再開、そしてケーキ入刀へ
第4話 再開、そしてケーキ入刀へ
混乱の中、中断した結婚式が再開された。
~2時間後~
王様「では、これより結婚式を再開する。改めて新郎新婦に入場してもらう。」
式場の人「新郎新婦のご入場です。皆様、温かい拍手でお迎えください!」
パチパチ……
先ほどよりまばらな拍手が広い式場に響く。
どこか気まずい空気の中、シルヴァとアリサが再び歩みを進めた。
式場の人「新郎新婦、改めましてご結婚おめでとうございます。それでは、神父様、誓いの言葉をお願いします。」
神父「では――。互いにこの先どんな困難にも手を取り合い、最後まで寄り添うことを誓いますか?」
新郎新婦「……誓います。」
神父「誓いのキスを。」
会場が一気に盛り上がり、歓声が上がる。
少し頬を赤らめるアリサと、どぎまぎするシルヴァ。
何とか無事に再開できたことに、参列者たちは胸をなでおろした。
式場の人「後ほどケーキ入刀もありますので、皆様ぜひお楽しみに! 続きましては、新郎新婦様のご友人からの祝福の言葉です。まずは同じ勇者パーティーの一員、リョウタロウ様からです。」
リョウタロウ「まずは、アリサとシルヴァ、結婚おめでとうございます。
シルヴァは最初会ったとき、上から目線で強気で、正直“なんか嫌な人だな”と思いました。
でも一緒に冒険をしていくうちに、頼もしさを感じるようになったんです。性格は……まぁ、あんまり変わらないけど。
アリサさんは静かで無口で、何を考えてるのか分からない人でした。けど、同じ勇者として召喚されて本当に大変だったと思う。
戦闘になると別人みたいに強くて、ちょっと怖いくらいで。怒るともっと怖い。
それでも、魔王を倒して世界を救えたのは誇らしいことです。
まさか二人が結婚するとは思わなかったし、シルヴァが王子だなんて想像もしなかった。
二人には幸せな結婚生活を送ってほしいと思います。」
式場の人「ありがとうございました。それでは続きまして、同じく勇者パーティーの一員、ターチャ様お願いします。」
ターチャ「えーっと! アリサ、シルヴァ、結婚おめでとー!
自分みたいなのが勇者パーティーの一員になるなんて思ってなかったし、魔王倒せたのも奇跡みたいなもんだよね。
最初はかしこまって話そうと思ったけど……やめた!
アリサ、シルヴァ、ほんとおめでとう! 一緒に冒険できて超楽しかった!
アリサとリョウタロウは同じ世界から来たって聞いたけど、リョウタロウよりアリサのほうが勇者っぽかったよ?
静かで無口で、何考えてるか分かんないし、怒ると超怖いし。
でも、私みたいな村出身の冒険者をちゃんと仲間として扱ってくれたの、すっごく嬉しかった!
シルヴァはね、最初マジでイヤな奴だった!
なんか上から目線で、いかにも王子様〜って感じ。
でも、冒険してくうちに“この人頼りになるかも”って思った……かも?
それで二人が結婚するって聞いてほんとびっくりした!
シルヴァが王子って分かった時も“え、嘘でしょ!?”ってなったし!
イメージ真逆なんだもん!
とにかく、二人には絶っっ対に幸せになってもらわないとね!
おめでとう!!」
式場の人「リョウタロウ様、ターチャ様、ありがとうございました。それでは続きまして――特別ゲストのお二人です。」
(ざわめき)
式場の人「まずは……魔王の娘、エリシアさんです。」
扉が開き、赤と黒の衣装を纏った女性が歩いてきた。
会場が一瞬で静まり返る。
エリシア「皆さん、私が勇者たちによって倒された魔王ガンダロイの一人娘――エリシアよ。」
ざわっ……!
誰も“魔王に娘がいた”など知らなかった。
エリシア「父によって私は封印されていました。勇者たちが父を討ったその時も……私は何もできなかった。
父の死を知った時、人間を滅ぼそうと思いました。でも、それが叶わぬことも理解しました。
だからこそ今日は――父を倒した勇者の結婚式に来ました。
祝福を。そして……宣戦布告を。」
会場の空気が凍りつく。
エリシア
「では、皆様失礼いたします。」
しかしエリシアは微笑みながら一礼し、静かに退場していった。
式場の人「え、えー……ありがとうございました。続きまして、“ミスターK” ミ、“ミスターK”?と名乗る方からのメッセージです。」
扉が開き、長身の男が歩いてくる。
場にそぐわない奇抜な服装――しかし、誰もツッコめない。
男「本日は、勇者一行のシルヴァ様、アリサ様のご結婚、誠におめでとうございます。」
思いのほか丁寧な口調に、会場はさらに困惑。
男「私は“ミスターK”……ではありません。ミスターK様の付き人です。」
(ざわっ!)
男「本日、本人は多忙のため代理で参列いたしました。ここで、ミスターK様からの映像メッセージをお送りします。」
モニターが点灯し、声だけが響く。
映像の声「結婚おめでとう! 新郎シルヴァ、新婦アリサ、そしてリョウタロウ、ターチャ!
私がミスターKだ! 驚いたか!? 驚いただろう!?
……まぁ正体は内緒だ。ミスターKというのは偽名だし、冒険者でもない。君たちのことをほとんど一方的に知っているだけだ!
ただの“すごーい人”だと思ってくれればいい!
本当はすごーく行きたかったんだが、仕事で忙しくてな!
とにかく結婚おめでとう! 末永く幸せに!」
映像が切れ、付き人が深く一礼した。
男「以上、ミスターK様からのメッセージでした。改めておめでとうございます。」
式場の人「……えー、ありがとうございました。では、続きましてケーキ入刀です! 準備が整うまで少々お待ちください!」
~10分後~
音楽が流れ、巨大なケーキが登場する。
拍手と歓声が巻き起こる。
式場の人「それではケーキ入刀です! 新郎新婦、こちらへどうぞ!」
シルヴァ「よ、よし……アリサ、け、ケーキ切るぞ!」
アリサ「……ケーキ大きいから気をつけてよね」
ぐらっ
アリサ「……ちょっと、揺れてる。」
シルヴァ「ご、ごめん! じゃあ、いくよ!」
二人「せーのっ……えいっ!」
ぱかっ――
ケーキは綺麗に真っ二つに割れ、会場中が拍手に包まれた。
式場の人「新郎新婦様、ありがとうございました! これにて、式は無事終了です!」
こうして波乱に満ちた結婚式は、ようやく幕を下ろした。
お久しぶりです!作者です。今日も登場人物について紹介したいと思います!
今日紹介するのはターチャ・テブルス。
魔王に滅ぼされた村の出身で、ギャル口調の超明るい冒険者。
思ったことはすぐ口に出すタイプで、場の空気をかき乱す。
パーティーでは弓使い。戦闘では頼りになるけど、普段は誰にも止められない。
でもその明るさの裏には、ほんの少しの不安がある。
それを隠すために笑ってる……? いいや、きっと素で明るいだけ。
今日も仲間とはっちゃけます!




