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第81話 二重の意味で進む御飯.4

およそ半月が過ぎている。


サンドイッチには“ハム”が加わっていた。


調べてみたところ、もともとは“サンドイッチ”で、英語の発音では“|サンド()ィッチ”のほうが近いそうだ。


要は〝どちらでもOK〟らしい。


こうした“サンドイッチ類”に“カルボナーラ”は、竜人族やドワーフ族も〝大はしゃぎした〟との事だった。


それらは、休業中の[チキュウビストロ関連店]に、アシャーリーが指導している……。



同じ頃。


かつて島中で出されていた依頼が完遂されたらしく、“各ギルド長”からの手紙が次々と大公に届く。


なかには冒険者達に対する〝いつもこれだけ早ければいいのに〟みたいな愚痴もあったらしい…。


まぁ、これによって、チキュウビストロの全店舗が営業を再開した。


新たなメニューの効果もあり、[南北の港町]では、いろんなヒトが熱狂しているそうだ。


そろそろ冬のため厳しくなってきている寒さとは逆に。


あと、貿易商人さんが[コーヒーの実]を、ルシム大公の長男にあたる“ルーザーさん”の屋敷に運んだらしい。


ここから、沢山の麻袋が[大公の館]に送られてくる。


そのため、珈琲も[三店舗]で扱われるようだ。


勿論、“ミルクティー”も。


ただ、アシャーリーの考えによって、中央都市の職人たちに[銀製のミルクジャグ]が、発注されており、〝暫く時間が掛かる〟とのことだった。


[ミルクジャグ]は、牛乳を入れる容器、というか、“水差し”だ。


地球の喫茶店などで見られる。


なお、依頼したのは“小さめのサイズ”らしい。


一方で、アシャーリーは、[コーヒーチェリーティー]を試していた。


これは、地球において[カスカラティー]とも呼ばれているそうだ。


〝珈琲の皮と実を捨てるのが勿体ない〟との理由で作ってみたらしい。


どことなくスパイシーな香りがしつつ、フルーティーでまろやかな甘酸っぱさだった。


それもまた店舗で販売するつもりみたいだ。


こうしたところで、先生が“トラヴォグ公爵”と共に訪れる。


[コーヒーミル]が完成したらしい……。



[厨房]にて。


全10個の[コーヒーミル]が台に置かれていく。


三店舗に2個ずつ、“大公/ルーザーさん/南北の領主さん達”に1個ずつ、配られるそうだ。


「ん??」

「ハンドルは、車輪式で、横に付いているんですね。」


素朴な疑問を投げかけた僕に、


「ええ。」

「上部に付属させる“平たいバー”だと、腕力がある種族は壊しかねませんので。」

「実際、何名かのハイドワーフがそうなりました。」

「特に“ルワーテ”の方々は獣人のため、〝同じ状況になるかもしれない〟と懸念しまして。」


そう説明する先生だった。


ちなみに、この場には、アシャーリーや大公に、僕の“お世話係”であるユーンも、居る。


「となると、“家庭用のハンドジューサー”も破損しやすいのかな?」


首を傾げたアシャーリーが、


【アイテムボックス】を出現させた。


そうして、一冊の書籍を取り出し、ページを捲る…。


「あった。」

「先生、こういうのを、お願いしたいんですけど。」


ある写真をアシャーリーが指差す。


僕が覗いてみたら、“業務用”といった感じの[手動ジューサー]だった。


余談になるかもしれないけれど、こうした品々の代金は、大公が支払っている。


いずれにしろ。


「分かりました。」

「こちらの本、暫くお預かりさせてもらいますね。」


優しく微笑む先生だった……。



二週間ほどが経とうとしている。


数百の[ミルクジャグ]が出来たらしく、アシャーリーが“魔女さん”などと至る所を巡っては、[珈琲豆が入っている幾つもの麻袋]や[コーヒーミル]と一緒に、渡していった。


その際に、アシャーリーが、使い方と飲み方を教えたらしい。


ついでに“ミルクティー”や“レモンティー”も伝授したそうだ。


これらも[三店舗]で好評になっているのだとか…。



ひとつ残らず解体を終えた“ハーフエルフのリィバ”が、[本館]に戻ってきた。


時刻はPM14:30あたりだ。


本人は、ぐったりしている。


疲れが蓄積されたのだろう。


そんなリィバの労をねぎらうべく、アシャーリーが腕を振るってくれる事になった……。


およそ30分後。


主だった顔ぶれが[食堂]に集まっている。


ジャガイモ料理が好きなリィバのため[テーブル]に配膳されたのは、“ポテトチップス”だ。


「え??」

「これって、“お菓子”だよね?」


僕が尋ねたところ、


「いえ。」

「前世で見たテレビ番組によれば、昔のアメリカのホテルで、宿泊客の要望に応え、そこのレストランで誕生したのだとか。」

「つまり、〝もともとは洋食だった〟という話しです…。」

「こちらの世界にスライサーやピーラーが無いため、今回は包丁で切ったので、やや厚めになってしまいましたけど。」


こうアシャーリーが述べた。


その側で、


「ぬッ??! はぁ――ッ!!」

「なんです? これ!」

「とっても美味しいですね!!」


リィバが感動している。


他の面々も〝バリバリ〟と食べながら瞳を輝かせていた。


補足として、〝うすしお〟だ。


皆が幸せそうにするなか、ポテトチップスを口に運んだ僕も嬉しさがこみ上げてくる。


またこうして味わえるとは夢にも思っていなかったので―。


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