第2話 強欲パーティー、集う
投稿が遅くなりました。文を纏めるのがこんなに大変だと痛感しています。orz
いろいろ拙いですがよろしくお願いいたします。
でわ、本編へどうぞ
ダンジョンの探索を終え町へ向かう二人
向かう先はダンジョンからほど近い「イルファリア」という町である。
国の辺境に近い町ではあるが遺跡やダンジョンが近いこともあり
冒険者が数多く拠点としているため思った以上に規模は大きい。
二人もその街を拠点として活動している。
町の中に向かう二人は顔見知りの門番に挨拶をし門を通り抜ける。
そして町の中にある冒険者の集まるギルド拠点に足を向ける。
ギルドとは特定の職種を潤滑に運営するための組合であり、
冒険者の組合を冒険者ギルドという。
冒険者ギルドとは冒険者への依頼の取り纏めや、
報酬の支払い、素材の買取等の冒険者達をサポート行っている。
また冒険者や依頼者、その関係者達が集まる待合所も兼ねるため
食堂や酒場を運営している場合も多い。
目的の建物に到着すると二人はこなれた様子でギルドの扉を開き中に入っていく。
中に入るとそこには大きめのホールがあり大勢の人達がせわしく動いている。
二人はホールの右側にある食堂兼酒場の奥を目指し目的のテーブルに近づいていく。
その目的のテーブルには4人の姿があり
それぞれに寛いで食事をしている。
そのうちの一人が二人の姿に気が付き声をかけてくる。
「おかえり、首尾はどうだい?」
声をかけてきたのは私と同じ穂先の長い耳を持つエルフの男性
体格は細身の長身で容姿は整っておりかなりの美形だ。
彼の名は「ギースハルト」、共に活動しているパーティーのメンバーで
職業は魔術師、精霊魔法も使用することが出来る。
詠唱の時間は長いが高威力の魔法を多数所持しておりパーティーの火力役だ。
彼は古代魔法を探しており
爺と同じようにダンジョンの中で知り合い、今も行動を共にしている。
「散々だったわ...またじじいがやらかしてくれたわよ...」
私は嘆息交じりにそう答える,
するとギースハルトの隣に座る小柄な人物が答えてきた。
「またか、相変わらずだねじいさんは・・」
答えたのは見た目は子供のようにも見える容姿の人物
名前は「トット」、彼も同じパーティーメンバーで
種族は小人種、子供のように見えても立派な成人である。
職業は騎士でパーティーの壁役を担当している。
彼も私たちと同様に求めるものが有る、それは美味しい食事であり、その食材である。
ダンジョンの魔獣の肉は美味なものが多く、強ければ強いほど
美味になる傾向がある。また、貴重な食材もダンジョンから
産出されることもありそれを探し求めている。
「バン翁のそれは既に病気であるうえ」
続いて答えたのは体格のいい大柄な男性
名前は「ハンゾウ」、やはり同じメンバーで人種の冒険者
職業は忍者、私と同じように斥候役をこなしたり
忍術や体術、剣術を駆使し攻撃役も行う。
東の国からやってきた彼は最強の刀を追い求めて
この国まで流れてきたそうだ。
そして、最後の一人が答える。
「お爺ちゃんはほんとに宝具に目がないからねぇ~」
その見た目は小柄でかわいらしい少女だが
傍らには身長をこえる程の大斧を携えている。
この少女は「カリーナ」といいバン爺と同じドワーフで
ありバン爺の実の孫である。
職業は戦士、近接攻撃を得意としているパーティーの前衛役である。
バン爺のお目付け役として付いてきてはいるが
装飾品や装具が大好きで、宝箱を見つけるとわかりやすいくらいに目の色が変わる。
此の爺にして、此の孫ありだ!
しかし容姿はかなりの美少女でバン爺とは似ても似つかない
むさくるしいバン爺の孫がこの娘であるのは謎だ、解せぬ...
この4人と私、リーダーのバン爺の合わせて6人が同じパーティーのメンバーだ
パーティーの名は「強欲」という、目的が分かりやすいほうが良いと
バン爺が適当に名付けたが、欲望まみれそのままの身も蓋も無いパーティー名である。
しかし、実力は折紙付きでこの辺りではトップクラスのパーティーである。
「それに巻き込まれるこっちはたまったものじゃないわっ...」
そう答えながら私は空いている席に着く
バン爺も隣の空いている席に座りそして答える。
「しょうがなかろう、宝箱がのぉ 開けて 開けてと こちらを呼んでおるのじゃ...」
「しょうもない言い訳ね」とつっこむ私、
「もう病気だよね...」とトット、
「お爺ちゃん、そのうち罠で死んじゃうよ?」とカリーナ、
孫にも諭されるが全く動じず懲りた様子もないバン爺、
きっと心臓に剛毛でも生えているのであろう。
既に気にした様子もなくあたりを見渡すバン爺、
そして頭に猫耳の生えた少女の姿を見つけると呼びかける。
「おうっ、ミケーネよエールを大ジョッキで大至急じゃ!」
彼女はこの食堂兼酒場の店員で「ミケーネ」といい
猫系の獣人の少女だ。
「ハーイにゃ!」
獣人の店員の少女が威勢よくそう答え厨房へ駆けていく
そしてすぐにジョッキを抱えこちらのテーブルへ踵を返す姿が見えた。
「ご注文のエールですにゃ!」
ミケーネはそう言いつつジョッキをテーブルに置く。
バン爺は銅貨を数枚渡しさっそくジョッキを手に取り酒を煽りだす。
「ぷふぁ~、仕事あとのこの一杯は最高じゃわい!」
「儲けは全くなかったけどね...」
私は突っ込みを入れながら硬貨を数えているミケーネに声をかける。
「ミケーネちゃん、私にも飲み物と何か食事を頂戴...あとこのじじいにも、もう一杯かな」
横目ですでにエールを飲み干しそうな勢いのバン爺を眺めながら追加の注文をする。
「はいにゃ!」
とミケーネは明るく答え再び厨房に向かっていく。
その姿を見送り私はテーブルへ向き直る。
「まあ今日のことはもういいわ、それで町ではなにか新しい情報は入った?」
と切り出しパーティーメンバーをさっと見渡す。
そこでギースハルトがそそくさと話し出す。
「どうも森奥の廃城のから新しいダンジョンが見つかったようです。」
「新しいダンジョンってことは、まだ手付かずかな?」とトット
「内部の敵がかなり強いらしく入口付近で手間取っており奥にはまだ進めいないと拙者も聞いたでござる。」とハンゾウ
「情報が出てくるまでにはまだ時間がかかりそうね...」
私はそう答え、そのダンジョンを探索するにあたり
必要そうなものを考えながら隣で酒を煽っているバン爺に意見を求める。
「バン爺、どうするの?」
「そうじゃのぉ、しばらく待てば様子もわかるじゃろうがお宝も取られてしまう可能性があるのぉ」
「それじゃあ潜るの?」
「そうじゃのぉ、準備をしたらさっそく潜ってみるかのぉ...」
といい残った酒を一気に飲み干した。
ちょうどいいタイミングでミケーネが注文したものを運んでくる。
「はいっ、追加のエールおまたせにゃ!」っとバン爺の前に差出し
つづいて私の前には食事と飲み物を置いていく。
「食事は今日の日替わりの鳥の香草蒸しセットと飲み物はいつものチャスミンティーでいいかにゃ?」
「ありがと~」
と答え銅貨を渡す。
ここの食事はギルドに付設した食堂のわりにかなり美味しくまた値段も安い
酒類も豊富で冒険者以外にも利用者は多い。
さっそく運ばれてきた食事に手を伸ばし切り分けていく。
今日の日替わりの鳥の香草蒸しは人気のメニューで私の好きな品でもある。
鳥の香草蒸しにパン、鶏がらスープのセットで
鶏肉は柔らかく切り分けると肉汁があふれてくる、
スパイスとハーブが聞いておりピリッとした味が絶品である。
スープも野菜と鶏がらでダシをとっており味に深みがありとても美味しい。
切り分けた肉を頬張り口の中でうまみが広まっていく。
今日の苛立ちも美味しい料理のおかげで霧散していくようだ。
鶏肉の味を満喫していると隣のギースハルトが先ほどの話を続ける。
「では近日中に潜るとしていつから潜りましょうか...」
と話を続けているとギルドの入口のほうからざわめきが聞こえた。
なんだろうと顔を向けてみるとそこには身なりのいい執事らしき男性が
入口の扉を開けつつ誰かを待つように待機している。
少しすると入口から清楚だが上品なドレスを纏った少女が入ってきた。
容姿は銀髪のロング、目は碧眼で顔は若干幼さが混じってはいるがかなりの美少女だ。
その少女が執事らしき人物に話しかける。
「セバス、例の方々はここにいらっしゃるのですか?」
「はい、お嬢様あちらの奥の席にいらっしゃいます。」
そして、何故かこちらに目を向けてくる。
その視線を受けてなんだか面倒ごとの予感を感じる私だった。
少女は執事にエスコートされこちらに歩みを進めてくる。
そして私たちのテーブルに到着するとスカートをつまみながら優雅に挨拶を始める。
「ごきげんようグリードの皆様、私はこの地の領主であるユンカー・イルファリア伯爵の次女、
エミリア・イルファリアと申します。突然の来訪どうかお許しください。
不躾で申し訳ございませんが火急のお願いがありこちらへ足を運ばせていただきました。
どうかお話を聞いていただけないでしょうか。」
そういうと愁いを帯びた表情顔をこちらの見つめてくる。
何かかなりの事情がありそうだ、伺うようにしてこちらの回答を待っているようだ。
そしてバン爺が顔を上げ答える。
「だが、断る!」と...




