第十九話 無権代理で追っかけて
前回までの、七兜山無免ローヤー!
予備試験にて風にも負けず塗り絵をした無免ローヤー。とはいえ、彼には不合格の未来が待ち受けている。こんなんで将来は大丈夫なのか? 一体何を考えているんだ? 無免ローヤーは今日も戦う! 変身! 法に代わって、救済する!
「おっ、怪人情報」
「えっ、怪人情報?」
大学の昼休み、木陰のベンチで弁当食ってた水去が、テーブルに置いたスマホを見て呟く。正面に座る神崎も画面を覗き込むと、何らかのアプリが開かれていて、地図にアイコンが表示されていた。「何だいこれ?」「不信者情報とか載せてる防犯アプリってあるだろ? あれの改造版だ。怪人の出現情報を教えてくれる。無免ローヤーになった時、赤原にインストールさせられたんだよ」海苔ご飯を食べながら水去が説明した。
便利で都合のいいものがサラッと提示されたことに、神崎は困惑した。
「でも、その情報、誰が登録するの? ていうか、キミがそんなアプリ使ってるの見たことないんだけど! 今まで人から情報集めたり、地道に捜索したりとかしてたじゃん!」
神崎の質問は、まことにもっともである。水去は困ったように唸った。
「あー、あー、うん、えーとな、一つ一つ説明するぞ……まず、七兜山周辺ってのは、怪人多発地帯なわけだろ? 歴史的に何度も怪人の犯罪被害にあってきたわけだ」
「確かに、そうかもね。毎年、無免ローヤーが怪人と戦ってるってことは、被害者もそれだけいるってことだし」
「もちろん無免ローヤーが怪人を倒すと犯罪は遡及的無効になって、被害は消えるんだけど、記憶は残るんだよ。ああ、いや、心の傷とかトラウマとか被害感情は消えるんだぞ? だけど、何というか、被害者にとっては夢の中の他人事みたいな感じで、情報として残るんだよな」
「うーん。改めて考えてみると、無免ローヤーの力って随分都合がいいんだね」
神崎の鋭い指摘を受けて、水去は苦笑した。
「そもそも法律上の、遡及的に無効、って概念が都合のいいモンだからな。有ったことを最初から無かったと扱う、それでいて原状回復は現存利益だけでいいとか、そういのが平気であるから……で、これまで何度も被害に遭ったり、見たり、聞いたりして、事情を知ってる地元の方々が情報提供してくれることもあって。それがこのアプリなわけだ」
「でもそれは、キミが今までアプリを使ってなかったことの説明にはならない」
「いや、使ってたんだよ! でもまあ、怪人情報なんて滅多に出てこないからな。俺もまだ二回しか見たことなくて、今回が三回目だ。でも、かなり有難いぞ。誰が怪人かとか、犯罪の内容とかを事前に知れるからな。対策ができる」
「ふーん……なるほど、筋は通ってるね」
厳しい追及を切り抜けて、水去は安堵と共に、ふうー、と額の汗を手で拭う。そんな彼の顔を神崎が覗き込んだ。
「わっ、な、なんだ」
「キミは隠し事が多いんだね。ボクが七兜山の伝承を研究してるって知ってんだから、もっと早く教えてくれたらいいのに」
「いやー、隠してる訳じゃないんだが。まあ、説明するのが億劫でな、ホント、いろいろあるから……」
神崎の眼前で、水去がへらっと笑う。不誠実な態度を受けた神崎は、水去のTシャツの襟を両手で掴んだ。「こらー! まだ何か面白い情報があるのかー! 吐け―! 全部白状しろー!」「あばばばばばば」神崎が水去を揺さぶった。
そんないつも通りの昼休みを過ごしていた二人に、突然、
「「「八太郎さま!」」」
という声が降り注いだ。女性の声だった。
○
「八太郎さま! 詩織は悲しゅうございました、ずっと会っていただけなくて、毎日胸が痛くて、切なくて、八太郎さまのことばかり考えてましたの!」
「あら、抜け駆けはずるいですわ。麗子だって、八太郎さまをお慕い申しております!」
「ねえ、八太郎さま。姫華、八太郎さまと海に行きたい……」
ベンチで弁当食ってた水去と神崎の前に現れたのは、とても美しい、いわゆるお綺麗な手をしている方々であった。彼女たちは「八太郎さま」「八太郎さま」「八太郎さま」と、やたらに神崎の名前を呼びながら、彼を取り囲んで擦り寄る。
突然のハーレム展開に驚きあきれた水去は、口に運びかけた冷凍食品のミニハンバーグをぽろりと落としたのにも気づかず、呆然とそれを見ている。足元には食い物につられた蟻どもがたくさん集まって、この貧乏人に擦り寄っていた。
「八太郎さま、どうしてお会いしてくれないのですか! 詩織はずっと八太郎さまをお待ちしておりましたのに!」
詩織嬢が詰問調になる。大きな目には涙が浮かぶ。麗子嬢と姫華嬢も八太郎さまに綺麗なお顔を向けて、その眼差しを注ぐ。しかし、神崎は困ったような顔して、曖昧に笑った。
「あのー、ボク、その、忙しかったんだよ。ほら、この人、ボクの友達なんだけど、行方不明になったから捜したりしてて」
神崎が水去を指差すと、お嬢様方も水去の方を見る。水去が微笑んで紳士的に会釈すると、彼女らは、きっ、と彼を睨み、それからまた八太郎さまを見つめるのだった。水去は箸まで取り落してしまった。
「もう逃がしませんわ! 八太郎さま! さあっ、今日という今日は、麗子のもとに来てくださいますわよね?」
「八太郎さま……姫華はずっと、八太郎さまの隣におります……ずっと、ずっと……!」
三人のお嬢様が神崎の手をしかと握り、彼を立ち上がらせる。そうして、にっこりと高貴で清楚に微笑むと、その細い腕のどこにそんな力があるのか、神崎を引きずっていく。
「うわっ、ちょっと、ボクこの後も講義があるんだけど! えっ、どこ行くのっ? わ、うわー! ちょっ、水去君、見てないで助けてくれよ!」
テーブルの向こうで発生した怪しからん状況を、水去は立ち上がって見ていた。冷たい視線が神崎に向かう。
「ああ神崎君……君は以前、『ボクはね! 女の子を悲しませたりはしない主義なんだ!』なんて言ってたね……全然できてねえじゃねえかっ!」
「誰のせいだと思ってんの⁉ 交際プランが乱れたのは、キミを捜索してたからなんだけど⁉」
「ええい! 言い訳するな! そもそも愛というものは、偏ったものなんだ! どこまでも一途でなきゃいけないんだ! 己の全てをかけて、生活を捨て未来を捨て命を捨ててでも貫くもの、それが愛なんだ神崎君!」
「急に何言ってんのさ⁉」
引きずられていく神崎に対し、水去は親指を尖らせ、ゆっくりと、己が頸を掻き切るジェスチャーをした。それからサムズダウン、親指は地の底を示す。
「複数人と交際するなど言語道断! だが、この際それは目を瞑ってやる、愛は時に、正しさを超越するからな……」
「はい⁉」
神崎の悲鳴はもう遠ざかり始めている。そんな彼を、水去はびしりと指差した。
「だがな、神崎! 覚えておけ、人の愛を嘗めるな! 見縊るな! 人は愛に救われ、愛に狂う! 何が起きるか分からんぞ!」
そんな水去の忠告も、遠く離れて小さくなっていく八太郎さまには届かなかったのか、ただ「ああああああ!」という悲鳴が返ってきただけだった。神崎の行方は、誰も知らない。
○
はあ……神崎がいなくなったベンチで、水去はため息を吐いた。それから自分の弁当と、残されていた神崎の弁当も片付けて、スマホの怪人情報を確認する。
〈事案の概要〉
七兜大学法科大学院に所属し、A社(株式会社hemisaso)にて社長秘書のアルバイトをしていたB(村加幸子)は、C社(旅行代理店ななかぶトラベル)との間で国内航空会社の航空回数券取の取引をしており、C社の従業員は回数券をBに引き渡してきた。回数券の代金支払いは、B名義の口座からC社に振り込まれることもあれば、A社名義の口座から振り込まれることもあり、ばらばらであった。このように不自然な面はあったものの、支払いが滞ることはなかったため、C社はBの権限などについてA社に問い合わせることはなかった。しかしながらある時、BがA社のアルバイトを既にやめていたにもかかわらず、職務として回数券の購入をしていたことが発覚し、C社がBに問いただしたところ、Bは何らかの力によりA社およびC社内の取引記録を消去・改竄した上で支払いを拒絶した。この結果、C社への未払い代金総額は九十一万三千円に及んでいる。
「なるほど、怪人無権代理女ってところか」
歩きスマホで大学内を移動しつつ、水去は一人呟いた。代理とは、他人のために法律行為をすることを意味する。そして、無権代理とは、人を代理する法律上の地位や資格がないにも関わらず、代理人と称して法律行為をすることである。例えば、親が自己の所有する土地を、不動産に詳しい息子に頼んで売り払ってもらうのが代理である。逆に、子がお金欲しさに親の土地を勝手に売り払えば、それは無権代理である。
ちなみにBすなわち村加幸子は、水去と同じクラスであり、ほとんど話したことはないが顔くらいは知っている。静かな雰囲気の人だったと記憶している。そんな人が、無権代理をするとは……
それにしても、被害額九十一万三千円か……九十一万あれば、何が買えるだろう。法科大学院の一年分の学費を払っておつりがくる。それから、俺の食費が一食三百円として一日二食六百円とすれば、千五百日つまり四年ちょっと生き延びられる。文庫本を一冊千円とすれば九百十冊か。ふーむ、大金だなぁ……彼女は九十一万円分もの航空券を、いったいどうしたのだろう? いや、事案を見るに、バイトをやめる前から怪しいことをしていたのかもしれぬ。法人価格や大量購入すれば安くなるとかで、会社の名前を使いつつ、自費で私用の航空券を買っていたとも考えられる。
でもまあ、ふざけた事案だよなあ、と水去は思った。普通、アルバイトに他者との取引の代理をさせるものだろうか? というか、社長秘書がバイトってどーゆーことなんだ。ちゃんと働いたことがないから分からないが、社会はそんなに雑なのだろうか? 相手の会社もおかしいとは思わないのだろうか?
うーむ、世の中というものは、けっこういい加減なものなのかもしれない……
懲罰房の近くにさしかかったところで、スマホを見ながら歩いていた水去は、向こうから歩いてきた人とぶつかった。「わっ、すみません!」と謝りつつ、彼は携帯電話を取り落としてしまう。しかしお相手の方は、前方不注意のアホにぶつかられたにも関わらず、しゃがみ込んで水去のスマホを拾い上げようとしてくれている。親切な女性だった。そして……
あっ
目の前にいたのは、まさに村加幸子その人だったのである!
スマホには、さっきまで見ていた怪人情報が表示されたままである。村加女生徒の視線が、画面にくぎ付けになる。しまった、と思ってももう遅い。村加女生徒が彼の方を向いた。画面は無情にもぴかぴか光り続ける。そこには当然、B=村加幸子の名前が表紙されている。
「な、なんですか、これ……」
丸眼鏡の奥から、丸い瞳が怯えたように彼を覗いていた。
「あ、えと、その、あの」水去はおたおたと足踏みする。
「あなた、水去さんですよね……? なんで私の名前があなたのスマホにあるんですか、なんで私のバイト先を知ってるんですかっ?」村加女生徒が震えている。
「あ、いや、違うんです、その、えと、あの」水去も震えている。
幸いにして今は周囲に誰もいないが、明らかに水去がギルティに見られる構図である。どうしよう、どうしよう、どうしよう! 水去の思考はぐるぐる空転するばかりで、具体的な答えは出てこない。何か言おうとしても、無意味なつなぎ言葉が出てくるばかりである。
「何なんですかあなた!」村加女生徒が大声を上げる!
「と、通りすがりの無免ローヤーだ!」水去も大声で答えた。
同級生の意味不明な返答に、村加女生徒はますます怯えるかに思われた。しかし無免ローヤーという単語を聞いた瞬間、彼女の震えは止まったのである。眼つきは鋭くなり、涙は消えた。
「無免ローヤー、あなたが、そうなんですか……」
「あっ、はい、えっ、えっ?」
「なら殺します! ここで!」
明確な殺害予告と共に、村加女生徒の身体から闇が噴き出し、彼女は醜悪な怪人に変貌した! それを見て、水去も表情を引き締め、変身六法を取り出し、「変身!」バックルにセットする。六法から光が溢れ、流動経路が身体全体に伸びる。ストリームは輝きを増し、法の鎧となって、水去の全身を包んだ。
「法に代わって、救済する!」
彼の信念を示す言葉と共に、七兜山の山頂で火薬が爆発する!
怪人無権代理女は闇を凝集させ、その中から代理剣を引き抜いた! 敵を攻撃するため、剣を向ける。「私のォ、愛を邪魔をする人はァ、許しませんからァ……無免ローヤー!」。怪人無権代理女が切っ先を向けて突進する。
「あっ、愛⁉」無免ローヤーはなんとか攻撃を躱した。
「そうですゥ、私とォ、健斗さまの愛をォ、守り抜くんですッ!」
怪人無権代理女が絶叫した。「け、けんとさま?」と、無免ローヤーは困惑する。
「世界一のキラメキアイドル、ルーフェノークのリーダー、健斗さまですッ!」
「ぎゃんっ!」
異常な勢いで振るわれた代理剣に無免ローヤーは斬られ、愛の力に圧されて、無様に石階段を転がり落ちた。転落し終えて「う……」と痛みにくぐもった声を漏らし、倒れたまま動かない。そんな彼を踏みつぶさんと、怪人無権代理女が階段から跳躍する。降り落ちて来る代理剣の刃先が、無免ローヤーの複眼に映った。
「させねえええ!」
無免ローヤーが仰向けのまま腰の六法をめくり、条文に触れる。
【民法一一三条 無権代理!
一項 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなければ本人に対してその効力を生じない!】
変身六法から溢れた光が法の剣へと変わる。無免ローヤーは素早く剣を掴んで、代理剣の切っ先を刀身で受け止めた! しかしなんとか刺突を防いだだけで、怪人無権代理女の足が、無免ローヤーの喉を踏みつぶす。「がはっ……!」息の出来ない身体に鞭打ち、法の剣を振るって怪人の身を引かせ、その隙に起き上がろうとするが、動けない。
闇を纏った剣が再び振り下ろされる。無免ローヤーが身体を捻って、刀身を横から蹴る。その勢いのまま回転し、ブレイクダンスのような動きで姿勢を戻して地に足を付ける。瞬間、喉の奥での出血が、重力で肺に流れ込んで、大いにむせた。酸素が足りず身体が痺れる。無免ローヤーは怪人の動きを止めるため、彼女に言葉を向けた。
「げほっ……はぁ、はぁ、アイドル……そうか、航空券は、ツアーやイベントの、追っかけに使ったってところだな……」
「私のォ、私の愛なんですッ、愛を育むためには、お金はいくらあっても足りないッ!」
「そうか……だが、お前のやったことは、無権代理……違法行為だ。はぁ、はぁ……許されるものじゃない! ぐっ、……金は自分で払わなきゃいけないし……その責任は、自分で追わなければならない!」
無免ローヤーが条文に触れる。
【民法一一七条 無権代理人の責任!
一項 他人の代理人として契約した者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う!】
六法から溢れた光が、無免ローヤーの身体を伝って、法の剣に流れ込む。剣は光を帯びて、輝きを纏う。無免ローヤーは、剣を下段に構えた。
「ここで俺が、お前を止める!」
無免ローヤーが怪人に向かって駆け出した。振るう剣は、斜め下から切り上がる。怪人の代理剣がそれを防ごうとするが、光の剣閃は大きく波打って躱し、怪人の胴を切り裂く。確かな手ごたえがあった。刹那の攻防を切り抜け、すれ違った二人が向き直り、残身のまま流れるように剣先を向け合う。
その瞬間、無免ローヤーの法の剣が砕け散った。形を失い、光の粒となって消える。
「ああっ、あっ……! 馬鹿な、俺は、切ったはず……打ち負けたわけじゃない……なのに、法の剣が、砕けただと⁉」
「私はァ……責任なんか、負いませんッ! 私を縛れるのはァ、健斗さまだけだからッ!」
怪人無権代理女が言う。「表見代理の成立をォ、抗弁として主張しますゥ!」その言葉と共に、闇がさらに勢いを増して、怪人の闇の身体を包む。オーラが衝撃波となって、無免ローヤーを吹き飛ばした。近くにあった自販機在庫補充用トラックに叩きつけられ、無免ローヤーが崩れ落ちる。
「支払いはァ、株式会社hemisasoに請求してくださいィ」
「表見代理、民法一一二条か! ぐぅっ! 確かに成立し得る場面だ……」
トラックのボディを支えにし、息も絶え絶えに立ち上がる無免ローヤー。その気弱な言葉に、怪人無権代理女が笑う。
「あはははァ、負けを認めるんですかァ……なら、私と健斗さまの愛が、勝ったということォ! 真の愛は、法律さえも打ち破るんですッ!」代理剣を引きずりながら、怪人が無免ローヤーに向けて歩いてくる。
「まだだっ! 表見代理が成立するとしても……不法行為でっ!」
無免ローヤーはそう叫ぶが、その言葉が虚勢であることは、彼自身理解していた。今回の事例で、民法七○九条の不法行為を使うのは得策じゃない。もはや、ローヤーとしての勝ち目はないように思われた。
怪人無権代理女が、安心したように、それでいて焦れったいような仕草で、闇を纏った代理剣を上段に構える。
「じゃあ、さっさとッ、愛の犠牲になってくださいねッ! 無免ローヤーッ!」
代理剣が振り下ろされんとする!
その時、七兜山の山頂で、火薬が爆発した。
「ああっ!」
「なんなのッ?」
無免ローヤーの視線は、己が命を奪わんとする代理剣ではなく、その向こうに飛んでいた。それに気付いた怪人無権代理女が、不審そうに振り向く。見えるのは、輝く太陽、雄大なる七兜山、法科大学院自習棟、そして……
鎧を身に纏った戦士が、悠然と歩いてくる。無免ローヤーと同じように、腰には六法が存在感を放ち、複眼は光を帯びて鈍く輝く。それは紛れもなく、法の鎧を身に纏った、もう一人の法律戦士だった。
「何なんですかッ、あなたはッ!」
「非弁ローヤー……悪しき罪に、正しき罰を与える者」
怪人の金切声に、法律戦士はゆっくりと答えると、腰の六法をめくり、条文に触れた。
【民法一一三条 無権代理!
一項 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなければ本人に対してその効力を生じない!】
変身六法から溢れた光が、法の剣へと変化する。非弁ローヤーを名乗る戦士は、剣を握ると、八双に構えた。
「法に代わって、断罪する……!」
七兜山から吹き下ろす風が、二人の法律戦士を突き抜けていった。
次回予告
罪! 罰! 正義! 第二十話「第二のイリーガルローヤー:法に代わって、断罪する……!」お楽しみに!




