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第四十六話 影の形は障子に浮かぶ

前回までの、七兜山無免ローヤー!

 振り返りを終えて湯を出た無免ローヤー。両手に花で二人のレディーと飯食い茶飲みのお楽しみ! さらには対価を支払うと女生徒たちを外へ出し、和室に入って旅館の女将と甘く妖しい息遣い? 無免ローヤーは今日も戦う! 変身! 法に代わって、救済する!

 シュッ、ズバババッ、シャキーン! カラララーン……


 およそ人間とは思えない音を発しながら、前原女生徒の手刀が薪を切断していく。そのやり方は、十数個の薪を宙に投げ、落ちてくるものを片端から切り刻むという、大変バイオレンスなものであった。「まだ増やせる……」とか呟きながら、斬撃は加速し、転がる薪の量も増加する。浮気者の首など一発で切断できそうな、恐ろしい手際だった。薪割りの行程より、割った薪を拾い集めて積み上げてる時間の方が長い。ぶっちゃけイカれてるよ……


 とりゃーっ、うりゃーっ、どっせーいですわーっ!


 無免ローヤーと怪人が戦った例の川では、守亜女生徒が奇声を発して暴れている。ワンピースの裾をまくって縛り、生足で水の中に飛び込んでは、次々と魚を掴み取り、川端に置いたバケツに投げ入れる。不意に彼女の動きが止まった。腰を屈め、静かに時機を待つ。瞬間、ハンターの両手が動いた! 格闘! 水飛沫! 「や、やりましたわーっ!」彼女が天に向かって掲げたのは、全長一メートルを超える謎の巨大魚だった。ワイルドすぎる……


 水去と星北が室内にて、ぎしぎしギュッギュッ、している間、女生徒たちは各々の特殊技能を用いて仕事に励んでいた。仮に水去が18禁行為にふけっているとして、同級生を炎天下で働かせているとしたら、トンデモナイことである。そして彼女たちは無力な労働者ではない。前原女生徒の手は物質を切り裂き、守亜女生徒の手は野生を掴む。クソ男への制裁は、確かな力をもって行われるであろう。


 しばらく経った後。


 労働を終えた二人の女生徒は、汗を拭った。旅館に戻る道すがら顔を合わせる。互いが適正な成果を上げたことを確認し合い、ほんのりと連帯感を抱きながら、裏口を通りバックヤードに戻ってきた。


 水去の連れてきた客として、ケチな振舞をするわけにはいかない中で、きちんと自身の手で対価を提供できたこと、二人とも実に誇らしげである。自慢したい、認めてもらいたい、自然な感情であろう。


 が、


 そんな彼女らを迎えたのは、障子に浮かぶ影の形だった。守亜女生徒の持っていた魚バケツが、ドスッと床に落ちる。


 白い障子に映るのは、寝ころんだ影に、跨る影。肯綮(こうけい)の触れ合うシルエット。


 両女生徒の表情が恐怖と驚愕の色で染まった。


「うそ、ですわよね……」


「まさか、これって……」



キ・ジョーイ(1464~1516)

 ブルゴーニュの聖職者。夫婦間における男女の関係性について革新的な主張を展開し、当時のカトリック教会における父権的な体制を厳しく糾弾した。民衆を集めて蜂起を促した「ワイン農場の説教」は、後の自由主義・男女平等思想の萌芽とも評価される。異端審問にかけられ火刑に処されるが、死の直前に放った「どっちが上になってもいい!(Quod est finis!)」の発言はあまりにも有名。近年、その実在が疑われている。



 まさかまさかそんなはずは、友人を連れて訪れた旅館の女将と、人目を盗んでキ・ジョーイだなんて、ねえ……


「う、嘘ですわよ、あり得ませんわ、そんなっ!」


「しっ! た、確かめなきゃ、どっちが上かも分かんないし……」


「どっちが上でもダメですわ!」


「そう、どっちが上でもいいの……! 同じだから……!」


 前原女生徒が右手で手刀を形作った。ハッとした守亜女生徒は、バケツから巨大魚を取り出す。この魚はまだ生きていて、ギザギザ歯の並ぶ口を乱暴に開け閉めしていた。危なっかしい。


 話が噛み合っているのかいないのか、二人は一切の物音を立てず素早く移動し、スパイのごとく障子の傍に取りついた。一瞬だけ見つめ合い、頷きを交わす。


 そして動いた!


「「現行犯っっっ(ですわっっっ)!」」


 勢いをつけて障子が開く!


 和室に飛び込んだ彼女らを迎えたのは、布団に寝そべる星北と、その背中のツボを押す姿勢のまま硬直して目を丸くしている、マッサージ師の水去であった……


 〇


 紛らわしいが、水去は温泉利用の対価として、指圧施術をしていた。彼もまた、ちゃんと働いていたのである。


 エロいことしていたわけではない。


 マッサージはエロいことではない。


 実際のところ、水去は怪人業務妨害男との戦い(※第十八話参照)の中、一瞬の交錯のうちに身体をリラックスさせるツボを的確に指圧できる程度には、マッサージの心得があった。こんな技術、果たしてどこで学んだのだろう、身近な人にでも指圧を強いられていたのだろうか……?


「水去さまがマッサージ得意だなんて、知りませんでしたわーっ! もおーっ!」


「そうそう! びっくりしちゃった。もっと早く言ってくれればよかったのに!」


「まったく勘違いも甚だしいね。馨を浮気相手みたいに言って。こんな侮辱は初めてだよ、一言ビシッと言ってあげたらどうなんだい、水去?」


「俺は潔白だっ! そ、それより俺は、お二人が手刀と魚で何をしようとしてたかを知りたいような、知りたくないような……うん……やっぱいいや……」


 部屋中を、わっ、と会話が満たしていた。


 笑って何かを誤魔化す女生徒たち、怒って何故か水去に詰め寄る星北、ごにょごにょと言葉を濁す水去、一対一なら簡単なことも、四人ともなれば、それぞれがそれぞれの思惑を表情の裏に秘め、コミュニケーションは捻じれてゆくものだ。


 畳に座り込み、膝を突き合わせて話す水去たち。その場を、歪んで不穏な空気が支配する――


前原「だ、だけど、その……星北、さん、は、律くんにちょっと、馴れ馴れしすぎる気が、しますけど」


星北「馴れ馴れしすぎる? 馨が? 水去に? そうかな、馨は水去をもてなしているだけだけどね」


前原「お風呂で話は聞いてたけど、律くんに助けられただけなのに、マッサージまでさせるとか……」


水去「……(えっ、あの話、聞こえてたのか⁉)」


守亜「まー女将と客の関係としては、ちょっと接触多すぎな気はしますわねー。マッサージとか、普通させませんわよ。それほどに気を許せるわけは、どこにあるのでしょう?」


星北「わけ? だって、馨と水去だからね」


前原「それ! はっきり言って律くんに一方的に甘え過ぎじゃない? 怪人としてたくさん迷惑かけたんだから、お返しするのが当然で、そこにマッサージなんて」


水去「い、いや、『見返りを期待したら、それは正義とは言わない』という言葉もあるからさ、迷惑とかお返しとかは、俺は別に……」


前原「でも律くんは大怪我した。傷ついた、事実なんでしょ」


星北「ふーん、じゃあ君は、水去に何をお返ししているのかな? 怪人だったそうだけど、水去との様子を見る限り、そこまで深い関係もなさそうだけどね。体を差し出すくらいしたのかな?」


水去「いいっ⁉」


前原「えっ……はっ、はあっ⁉ な、なにっ、か、からだって……っ」


星北「それもできないのに、馨と水去の関係に口を挟もうなんて、片腹痛い」


水去「待て待て待って! やめなさい! そ、そんなのは公序良俗違反だぞ星北! 民法九十条! 無効だ無効! ダメ!」


星北「公序も良俗もここでは問題にならない。大事なのは水去の心がどう感じるかだよ」


守亜「あら、いいことおっしゃいますわね。水去さまも、しっかりと欲望を感じ取ることですわ。その上で、どうなさるのか、わたくしは知りたい」


水去「心っ! 欲望っ? いや、そんなの言われてもなあ、困るというか、どうしようもないというか、俺のことは特に……」


星北「嘘つき」


守亜「いくじなしですわ!」


水去「ええっ⁉」


前原「あの! 律くん! わ、私は、そんなのには流されないから……! そういうのはちゃんと、段階を踏んでから、お互いをよく理解したうえでするべきだと思うの……!」


水去「お、おっしゃるとおりで……っ」


星北「……だけど水去のマッサージは、かなりいいよ。店で出せるくらい、クセになる。ねえ、卒業したら、ここで働かないか? 馨のために、雇いたいな……」


水去「悪くはない誘いだが、体系的に学んでる訳じゃないからなあ、お金が取れるほどでは……あくまで家庭の特技レベルだと思うぞ」


守亜「じゃあ、わたくしにもやってくださいましよ! 重くって、肩凝るんですの! 家庭のマッサージをお願いしますわ!」


水去「ええっ⁉ いやそんな風に言われると、なんか恥ずかしいし」


前原「そ、そうだよねっ、律くん困ってるし、無理言っちゃ――」


守亜「気にするこたぁございませんわ! さ、どーんとお揉みくださいまし! 肩から腰からこの足先まで、すべて水去さまに委ねますわーっ! これがわたくしの……こころとからだ、ですわよ!」


星北「ああ確かに、水去のマッサージ、横から見たことはないな……後学のために、馨も立ち会わせてもらおうか?」


水去「ま、マジでやんの……? まあ、俺は、いいんだけど」


守亜「ですわよね! さ、水去さま、こちらへ――」


前原「あっ! あのっっ! 律くんっっっ! わ、私だって、いろんなバイトして疲れてるかなーって? か、肩も凝るし! だっ、だからっ、り、律くんさえよければ私はっ……私は……っ! ねっっっっっ⁉」


 錯乱した前原女生徒が、左腕で守亜女生徒を遮り、右腕は畳に手をついて水去に詰め寄った。「あ、ずるいですわ!」と非難の声が上がる。しかしなおも前原は彼に寄る。のけぞる水去。部屋が狭いから、背はすぐ壁に当たってしまった。「えっ……えぇっ⁉」「水去さまー! 遠いですわー!」「……っ!」三者は各々のリアクションをとっている。


 そこに星北の大笑いが響いた。


「あっはっはっはっは! ま、その前にお二人さんは、もっかいお風呂入ってきた方がいいよ! 外で働いて、そんなに汗くさいんじゃ、水去も困っちゃうだろうから! いわんやマッサージなんて、ねえ! あっはっはっはっはっはっは!」


 助け舟。


 前原の顔は辱めにより真っ赤になったが、水去の方は心底ほっとしたのであった。

 

 〇


 時間も経った。


 疲れた……


 旅館の玄関を抜けて外に出てみれば、いつの間にか日が傾き始めている。山を歩いた肉体の疲労はともかく、妙な気疲れが溜まっているのはどういうわけだ。水去は天を仰いだ。空には、薄くぼやけた葵と茜が混じり合っている。複雑だ。人間関係は大変である。


 しかしまあ、これでピクニックもほとんどの行程が終了。山歩き、エスコート、温泉、マッサージ労働(結局、前原・守亜の両女生徒への指圧施術はやらなかった。星北のみである)……盛沢山だったが、後は電車で帰るだけだ。


「水去さまー」


 振り返れば、靴の踵に指を突っ込んでいた守亜女生徒が、妙なステップを踏みつつ、とと、と小走りでやって来る。すぐ目の前で立ち留まった彼女は、「どうしたんですの?」と、大きな丸い目で尋ねる。


 小首をかしげる守亜の向こうには、巻き上げた暖簾の先、旅館の玄関に立つ前原と星北がいた。水去の視線がふと捉われる。おや二人、近くに寄って、真剣な表情だ。何の話をしているのだろう? 喧嘩ってわけじゃ、ないだろうけど。ちょっと場違いで気になった。水去は意識を集中して耳を傾ける。二人の声のトーンは、隠し事のように低い。


「そんなことが……分かった、馨も気を付けよう」「さすがにここなら大丈夫な気はするけど、一応」「しかし君は、受け入れるつもり、なのか」「いいの。皆、覚悟はしてるから。問題ない」「覚悟、ね……随分乱暴な意識だな……」「どういうこと?」「覚悟のできない人間を、君は見逃している。……その人がどれだけ傷つくか、分かっていないようだ」「あの、何が言いたいのか、分からないんだけど」「そう、君は、分かってない。まあ所詮はその程度ってことなのかもしれないな……」


 はっきりとは聞こえないが、卵焼きの隠し味を尋ねているわけでもないだろう。様子がおかしい。どうする? 何もかも自分が介入するのも変だが、しかし、どうしてこれほど不穏な空気が漂う? また妙なことになってても困るし……嫌な予感がした水去は、彼女らへ近づこうとする。


 そんな彼の腕を、守亜が掴んだ。


 驚いた水去が、足を止める。


「も、守亜さん?」


「だめですわよ、内緒話の邪魔をしては」


 そう言って、彼女は水去を引き寄せると、相手の腕に鎖を巻きつけるように、滑らかな腕を絡める。水去は守亜の傍に固定されてしまった。


「いや、俺は……」


「わたくしたちには関係のないことですわ」


 困ったように彷徨う水去の視線は、守亜帝子の深く黒い眸に吸い込まれた。逆に、水去の真っ黒な眸もまた、彼女を映している。動けない。蛇のような……じっと見つめ合っていれば、いつの間にか、前原と星北の話も終わってしまっていたのか、「どうかしたの」という前原の声が、二人の間に割り込んだ。西日を受けて輝く前原の眼が、暗い没我を咎めていた。


「ああっ、いや、なんかぼーっとしてて、はははっ」


 彼は慌てて弁明する。


「感心しないな。ぼーっとしてる場合じゃないはずだよ、水去」


 旅館を出てきた星北が、あからさま批難するように、二人の絡んだ腕を睨んだ。びびった水去が、のけぞって距離を取る。守亜女生徒も、水去が離れるのを別に拒みはしなかった。前原は黙ったまま、その様子を見ている。旅館の前で、四者は四者なりの行動をとっていた。


 遠くで山鳥が盛んに鳴き声を上げた。


「じゃ、じゃあ、星北、そろそろ帰らしてもらうわ。迷惑だったかもしんないけど、いろいろありがとな、助かったよ」


 場の空気をリセットするように、水去が大きな声で言う。星北は目を細めて、安心させるように、静かに微笑んだ。目の前の彼の肩に、さりげなく手を置いて……


「つらいことがあったら、またいつでもくればいい。馨は水去を、ずっと待っているんだ。いいかい、馨は水去を、ずっと待っている。覚えておいて」


 その言葉は、七兜山の空に、溶け込むように響いたのだった。


 じゃあなー、と手を振って、在熊温泉駅へと向かう水去たち。三人の姿が見えなくなるまで、旅館の支配人となった元法科大学院生は、静かにたたずんで、じっと、見送っていたのだった。


 〇


 賑やかな在熊町の温泉街を歩いていく水去たち。


「ど、どうでしたか、楽しかった?」


 水去がふと振り返って、不安そうに尋ねた。


「律くんは、あの星北って人を、必死で救ったんだね。それは分かった」


 前原女生徒は真っ直ぐ歩きながら、静かに答える。


「いやっ、俺、あの戦いでちょっと反省したんだよ、怪人と無免ローヤーって、立場が非対称だなーと! 倒される側と倒す側だし。だからいろいろと、どう戦って、その後はどう付き合ってけばいいのか、考えたりもしてるわけでして……」


「怪人と無免ローヤーは、倒される側と倒す側なんですの?」


 横から守亜女生徒が言葉を挟んだ。


 水去は少し自信なさげに頷く。


「基本的にはそうだろう、救済にせよ、それか……断罪、するにせよ、怪人を倒すのは、悪い事ではない。法律戦士というのは、概ね正義ではあると、思う。だからこそ、責任があるし、できれば俺は戦った相手に救われてほしい。心が楽になったり、希望が持てたり、嬉しさや幸せを感じられるようになるとかさ、つまり、元気になってほしいなと」


「律くんの気持ち、知ってるよ。私は知ってるから」


 前原女生徒の力強い言葉に、水去はちょっと怯んで、歩みを止めかけた。


「だけど、相手の心に踏み込み過ぎたら、いけないんじゃないかって。俺と戦った星北が、ああやって感謝してくれたり、いろいろとよくしてくれるのは、俺も嬉しい。でも本当は、俺自身に価値があるわけじゃない。ただ偶然立場が違っただけだ。なのに、ヒーローの立場に乗じて親しくなりすぎるのも、申し訳ないというか、変だからなー」


「くだらねーことを考えるんですのね。まるで、自分は人の間にいないような言いぐさですわ。水去さまだって、一人の人間ですのに、どこにもいらっしゃらないつもりですの?」


 守亜女生徒が怒ったように睨む。けれど水去は、曖昧な微笑みを浮かべた。そうして、微妙に文脈に接続しないことを言う。


「もし仮に、俺が、ヒーローじゃなかったとしたら、その時は、俺に倒された人たちは、どう思うんだろう? 俺のやってきたことは、救済でもなんでもなくて、嘘と暴力だったってことになる。裏切ったなこのクズ野郎! って軽蔑されるのは構わない。けど、無免ローヤーによって、本当に救済された人がいたとしたら、その人の心は、俺のせいで壊れてしまうんじゃないかって――」


「大丈夫っ!」前原女生徒が強くて明るく、はっきりとした声で、水去の言葉を遮った。「だって、律くんはヒーローだもん! ヒーローじゃないなんて仮定はそもそも成り立たないし、律くんは誰も裏切ったりしない。救済っ、みんな律くんに救われてるの! それが私には、分かる。私も……今日会った星北さんだって、律くんが救済したって、分かった。だから大丈夫! 私が律くんのこと、分かってるから!」


 前原女生徒の励ましは、本当に心の底から溢れ出たもののようで、どこにも嘘を見ることはできなかった。純粋で、純美で、純然としたその笑顔に、水去は暗い視線を伏せ、小さく「そう、かあ……うん、ありがとう」と答えるだけなのであった。


 いつの間にか、三人は在熊温泉駅に辿り着いていて、帰りの電車が顔を見せていた。そこで話は途切れたまま、夕陽の差し込むホームに向かって、水去たちは静かに改札を通り抜けた。

次回、番外編「巻き込まれて異世界召喚されたけど無法な場所だったので勝手に戦います~法科大学院生の俺が法律知識で活躍して超絶優良最強勇者をリードしちゃった件~(おいおい)」お楽しみに!

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