陸の神、生物を生み出す神か。生死を司る神の名はデューク、、大陸の神はロナーク、生物を生み出す神の名はナハトと記されているぞ。」


「デューク、ロナーク、、ナハト???

これらの神の魂は成獣ポルケトゥスと一体何の関係があるのですか?」


「不死鳥として長く生きる者や、鳥人とは異なる生き方をして短い寿命の中で一生を終える生き物がいる。それが人間という生き物だ。

遥か昔この星に生き物を生み出した神によって人間は生み出された。

神はアダムとイブと呼ばれる2人の生き物を生み出した。その生き物達に世界を託したのだよ。

世界を託されたアダムとイブは知恵の木から一つの果実を口にした。

その実こそ知恵の実と呼ばれたのだ。

かつてこの星にも知恵の実を口にした人間がいたのだ。

だがその知恵の木と同じようにこの星にも一本の木がなった。その木はこの星の生態系を作り替えたのだ。人間は鳥のような姿を持つ鳥人へと進化したのだ。そして今成獣ポルケトゥスをこの手で復活させる儀式を開始する!!!!」


エースィクトは既に集められた8本の聖剣とヴェルディオの聖剣を3本ずつ3つの魔法陣の中に置いた。3つの魔法陣から白色の光が放たれた。白色の光は閃光となり中央に集約した。


中央に集約した閃光は次第に肥大化してゆく。肥大化した閃光は中央の魔法陣によっていった。やがて9本の聖剣は中心に集まったヴェルディオの聖剣に吸い込まれてゆくとヴェルディオの聖剣から金色の光が光り始めた。


次の瞬間からヴェルディオの聖剣に封印されていた禁断の魔物が姿を現した。

その成獣は16本にもなる羽根を持っていた。目は一つしかなく蛇の頭を持つ異形の尾を持っていた。その異形の怪物は鋭い咆哮を放つとエースィクトの方を振り向いた。その瞬間エースィクトの側にいた聖剣士ゲルヴァダートは口を開いた。


「これが三つの神の力を持つ怪物なのですか??大司教。ジュラーセはこの怪物にノーポジフェザードの未来を託そうとしたのですか?」


「神聖なる神が遂に復活したようだ。成獣ポルケトゥス、隕石をこの手で封印して世界を救ってくれ。ジュラーセから命を与えられたお前ならばきっと世界を救うと信じている。ネルディバードの愚か者などにお前を渡したりなどしない。」


エースィクトはヴェルディオの聖剣を持つとヴェルディオの聖剣から金色の閃光が出現した。その金色の閃光は成獣ポルケトゥスの心臓部に接触するとポルケトゥスは一気に空に飛び立っていった。ポルケトゥスが上空に飛び立つとその羽から竜巻のように風が吹いてきた。だがその風は徐々に勢いを増し始めた。次の瞬間成獣ポルケトゥスは口から破壊砲を放つとその破壊砲はラクター神殿を直撃した。神殿が次次と崩れ始め崩壊してゆく。ガラスは吹き飛びラクター神殿の内部からは火が上がってゆく。エースィクトは必死にポルケトゥスに叫び尽くした。だがポルケトゥスにはその叫びは届かない。


「大司教、奴は暴走しています。このままでは神殿が破壊されてしまいます。まさか、ヴェルディオの聖剣のいう事を奴は効かないとは???全く理解ができません。」


聖剣士ゲルヴァダートの元にポルケトゥスは忍び寄ってきた。力強く音を立てながらその怪物はゲルヴァダートの上に現れた。このままでは死ぬだろうと覚悟したゲルヴァダートは守護霊の堕天使を召喚しようとした。

その堕天使の名はケルヴィンといった。だがケルヴィンは召喚されなかった。素早いスピードで近付くポルケトゥスから召喚禁忌術が発射されていたのだ。その禁忌術は漆黒の暗い光を放っていた。その暗い光からは一瞬にしてゲルヴァダートの身体に浸透した。

ゲルヴァダートはポルケトゥスによって踏み潰されてゆく。

ゲルヴァダートの身体は激しく損傷すると内臓が飛び散り脳みその破片が出た。聖剣士の変わり果てた姿を見た聖剣士オスキュラーと聖剣士グレゴリウスと聖剣士カジミェシュの三賢者はそれぞれの聖剣へと訴え続けた。

読んで頂きありがとうございます。

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