はじまり
全体的にふざけ倒した小説を書いているので、ここでは少し落ち着いた小説を書いてみたいと思います。
といっても、手慰み程度のものなので、完結するかは分かりませんが・・・。
どうぞごゆっくり、お楽しみください。
私は思いつきで行動する人間だった。
思いつきで進学し。
思いつきで自己紹介をし。
思いつきで友人を作り。
思いつきで授業を受け。
思いつきで授業を休み。
思いつきで恋をして。
思いつきで行事に参加し。
思いつきで髪を切り。
思いつきで帰り道を変え。
思いつきで服を買い。
思いつきで彼氏と寝た。
この手記も思いつき。
書こうと思ったから、いや、それも違う。別に書こうとなんか思っていなかった。それこそ、ほんの10秒前まで。
けれども、事実私はこうして筆をとり、ノートの文字を埋めている。能動的にではなく受動的に。
自分の書きたいという衝動が膨らんで・・・・・・否。
誰かに取りつかれたように書きたくなって・・・・・・否。
やっぱり何かが違う。
何が違うかもわからないし、何故違うと思ったのかもわからない。
このページは全てが終わった今、総括・・・、まとめとして別の紙。そもそも日記として使っていたものとは全く関係ないチラシの裏に書いたものだ。
たかだか1人の女子高校生のうわ言・たわごと・戯言を書くのに、書くための紙を使うのは恐れ多い。
それでも、書かざるを得なかったのだろう。
どこから書くべきか、何を書かないべきか。
いや、悩む必要なんかなかった。
少なくともあの男、・・・世渡冥酊と私の話を語るには、何もかもを書くべきなのだろう。
この手記は、私のどうしようもない、グズグズな、――――まるで半端に溶けたところを土足で踏みにじられた、そんな雪のように汚れた青春の1ページの記録である。