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エスポル旅行記~夢幻の園~  作者: アリナス
第2章 最後の希望
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第6幕ー4 最後の晩餐

感想お待ちしております。


 ラクター神殿には聖人達が集っていた。その集いには東方の三賢者ら含めて10人の鳥人とヴェルナール正教会の鳥人達が姿を現した。

ヴェルナール正教会の司祭である梟のエースィクト・ペルデュースはかなりの巨漢であった。彼はシュークリーム朝から14個食べていたのだ。


「大司教、食べすぎは禁物ですよ。貴方は本当に食いしん坊なんだから、ダイエットに成功するって言う目標はどうしてしまったのですか?」


「ダイエットはまた今度なのじゃ!!

とりあえず今は食えるだけ食べさせてくれ!!!最後の晩餐になるかもしれないのだから!!!」


エースィクトは死を覚悟した。この星には隕石衝突を抑えられる防止策はない。聖剣を使ったとしても星の生き物全員の命を救うことはできない。彼の望んでいた平和主義が真っ向から否定されてゆくような気がした。ヴェルナール正教会のジョゼフ・バゼーヌというフラミンゴの鳥人はナイフに刺した肉を口に入れると喋り始めた。


「遥か昔、地球という星でイエス・キリストという神が死ぬ夜に晩餐をしていたのです。彼は12人の弟子の中に裏切り者がいると称したそうですよ。」


「ジョゼフ、根拠の無い噂話をしない!!

それから左手出しなさい!」


「うるさいわねー、、人に偉そうに注意しないでよ!」


鶯の鳥人であるデイジー・ベルフェスはジョゼフに対して厳しく注意した。ベルフェス家はデルメーネ王朝に仕える上流貴族でありデイジーはベルフェス家の長女として一流の教育を受けて育った。彼女の年齢は600歳を超えていたのだ。彼女の好物は赤の葡萄酒とフランスパンだった。首から下げている美しい宝石は輝かしい緑の光沢を帯びていた。


「ちょっとデイジー、あなたも宝石集めなんかに無駄なお金を使う必要は無いのじゃない??

大体そのコレクション、貧弱で陳腐なのよ!!」


「陳腐とは何よ??

いいこの宝石は皇妃であるウージェニー様が私の為に作ってくださった特別な物なのよ!!」


ウージェニーはデルメーネ王朝の皇妃でありデイジーに沢山の宝石を捧げた。彼女は魔術師として優秀であり宝石を生み出す魔術に長けていた。その宝石からは生命の痕跡を感じる事ができた。その生命の痕跡は微量の魔術を感じる事で確認できた。そんな話をしたのか負けずとジョゼフは言い返した。彼女は口喧嘩を嫌っていた。彼女の口喧嘩を眺めながら冷静に三賢者の一人である聖剣士オスキュラーが口を開いた。


「地球??人類のいる星か?

生命に満ち満ちている星。不思議なものだ。水や植物、食べ物に恵まれている。美しい星だ。」


「聖剣士オスキュラー、貴方は行った事があるのですか?」


「遥か昔の話だ。蒼く美しく輝いていた。文明が栄えて命が生まれては消えていった。我々鳥人族とは明らかに異なる進化を遂げた者達だ。

2足歩行で歩き猿のような姿をしていた。」


聖剣士オスキュラーは瞬間移動魔術を駆使して地球を訪れた。その際オスキュラーは地球人を大量虐殺した事があった。オスキュラーはフランスのパリの地に降り立った。彼は人類に扮するとコミューン派の市民を殺害しその血を吸い尽くした。彼は他の生き物を殺してその血を吸い尽くす事で永遠の命を得られると思い込んでいたのであった。聖剣士オスキュラーと共に地球へと降り立ったのは聖剣士グレゴリウス・パラマスであった。グレゴリウスは静寂主義者である。彼は穏やかな静寂した状態をアタラクシアの断罪と呼んだ。アタラクシアの断罪こそ子孫の断絶であり生命の魂を消滅させる事で心の動揺を取り除いたのであった。


「聖剣を使い命を吸い取った。アタラクシアの断罪をする事で奪い取った命の分だけ血を吸った。まさに吸血鬼であった。これによりアルデバラン連合会から批判を受けたのであった。まさかアルデバラン連合会への密告者がいたとは思いもしなかった。」


「密告者??一体何奴なじゃ???

アルデバラン連合会の規則では鳥人族が他の星の生き物の密猟は禁止されているはずなのだ。まさかその事実を知らなかったのではあるまいな???」


大司教エースィクトは激しく怒鳴り散らした。激しく動揺したエースィクトは怒りのあまり机を叩いた。その叩いた机に載っていた食べ物が皿から落ちた。エースィクトは食事を中断して宮殿の奥の部屋へと入った。その奥の部屋には8本の剣が揃っていた。その8本の剣こそ紛れもない聖剣そのものであった。その中に含まれていない究極の能力を持つ一本の剣があった。その剣の名をヴェルディオの聖剣といった。かつてヴェルナール正教会の英雄と言われたヴェルディオが完成させた剣には成獣が封印されている。その成獣の名をポルケトゥスといった。目を一つしか持たないその成獣は16本の羽を生やしていた。その羽を広げると60メートル近くになる成獣は猛獣のような力強い脚を持っていた。そして口からは強力な破壊砲を放つ事ができた。尾には蛇の頭を持っていた。

エースィクトは聖剣を取り出した。その聖剣こそヴェルディオの聖剣そのものだった。金色に輝く聖剣は鳥人らの目を引いた。エースィクトはヴェルディオの聖剣を使うとジョゼフ・バザーヌを刺した。フラミンゴの鳥人であるジョセフ・バザーヌは激しく血を噴き出した。金色の聖剣は赤く染まってゆくのであった。その聖剣を使い赤い羽根を引き剥がしてゆく。


「大司教様!!!

一体どうするおつもりなのですか???」


「此奴は裏切り者だ!!貴様、上流貴族の反乱分子としてこの儂に近づいたのじゃ!!!

ジョゼフ・バザーヌ、、貴様はネルディバードの一員だったのじゃな??」


「おやめください!!!大司教様!!!!

貴方は!!!!私は決して、、、、」


「魔術を感じるのだ。禁断の魔術をな、ヴェルナール正教会の魔術とは違う。これは禁断の魔法!ヴェルナール正教会に反感を持つ貴族の一味!ネルディバードの者で間違いないようだ!!!」


次の瞬間ジョゼフ・バザーヌの所持するネックレスが二つに割れたのであった。2つに割れたネックレスの裏にはネルディバードの紋章が描かれていた。ジョゼフは魔術を唱えると拳銃を生成した。その拳銃を使うとエースィクトを狙撃したのであった。しかし直ぐにジョゼフは鳥人らにとりおさえられた。取り押さえられたジョゼフは床に対してうつ伏せになり倒れ尽くした。


「そうよ。エースィクト・ペルデュース、あんたをこの手で暗殺するのが私の任務だからね。私はネルディバードの使者!!この星の未来の為にヴェルディオの聖剣を渡しなさい!デュヴォラヴェスターが記していた福音書の第11章には残りの3本の聖剣が一体どこにあるのか、あんたは知っていたにも関わらずその事実を隠蔽しようとした。私達ネルディバードはジョルジョ・トゥ・ラトゥール様こそ全ての祖であり神と崇めているのよ。貴方達の力など、」


「それ以上、喋るな!!!

愚か者がジョルジョ・トゥ・ラトゥールは裏切り者だ。あの者は永遠の命を求めるがあまり神を裏切ったのだ。そうだ。奴は名を変えた。ジョルジョ・トゥ・ラトゥールという名前を捨てな、ヴォージス・サークスなどふざけた名前を名乗りおってな!!!」


食事の場が騒然となった。席から立ち上がったエースィクトは机に残った10個のシュークリームを一気に口に入れた。彼は常に食欲に満たされていなければ気が済まない性格であった。明らかに食事をする状況ではないにも関わらず暴食を続けるエースィクトに対して聖剣士ゲルヴァダートは笑いが堪えきれなかった。


「大司教様、言いましたでしょう。食べ過ぎですぞ。あれほど痩せると自分で言っていたのではないですか???」


「黙れ!!えーいうるさい、この後に及んで余計な事を言うな。儂は聖徳太子じゃないのじゃ!!さてもっと感じるぞ!このままジョゼフ・バザーヌの血を浴び続ければ儂は確実に長寿を真っ当できるぞ!!!」


エースィクトは感じるのであった。今自身の寿命が伸びている気がする。エースィクトが来ている洋服は真っ赤になってゆく。そして次の瞬間エースィクトの身体の魔術が飛躍的に上昇した。デイジー・ベルフェスは目を輝かせた。信じられないような魔力の上昇に東方の三賢者らも感激したのであった。エースィクトは机から立ち上がると一本の魔剣を取り出した。ペルデュース家に伝わる伝説の魔剣から炎を噴き出した。するとその魔剣から一匹の火炎鳥が現れた。その火炎鳥の名を業火の朱雀(フィークス)といった。火炎鳥は変わり果てたジョゼフの遺体の側に寄ると彼女の遺体に火を付けた。するとジョゼフの遺体は燃え始めてあっという間に灰になってしまった。真っ黒な灰になったジョゼフの変わり果てた姿を見てデイジーは言葉を失った。


「ジョゼフ、ごめんね。」


「良いかデイジー、ネルディバードは我が国の恥晒しだ。この星に於いてテロ行為を繰り返し儂らの命を奪ったのだ。ジョゼフは道を誤ったのだ。ネルディバードに心を奪われてしまったのだ。こうするしかないのだ。ネルディバードに聖剣など渡すものか、、いよいよだ。間もなく隕石が近いてくる。ラクター神殿の外に行って参るぞ!!!」


「裏切り者は始末しなければならないのですね。私にとって耐え難い程の辛い現実でも受け入れなければならないのですね。」

デイジーは涙を流したのであった。そして目の前で灰と化してしまったジョゼフに手を合わせる。その様子を観察していた聖剣士ゲルヴァダートはデイジーに話しかけた。


「その涙は目の前で食を共にした仲間が死んだ悲しみの涙か。デイジー・ベルフェス、何故涙を流す。裏切り者を始末しただけの話ではないか。涙など必要ないのだ。聖人は涙を流したらいかん。涙を流せば寿命は短くなるとデュヴォラヴェスター様の教えにある筈だ。」


「わからないのです。でも何故か今私の目から涙が止まらないのです。涙が止まらず悲しみを堪えきれないのです。」


時間がやってきた。最後の大勝負だ。

エースィクトら聖人達はラクター神殿の部屋から出ると外の中庭へと向かった。ふとエースィクトが空を見上げると上空には美しい隕石が現れている。ラクター神殿の中庭には魔法陣が展開されていた。3箇所に聖剣を置く為の小型の魔法陣が展開されていた。中心には大型の魔法陣が用意されていた。

読んで頂きありがとうございます。

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