プロローグ
初投稿です!
この世には「知っている。」「聞いたことがある。」しかし普段過ごしている分には、ほとんどの人が見ることがない物又は誰も見たことがないものがいろいろあります。例えば宇宙船。もちろんみなさん知っていますし頭の中で自分が思い描く宇宙船がイメージできるでしょう。例えばマグマ。私の第一印象ではとても熱い物と言うイメージがあります。実際触ったことも無いのにおかしいですよね。獣人、これも今では聞いたことのない人の方が少ないのではないのでしょうか。獣の人と書いて獣人。これだけ聞くと何言ってるのかさっぱりわかりませんが、みなさんの頭の中にはどんなイメージができあがりましたかね。因みに私の頭の中では犬耳に尻尾を持ったヒトがイメージできました。最後にダンジョン。もうお察しかもしれませんがこの単語だけ聞くと何を示しているのかはっきりしませんね。でも聞いたことがあると思いますし、言いたいこともわかります。実際頭の中でイメージできる人も少なからずいます。私の頭の中では。。。
さてなぜこんな哲学的なことを長々と語っているのかと言うと
私、いきなりダンジョンに転移したからです。頭がおかしくなったとかでは決してありません。。。たぶん。。。おそらく。。。maybe。。。
「本当にこれからどうしよう、」
周りは暗くそれでも全く何も見えないわけではない。それは壁や床に生えてるヒカリゴケ?のようなもののおかげ。後ろはゴツゴツとした冷たい岩肌が肌を突くように行き止まりを知らせる。そして前方は暗闇に慣れた目でも見渡すことができない真っ暗闇。それと同じように左右を見渡しても前方と同じ暗闇が気分を沈ませる。自分の今を保証してくれるのが冷たい床と後ろの壁そしてどこかで流れる水の音。誰かがいるわけでもなく、この暗闇の中ただ1人。物事を冷静に考えるには適切な環境だが逆にこの空間から光の当たる地上へどう向かえばいいか全く思いつかない現実だけが淡々と突きつけられる。ダンジョン内は基本的に洞窟と構造は変わらず外の季節は秋は入りかける10月、熱い日もあれば寒い日もあり色気のない長袖に長ズボン。念の為に持ってきていたグレー色のパーカーのおかげで寒く無い。
つまり正直言って現状何もわかっていないんです(半ギレ)。仕方ないですよね、こんな状況聞いたことがないですしどうすればいいかなんて誰に聞いても「どうすればいいかわからない」と、100人中1000回同じ答えが帰ってるでしょう。
では何故ここがダンジョンなのかもしれないと考えたかと言うと同じような場所をようつべで見たことがあるからです!ゴツゴツした岩肌、探鉱者や探索者たちの荒い息遣い、揺れがあり微妙に見づらい画面、そして遥か昔から畏怖を込められて伝説だと謳われていた妖たち。そんな夢とファンタジーが詰まった動画があれば誰だって興味を持つし熱狂する人もいます。ようつべとは世界最大級の動画サービスアプリでどんなジャンルでも。。。
え?そんなことよりもそんな動画無いって?
またまたご冗談がお好きで、今も昔も話題沸騰中の「異界」も知らないって?流石の私でも18年も生きていればこれくらいは知っています!
こう言う心の中での独り言が増えてる時点でもう少し病んできたのかもしれません。家から外出した時に持ってきたスマホを確認すると、ここについて最初見た時からもう3時間がすぎてしまいました。1度目はなんとも無かったのですが2度目にスマホを確認した時は明るすぎて目が完全にやられてしまい時間を確認できませんでした。擬似フラッシュバン体験をしたと気づいて少し気分が上がったのは内緒です。何事も初体験?は嬉しいものですよね。それでも体内時間とスマホの画面が示す時間が徐々に離れていっていくのがさらに私を不安にさせます。誰もいないのに誰かに話しかけている程で物事を考えている時点で少し危ないかもしれません。
スマホの充電は長く伸ばしたいのでGPSアプリなど不要なものは切り最大限電源が保つように努める。時間のこともそうだがあらゆる感覚が敏感になり嫌な汗が気付かぬうちにしたり落ちる。物事を悪い方向に考えてしまい呼吸も徐々に荒くなっているが本人はそれに気づいていない。
「はぁー」
ため息もつきたくなります。
「どうしてこうなったんだっけ」
「ダンジョン」または異界、迷宮、坑道、洞窟等々様々な呼び方をされているこのような場所。世間一般では今までの歴史がなんだったのか嘲笑うかに思えるほど偉業なものという認識が広まっているため、坑道や洞窟と呼ばれることはあまりなく今では畏怖を込められ異界、ダンジョンという名が主流である。正式名称は「アダマス(ADAMAS)」ギリシャ語で、征服されざるもの、何よりも強い、という意味を指す。何故この名で呼ばれるようになったかというと1番の要因はやはりこのアダマスではダイヤモンドが採掘できることが余程異質じみたことだったからでしょう。
ダイヤモンド
みなさん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。名前の由来はadamasのaが取れて、diamondになったと言われています。こう言われてみるとスペルは全く違うように感じますね。そしてこのダイヤモンドが今はADAMASと呼ばれているこの場所で採掘できます。
しかしながらただダイヤモンドが採掘できるだけではなく、同時に多くの解決不可能とも言える問題を抱えていたのがこのアダマスでした。