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黒い猫2

「身長プラス10かあ、いいなぁ〜」

「いやいや、バストプラス5のほうがすごいよ」

「む」

 涼子さんが掌底打ちの構えを取っている。正中線をまっすぐ揃え、半身の体制で片腕を後ろへ引き絞り、素手で熊でも倒そうかという面持ちに部屋の空気たちがピンと張り詰めた。


「わーわーわー、うそです。すいませんでした」

「もーこれ以上大きくなったら、着るもの無くなちゃうよ」

 なるほど、大きいなりにも苦労があるようだ。


「あ、でももしかしたらバストマイナスもあるかも」

「ダメダメダメ。それを捨てるなんてとんでもない」

「まあ…こうちゃんがいいならいいんだけど…」

 涼子さんが急にモジモジしだした。

(でも待てよ、仮にバストプラスを引き続けて、とんでもない爆乳に達すると…いかん、それはマズイ…。僕にその趣味はない)

 僕は今の涼子のバストの数値を維持しようと誓った。


「でもね、身体的なもの以外もあるみたい。クロちゃんが言ってたよ」

「え、あの猫クロって名前なの?」

「名前無いって言うから、付けてあげた」

(神に名前を付けるとか、すごいなこの子は…)


「で、他にはどんなスキルがあるって?」

「腕力、脚力、賢さ、器用、魅力とかって言ってたかな。それ以外もあるから見つけてみてだって」

(確かおすすめは、賢さって言ってたかな。何が変わるんだろうか?)

 黒い猫がおすすめのスキルについて話していた事を思い出していた。賢さがあがるとどうなるのだろうか?勉強をしなくてもテストで満点取れるなら、勉強しないでこのゲームをした方が良いかもしれない。


「って言うか、身長もどうやって伸びたんだ」

「んーとね〜難しすぎてわからなかったけど、未来を変えると過去へさかのぼって、過去から現在までカイヘン?されるって仕組みらしい」

「何だそれ?タイムスリップとか別世界線ってこと?」

「ええっと…良くわかんないよ、私だって…」


ーーーーー


 その後、涼子は僕の服を着たまま、自分の家に帰って行った。

 涼子が黒い猫から聞き出した話では、今回のステータスアップは初回ログインボーナスで、ランダムだったらしい。本来はゲーム内で何らかの方法で取得した物がステータスアップとして現実世界にフィードバックするという。

 モバイル端末でアップデートの終了時間を確認すると、明日の昼頃と表示されていた。


2017/2/2 誤字修正

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