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IZIME  作者: ATURA
10/13

勝負九「晶VS卓」

「はぁ?なに君?」

藍同は苛立った顔をして晶を睨む、

だが、晶はそんな藍同を無視して、女子生徒を通り過ぎ、落とされた弁当を拾う。


「お前、何人の女を泣かせてきた?」


「・・・はぁ?」


「お前は自分の遊びの為に何人の女を泣かせてきた?」


「・・・・あぁ、なに?嫌味?僕が女の子に囲まれているのがそんなに羨ましい?」


「・・・女に囲まれている?・・・成る程、確かにたくさんいるな」


「だろ?羨ましいかい?別に君だってそんなに悪い顔じゃないし、転校すれば僕と同じくらい周りに女の子がいてくれるさ」


晶は落ちた弁当を、何も言わず後ろにいる女子生徒に渡した。


「藍同、てめぇの周りにいる女子はみんなどんな顔をしていると思う?」


「・・・は?」



「泣いているんだよ」



風が吹き、弁当を渡された女子生徒の長髪が風でなびく、

すると、前髪がどいて、女子生徒の表情が見えた。


そして、その顔には涙が流れていた。


藍同の表情が固まる、

≪な、なんだよ、泣くのかよ?・・・なに?俺の所為か?≫


「藍同、てめぇは一体何人の女を泣かせた?」


「・・・しらねぇよ、しらねぇよそんな事!!そっちが勝手に泣いてるだけだろ!俺の所為じゃねぇよ!!」


「・・・・俺の所為じゃねぇ?」


「そうだよ!オレは悪くねぇ!何で泣くんだよ?俺の前にいるときはいつも笑ってるだろ!」



「・・・んなこともわかんねのかてめぇは?」



歩き出す晶、

一歩ずつ近づく、

藍同はもちろん、女子達も動けなかった。

なぜなら、晶の顔が本当に怒っていたからだ。


「てめぇは友達の作り方も、恋人の作り方もわからないようだな?女と付き合うってのは軽々しいもんじゃねぇんだよ、世の中男女平等でけどなぁ、たった一つだけ変わらない約束事があるんだよ」


「・・・・・」


恐怖でおののく藍同に、晶は言った。




「いいか、男はどんな時も、女を守らなきゃなんねんだよ」




それだけを言うと、晶はそのまま去ろうとした。


「ま、待って!」


呼び止める声があった。

弁当を持っている、あの女子生徒だった。


「・・・ありがとう」


「どういたしまして」


「・・・今度、お弁当作っても良いかな?」


「・・・じゃ、楽しみにしてるよ」


晶はそう言って、歩いて行った。

女子生徒は、晶の名札を見ていた、だから名前はわかる。


「・・・三城、晶・・くん」


どうやら、晶はこの女子生徒を虜にしたようだ。


「み、三城あきらだと?」

藍同が足を震わせながら言う、

すると、他の周りにいた女子生徒が、立ち上がった。


「「「かっこいい!」」」


藍同が固まる、

どうやら、他の女子生徒も虜にしたようだ。



 翌日

「・・・みき、あきら、ファンクラブ?」

屋上で晶が怪訝な顔をして言う。

「すごい人気ですよ、すでに会員は200人突破です」

純がのんきに言う、晶はいまだにその事実を受け入れれず困り果てていた。


 

 生徒会室

「・・・やめたい?」

城東が言葉を繰り返す、


「はい、本日付で、書記を辞退させてもらいます」


そう言っているのは、藍同だった。


「・・・どういうことだ?」

「・・・・めんどくさいからやめるんです」

「・・・理由はそれだけか?」

「そうですよ、僕は面白い事のあるほうへ行くんです」

「・・・どこへ行くつもりなんだ?」


「三城連合軍・・・でも作ろうかなと」


城東が珍しく驚いている。


「・・・敵になるのか」


「そうなりますね」


「・・・宣戦布告か?」


「・・・多分その必要はないですよ」


藍同は生徒会室を出て行きながら言った。


「いずれ、この生徒会は、三城くんがぶっ潰しちゃいますよ」


軽く笑った藍同、それを城東は黙ってみていただけだった。




「・・・副会長の書記、藍同さんがやめた?」

名森が聞き返す。

「あぁ、生徒会もそろそろやばくなってきたな、言いなりだと思っていた殺忍三人衆も、そして藍同も三城側になった、しかも三城晶のファンクラブまでできた、さすが三城の血縁だぜ」

三学年監視長の男子生徒が溜め息をついて言う。

「・・・伝説の生徒といわれる平助、かつてこの学校の悪魔といわれていた男、だが、本当はこの学校の秩序を守るため、弱きものを助け生徒会に反逆を起こしていた、裏で勇者といわれる男・・・まぁ、もともと教師には反抗的でやりすぎな行動が仇となり正義になれなかった男ですけどね」


「だが、下手すれば、あの晶とか言う男は正義になるかもしれない」


二学年監視長の男子生徒が、静かにそう呟いた。


「今回の藍同書記辞退については、代わりに僕が書記につき、新しい人材を第二学年監視長に緊急任命する事で決まった、この事態についてそう大きな波紋はないと思う、だが、一応用心してくれ、何があるかわからないからな」

「はい」 「はいはい」

そこで会議は終わった。


今、この学校に、大きな闘いが訪れようとしていた、

だが、それに感づいているのは生徒会メンバーのみ、


最も重要な人物晶は、

いまだにそんな事を、考えてすらいなかった。



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