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IZIME  作者: ATURA
6/13

勝負五「生徒会」

殺忍との一件の翌日

「・・・すごいですね、舎弟にしたんですか」

純が静かに感想を述べる。

「いや、まぁ仲間だと思ってくれ」

「そうだよ!名前はうみちゃんとあゆむくんとやしゃさん!」

亜鹿が楽しそうに紹介をする。

「よろしく〜」

「おう、よろしく」

「よろしくお願いします」

「まぁ、海さんがうみってのはわかりますが、なぜ歩幸くんはあゆむで八叉くんはやしゃ?」

「漢字的にそれっぽいから」

うん、極端だな。

「さぁ!みんなで遊ぼうよ!何して遊ぶ?」

今はまだ笑っているみんな、だが、裏では陰の動きがあるなどとは、誰も知らなかった。



 生徒会

この白雪高校の生徒会は元白河生と元雪城生が半分ずつで構成されている。

そして生徒会だけあって、礼儀正しく頭もいい、だが、その裏では不良学生に対して残虐な仕打ちをしていた、それは学校の秩序を守るという名目のいじめであった。

今やこの生徒会は大きな組織として、この学校に君臨しており、教師より権力の強いものとなっている。

生徒会の大まかな構成として、トップが会長、そして副会長。

その下に執行委員が10名いる。その執行委員に二人ずつ付いている書記、合計20名。

更に各委員会の委員長、副委員長、そして行事に必ず付く実行委員達。

そして一番下に各学級にいるリーダー、彼らは監視員といわれている。

そして、亜鹿と晶の学級の監視員は名森であった。

 第一学年生徒会支部室

「名森監視員、三城晶の削除について、報告を」

そう言ったのは執行委員の一人、「荒木志津恵あらきしずえ

執行委員の中の十人目といわれている。

この十人目、という意味は階級である。番号が若いほど階級は上なのだ。

「はい、三城晶の無力化の為、殺忍を利用した結果、失敗に終わりました、殺忍どもは晶の仲間になった模様です」

名森がそう言うと、他の学級のリーダーが笑い出す。

「殺忍たちが仲間に?名森監視員、ふざけてるんですか?」

誰かがバカにした言い方でそう言った。

「三城晶の経歴を調べたところ、兄はあの平助と呼ばれる第一級危険生徒です、その関係から見て、仲間になったのはおかしくはないと思います」

名森は落ち着き払ってそう言った。

バカにした監視員はばつが悪そうに舌打ちをする。

「そうですか、第一級危険生徒の弟ならば、素早い削除が求められますね」

志津恵が眼鏡を指で押し上げて言った。

「三城晶を削除するため、各監視員の方達はダストメイトに声をかけてください」

ダストメイト、この学校にいる不良生徒の事。

「名森監視員、あなたは新たな三城晶、削除作戦を考えてください」

「わかりました」

それで今日の話し合いは終わった。



名森まゆ、彼女は元雪城生だ。

だが元々無理して入った進学校、勉強に付いて行けず、いつしか全てを投げ出した。

楽で楽しくやって、それなりに楽しかった。

だが、周りはうるさかった。

そんな時、学校の合併が起きた、そして、会長直々の指名で、監視員になった。

気に入らない奴はいじめてもいい、

勉強なんて気にしなくていい、

君は、この学級のトップだ。

そう言われて、なんだかうれしくなった。

当然の如く好き勝手やれた、そのリーダーシップを買われ学年のトップにもなった。

肩書きは『第一学年総学級委員長、一学年監視長』

勉強ばかり気にする学園生活から、いきなり薔薇色の学園生活になった。


だが、今それが危うい。


三城晶の存在によって。


このままでは彼の存在によって、この学校は無法地帯と化す。

なぜなら、循環が乱れるからだ。

生徒会とは、本当はダストメイトの親玉の集まりなのだから。

平和なんて望むわけがない、弱い奴を好きなようにする、

武力で叩きのめす事に快感を感じる。

いじめをしたくてたまらないのである。

この学校はいじめで成り立っている。

いじめられる奴らが下にいるからこそ、この学校は表向きの平和を保てた。

もし、晶がダストメイトを敵にして、いじめの循環を断ち切れば、

間違いなく、この学校は終わる。

それはつまり、私の今の生活が消えるというわけである。


「それだけは、許さない」


名森はそう呟いて、拳を握り締めた。

はじめは晶を仲間として取り入れたかったが、それも叶わぬ様だ。

潰すしかない、名森は心にそう決めた。


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