2話 金髪ロン毛のナルシストってどう思う?
「どうやら、君はこの学園に通っていながらこのボクのことを知らないなんて、君ホントにこの学園の人かい?」
すぐ隣にいる金髪ロン毛のナルシストっぽい、というかナルシストな男子生徒がそう言ってきたので、
「生憎ながら、この学園には友達と呼べるような人は1人しか居ないんだ」
少し皮肉を込めてそう言ったら金髪ロン毛君は、
「やはりそうか。だっていつも君、ボッチだからな」
……コイツ、果てしなく、ウザイ。
「用はそれだけか? もうないなら帰るぞ。いいよな」
「いやいやこれからが大事なんだよ。今日のボクは、君の友達になりに来たんだ」
「もういい。帰る」
あの金髪ロン毛君と一緒にいると、俺の精神衛生上かなり危ないタイプの人間だった。
「よし、帰るか」
俺は真夏の太陽を見上げた。
……というか、名前聞き忘れてたな。
「――ぐはッッッッッ」
帰り道、一人で夕日を見ながら黄昏いると背中に殺人的タックルを食らい、水平に4~5メートルぐらい吹き飛び、校舎にめり込んだ。
「ちッ。無傷か。」
悪役みたいな台詞を言いながら埋まった俺を引っ張り出し、制服に付いた砂ぼこりを落としていたのは、
「ん? あぁ、凜か。何があったら、突然人を殺しかねない危険な状態になるんだ?」
当然、俺はあの程度では死なないようにできている。
……というか、あの程度ではどう頑張っても死ねない。
「あのさぁ、少しは痛がってくれよ。時雨」
いやぁ、そんなこと言われても……
魔王になるまで少し時間がかかると思います。
(4話くらいから魔王になるかと)