第6幕ー1 幻術の中
お久しぶりの投稿でございます。これからも自分のペースで投稿して行きたいと思います。
「油断したわね!!!」
次の瞬間イーラの眼球にローゼンの剣が貫通していた。イーラの右目に鋭い剣が刺さるとイーラは激しい声をあげたのであった。
そしてローゼンが剣を引っこ抜くと剣先にはイーラ・ブレイハの眼球が突き刺さっていた。イーラの眼球が突き刺さったその剣をローゼンは手に取るとイーラの眼球を舐め回したのであった。ローゼンによって舐め回された眼球の黒色の水晶体は突然黒い煙となって消滅した。
「お前、、まさか幻術か??」
ローゼンはトリックの全貌に気がついたのであろうか。瞬間的にローゼンの背後から腕が突き刺さった。ローゼンは瞬時に察した。その腕がイーラの操るクリーチャーの腕である事に。白く長い腕はさらに増殖するとローゼンの身体を突き刺してゆくのであった。
「君が欲していた眼球を僕がそう簡単に取られると思うかい??人間の物質処理能力は常に変動し続けている。君が僕と闘う事に僕はクリーチャーの能力を吸い続ける事で更に身体能力を飛躍的に上げれるのさ。クリーチャーは僕と完全に一体になったのさ。」
そう言うとイーラの剣から白くドロドロとした液体のような物質が生成されてゆく。その生成された液体はイーラの剣全体を包み込んでゆく。そして化け物と化したクリーチャーが姿を現すとそのクリーチャーの身体にイーラは剣を突き刺すのであった。突き刺されたクリーチャーのドロドロとした液体をイーラは口にしたのであった。
「剣獣の12ー臥龍の腕!!!!」
そう叫ぶとイーラの剣に纏わりついたクリーチャーの白い液体は集合体の如く集まると12本の触手と化した。その触手からは銀色の臥龍の鱗が形成されるとその鱗によって触手は鋭い形状へと変化したのであった。そのうちの一本はローゼンの身体の背後に突き刺さってゆくのであった。何本も突き刺さってゆくとローゼンは激しい痛みと共にローゼンの全身から赤黒い血液が滴り立ってゆく。
「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁぉぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ローゼンの美しく甲高い声が響き渡ると同時に口からどす黒い血液を噴き出してゆくのであった。イーラは笑い声を上げながらローゼンの方へと近づいてゆく。
「良いじゃないか!!!!君も僕と同じだ。喜びを感じているのだろ!!!心の底から殺す事に快感を感じているのだろ!!!家族を皆殺しにしたその日から、、、君は悪魔に心を売り渡したんだよ!!!!さあその美しい身体から限りなく美しい血が飛び散る事が堪らないのだから!!!!あははははははははははははははははははははは!!!!!!!!さあどんどんどんどん血を吐き出すが良い!!!!」
ローゼンは激しく痛みをあげる。血を激しく噴き出してゆく。そしてイーラは何度も何度もローゼンの身体に剣を突き刺してゆく。これまで担任の教師や自分を虐めていたクラスメイトを嬲り殺していた時の快感を思い出しながら。イーラ・ブレイハは笑いながらローゼン・メイデンの返り血を浴びてゆく。何度も何度もローゼンの身体に剣を突き刺してゆく。そしてとどめにローゼンの左目に剣先を刺してゆくのであった。
「さあ美しい、、、この眼球さえ手に入れば僕の勝ちだ!!!!!」
完全に安心しきった。イーラ・ブレイハであった。だが次の瞬間イーラの身体を何かが貫通していた。イーラははっとした。まさかと思い後ろを振り向いた。
その後ろには傷一つついていないローゼンの姿があったのであった。イーラが激しく剣を突き刺していたローゼン・メイデンの身体は巧妙に作られた義体であったのだ。
「まさか!!!!!まさか!!!!!!そんな馬鹿な!!!いつだ???いつからすり替わった???」
「いいえ???貴方は騙されていたのよ。今まで貴方が闘っていたのは、全て美しい薔薇の花びらで形成された偽物の傀儡!!!!!さあ集約しなさい!!!!美しい私の子よ!!!!!」
そして義体は薔薇の花びらへと次から次へと変形してゆくとローゼン・メイデンの剣はイーラ・ブレイハの身体へと突き刺さる寸前であった。だがローゼンは手を止めたのであった。彼女の持つ剣の剣先は今にもイーラ・ブレイハの身体に突き刺さる寸前であったのだ。
「何故だ!!!!何故!!!!僕を殺さない???」
「言ったでしょ??始めからあなたには興味があったって!!!貴方と手を組みたいのよ。それに言っていたじゃない??
僕の味方にならないかって!!
良いわよ。貴方の味方になってあげる。その代わり、、貴方は血の雨を降らせてもらわなきゃならないけどね。」
ローゼンはそう言うとイーラ・ブレイハに対して笑みを浮かべた。暫くするとイーラはその場から立ち上がった。信用していいのか。今まで自分は孤独であった。誰かを殺してその血を浴びる事だけが唯一の快感であった。
「血の雨を降らせるだと??
君と一緒に人殺し稼業に手を染めろというのか??冗談を言うな!!!僕は既に大勢の命を殺した。そして人の命を奪うのは君の意思ではなく僕の意思だ!!」
「私の意思ではないわ。感じるのよ。貴方は人を殺し続けなければならない。その理由がね。この世の全てに絶望した目をしている。人の命を何とも厭わない目をしている。貴方の目は間違いなく最強の殺し人の目。貴方と同じよ。私も殺したくてうずうずしてるのよ。人の命を奪う事にね。血の雨は人を斬り殺してこその美しい絵画よ。貴方が雨を降らせ。私がそこに薔薇の花びらを残す。私と手を組まない??イーラ・ブレイハ???」
「世界を血で染めるのか??」
そしてそのセリフが全ての引き金になったのであった。イーラの中で何かが変わった。この女は信用できるかもしれない。この女も一緒だ。殺すべき相手も殺したい相手も憎むべき人間も全て同じだ。同じくらいの悲しみを背負っているに違いない。こうして後にバグミュダットを震撼させる人斬りイーラ・ブレイハことブラック・ジョーカーとローゼン・メイデンが出会った事で事件は始まってゆくのであった。
同じ頃、ロスの市警に呼び出されたイーラ・ブレイハの両親は困惑した。彼が学校で生徒たちと教師を大量に殺害した事実を知り。その事実が受け入れられなかった。
「イーラがそんな人を殺したなんて、、そんな筈はありません。きっと何かの間違えでは??」
「いいえ。確かにはっきりと目撃されたのです。何人もの生徒が、鋸を所持して多くの生徒と教師を殺害していく奴の姿をね。お母さん、、貴方の近所に住む兄妹もついさっき包丁で滅多刺しにされた遺体で発見されたのですよ。もし奴が家に帰ればお母さん、お父さん、、貴方達の命が危ないのですから!!!」
「取り敢えずはこの場所に待機していてください。貴方達の事は必ず私達市警がきちんとお守り致しますから。今、市に緊急体制が敷かれました。我々も全力で奴を引っ捕らえますから。」
ロス市警警部であるジェイソン・メタトリーはイーラの両親に頭を下げると軽く会釈したのであった。彼はイーラの行動についてイーラの両親に聞きたい事があったのであった。イーラ・ブレイハは幼少期から目立った行動は無かったか。よく幼少期に殺人を犯す犯罪者達は、猫や犬などを平然と殺したりする。猫の首を平然と斬り刻んだり、本来の人間に比べて常軌を逸した行動をするのだ。もし過去にその行動があるのならばイーラはやがてとんでもない殺人鬼へと変貌してしまうかもしれないのだ。イーラの母親は思い出した。あの過去にあった悲劇。
飼い猫が何者かに殺害された。それも首を切り取られて隣人の庭に放置された。
その時は母親はイーラを疑わなかった。そうあの子がまさか殺す筈がないとそう思っていたのだ。
「昔、、あの子が5歳の時に突然飼っていた猫が死んで、、犯人は行方不明なままで、、、誰がやったのかも知らずに、、まさかあの子が殺したって事なんですか???」
「間違いないでしょうね。幼少期にそのような行動をする人間は命を奪うという事に対して何も感じなくなるでしょうからね。かつてこの地を騒がせた斬り裂きジャックも幼少期から殺人に悪行を重ねてきましたからね。」
「切り裂きジャック。。」
「私達はあの子が学校で酷い虐めを受けている事実は知っていました。でもその腹いせに生き物を殺すと言う事をストレス発散にしていたとは、考えられません。」
「子供は危ないんですよ。お母さん。」
イーラの母親にジェイソンの言葉が重く重くのしかかったのであった。
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