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エスポル旅行記~夢幻の園~  作者: アリナス
第2章 最後の希望
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第6幕ー3 聖人の集い

コロナも大分治まりつつありますね。


 翌朝聖人ヴェロニカと聖ウィリブロルドは複数の修道女を連れて荒野からラクター神殿に向けて歩いていった。ヴェロニカは地図を眺めると現在地と地図に明記されている照らし合わせた。その地図は東方の三賢者が与えたラクター神殿に荒野には無数の集落が立ち並んでいた。その集落からは貧相ない鳥人の村人達がボロ切れを纏いながら食料を要求していた。


「あの貧相な町民になんとか食料を分け与えてもらえないでしょうか?ウィリブロルド様」


「良いのであろう。聖人であると言う事は常に善の心を持っていなければならない。それはデュヴォラヴェスター様の経典には常に記されていた。だが私には今は食料を

ヴェロニカは福音書を片手に貧民達の元に歩み寄っていった。福音書の第六章には貧民への救済を行い心を清めよと記されている。デュヴォラヴェスターは約束された地への導きの一環であると唱えていた。ウィリブロルドは福音書を取ると使徒を召喚した。デュヴォラヴェスターの弟子であるとされている大使徒アンドレイ・ペルヴォズヴァーンヌィである。アンドレイは梟の鳥人であった。西方教会の司祭を務めるアンドレイはデュヴォラヴェスターの4番目の弟子とされていたのであった。アンドレイは聖剣を封印した鳥人であり旧ビサンディウムの最初の食料聖人として名を残していた。


「大使徒アンドレイ様、貴殿の魔術でどんな食料でも与え増やす事という事ができるとデュヴォラヴェスター様の福音書に記されてありました。」


「福音書の予言を信じるのか?

その事を信じるのならば没薬を必要とするのだ。聖人を蘇らせたということは限りある命を全うするという事だ。デュヴォラヴェスター様は5000人の命を救ったのだ。私も選ばれた使徒だ。一人だ。救える命が一人だけだ。それ以外はこの場で殺せ。首を刎ねてその命を奪うのだ。」


「申し訳ございません。私にはできません!

罪なき者の命を奪い見捨てる事など!

神はこの世界を創造したのです。この美しき世界に命と食料と自然を授けてくださったのです。」

アンドレの出した答えは残酷なものであった。食料を与えられる命は一人と決まっていた。たった一人の命を救う為には犠牲が必要なのであった。アンドレの背後には金羊毛騎士団の存在があった。金羊毛騎士団は西方教会最大の派閥として知られていた。聖ウィリブロルドは剣を握った。10人近くいた村人をその場に並ばせた。ボロ切れを纏った村人達は必死に訴えた。


「どうかこれ以上貧しい思いをしたくありません!たった1日でも良い、食料を!!!」



その訴えに答えたのか聖ウィリブロルドは所持していた剣をその場に下ろしたのであった。彼には善人としての心が残っていた。この者達の命を奪う事はできなかった。するとアンドレはウィリブロルドに近づいたのであった。


「見事な答えだったな。今まで私を呼び出した者達は私の命令に従い多くの命を犠牲にしたのだ。私は福音書から何度か解放されたがその度に同じ試練を与えてきた。一人にしか食料は与えないと。その命令通りに、他の人民の命を奪っていたらウィリブロルド、お前も死んでいただろう。さあウィリブロルド、、これをあの貧しい国民に分け与えてあげなさい!!」


そういうとアンドレは術式を唱え始めたのであった。食料がその場に出現した。沢山のパンがその場に姿を現した。そして何匹もの魚も含まれていた。アンドレは聖剣士パルドゥフルスの洗礼を受けていたのだ。聖剣士パルドゥフルスはアンドレの師匠であった。パルドゥフルスはハヤブサの鳥人である。


「パンと魚、貴殿はやはりパルドゥフルス様の洗礼を受けた真の教徒なのですか?アンドレ様」


「神は1週間で世界を創り上げた。生き物や食料、文明を作り上げた。命を繋ぎ世界を美しくする為に荒れ果てた大地に鳥人にとっての命の楽園を創造したのだ。いいか。これから起こる最大の失楽から逃げてはいけない。何があってもノーポジフェザードを守り抜くのだ。これがデュヴォラヴェスター様もそう望んでいる。」


聖剣士パルドゥフルスは12使徒の一人であった。彼もまた聖剣の所有者としてヴェルナール正教会の一員としてその名を轟かせていた。

聖剣士パルドゥフルスは既にこの世を去っていた。パルドゥフルスは生前陶器を作る事を趣味としていた。その陶器を宮殿の装飾品として宮殿の一室に飾っていた。パルドゥフルスの事を思い出したのかアンドレはかつての思い出を語り始めた。その思い出の中ではパルドゥフルスは陶器を作っていた。忙しい合間を縫いまるで一心不乱に黄金の陶器や食器を自身の思うがままに作っていた。


「我が師は陶器や食器を作っていた。かつて貧しい者が我が宮殿に食糧を盗みに入った時があった。ペレット銀の燭台とパンと魚と黄金の陶器を貧しいパルドゥフルス様は授けた。

だから、そのパルドゥフルス様の思いである。食糧と食器を是非使ってくだされ!!!」


「ありがとうございます。本当に助かります。神からの授かり物ではないかと疑ってしまう程です。この陶器は私達に生きる希望を与えてくださるのですか。」


聖ウィリブロルドはアンドレが作り出したパンと魚を町民に捧げた。その時であった。アンドレはウィリブロルドに口を開いた。


「ウィリブロルド、、今お前は命を繋げた。これによってお前に一つ聖剣士としての位が上がったのだ。お前に聖剣カルテナを授けよう。そしてラクター神殿に残り3本の聖剣を共に収めるのだ。聖剣が4本揃えば一つの光が浮かび上がる。その光はやがてジュラーセを導くのだろう。」


その言葉と共にアンドレの姿は消えていた。そして一本の聖剣がその場に落ちていたのであった。聖人ヴェロニカはその聖剣を拾った。


「ウィリブロルド様、命は限りある物です。魂はいつか死に、そして消えてしまうのです。

私達は聖人として普通の鳥人より長い寿命を真っ当できるのです。星が消えて無くなり美しい宇宙の中でまた生まれるのですね。隕石は絶対この手で守らなければ」


「そうだな。ヴェロニカ、、其方はそこまで気づいておられるのなら優秀だ。私が聖人になったばかりの時はそこまで考えられなかった。」


再びラクター神殿に向けてウィリブロルドとヴェロニカは歩き始めた。砂漠はずっと続いてゆく。そんな中突如砂漠から火が上がった。次次と砂煙が舞ってゆき砂漠と集落が燃やされてゆくのであった。燃やされた集落は崩壊してゆく。上空から小さな隕石の粒が降り始めている。その隕石の粒をウィリブロルドは拾い上げると思わず口にした。


「まさか、隕石が落ちる日は近いのか??

終末の時は近いのか?

ノーポジフェザードの終末が遂に来るのか?」


「ラクター神殿まで辿りつければ後はもう少しでしょう。神殿が見えてくれば後は聖剣を揃えれば隕石の衝突を最小限に抑える事ができるでしょう。」


その時であった。上空から戦闘機の飛行音が聞こえた。その戦闘機は猛スピードで滑空すると巨大な飛行機雲と渦を形成した。その戦闘機を謁見したヴェロニカは組織の存在を確信した。

デュヴォラヴェスターを信仰するヴェルナール正教会の反対勢力である事は間違いないのだ。

彼らこそが聖剣の秘密を知っている。その戦闘機が向かった先はラクター神殿の方角に間違いなかった。


「ウィリブロルド様、あの戦闘機、ネルディーバードの一味に違いありません。ネルディーバードはラクター神殿の近くに基地を作っています。その基地に無数の偵察機や戦闘機が在注しています。」


「ヴェルナール正教会に反旗を翻す者共!!

断じて許し難い!ネルディーバードは大昔から

脅かし続けていた。愚かなる神など信じた矢先に何を求めるというのだ。」


そして一気に戦闘機が何機も近いてくると凄まじい轟音と共に巨大な宇宙艦隊が聖人らの前に姿を現したのだ。その宇宙艦隊はヴェルディウスフェルを纏っていた。その艦隊から一気に砲撃が開始された。凄まじい爆発が起きてゆく。

その一人に聖人の一人がいた。その聖人はデュヴォラヴェスターを裏切り悪に願いった聖人であった。ウィリブロルドの命を狙っていた。ネルディーバードを立ち上げた。ネルディーバードは元々とある王国貴族出身の者が組織の長となったのだ。彼は魔道士であった。


「ジョルジョ・ド・ラトゥール!!奴はデュヴォラヴェスターを裏切った聖人だ。

聖人が神を裏切り世界を壊せば美しい世界を作るなど愚かな幻想を抱いている。

福音書を奪い取り自分のものにするなど聖人として許し難い。必ず奴をこの手で!!!」


ウィリブロルドは激しく怒りを露わにした。


読んで頂きありがとうございます。

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