表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/205

第80話 過ぎゆく季節のなかで④

あれから数日が経っている。


僕は、“魔術師のレオディン”と、【神法(しんぽう)】の反復練習を行なっていた。


この[庭]には、アシャーリーと“魔女さん”や、ヴァイアに“竜人の双子さん”も、一緒に居る。


そうしたところへ、


「こんにちは。」


先生が挨拶と共に、“トラヴォグ公爵”と歩いて来ていた。


「館内でお聞きしたら、こちらにいらっしゃるとの事でしたので。」


〝ニコニコ〟しつつ、


「できましたよ。」

「“製麵機”が。」


このように先生が告げる。


それに、


「本当ですか?!」


アシャーリーが嬉しそうな表情となる。


一方で、


「ええ。」

「“コーヒーミル”は、まだですが。」


やや申し訳なさそうにする先生だった……。



トラヴォグ公によって、先生も鍛錬に参加させられている。


注文の品を貰ったアシャーリーは、かなりご機嫌になっていた…。



朝の稽古を終え、ヴァイアや先生の一同と、僕にアシャーリーやレオディンは、[客間]でコーヒーを飲んでいる。


ちなみに、もうじき豆が無くなりそうなので、貿易商人さんが待ち遠しい。


……さておき。


僕は[特殊スキル]やパナーア様がたに関して喋っていった。


誰もが理解を示したところで、アシャーリーが〝ジュースにジャムやベーコンとハムを作りたい〟と、先生に本を頼んだ。


僕には“ベーコン”と“ハム”の違いが分からない。


こうした流れで、僕は、例の“料理の神”について、先生に尋ねる。


とは言え。


先生は、前世で数学を担当していたので、そういう(たぐい)には詳しくない。


そのため、こちらも【お取り寄せ】してもらうことになった。


なお、僕の代金は、レオディンが支払ってくれる。


いずれにせよ。


“いくつかのジュース”や“さまざまなジャム”に“ベーコンとハム”が写真付きで載っている三冊と、“地球の神々”が記述されている書籍が、現れた。


これによれば、日本の“磐鹿六雁命イワカムツカリノミコト”が該当している。


あと、ギリシャの“女神ヘスティアー”が(かまど)と炉を司っており、それは割と知られているみたいだった。


こうした面々だけでなく、“鍛冶神”も存在している…。



お昼頃となり、“ハーフエルフのリィバ”が[別館]から一時的に戻ってきたようだ。


そのタイミングで、ヴァイアに先生などが、調理された品々を受け取って、帰ってゆく。


どちらにもアシャーリーが赴いて、いろいろと教えても良さそうだけれど、ラドン竜王にトラヴォグ公が断っている。


僕などの“前世での友人知人”に気づいてもらい、再会を果たすのが目的なので、[タケハヤ(しま)]以外で広まるのは()けたがいいだろうとの考えだ。


ただ、いつかは、お抱えの料理人とかに指導してもらいたいらしい……。



二日後の事だった。


夕飯にアシャーリーの“カルボナーラ”が振る舞われたのは。


他に、“ソフトフランスパン”と“野菜スープ”が配膳されている。


カルボナーラには“ハム”が用いられていた。


補足として、アシャーリーが先生によって入手した本によれば、〝ベーコンは燻製(くんせい)のみの過熱方法〟で、〝ハムは茹でたり蒸したり〟とのことらしい。


まぁ、おいといて…。


アシャーリーが〝パスタをフォークで巻いて食べる〟というのを実演してあげていた。


余談かもしれないけど、こうした調理品は、館のヒトたち全員に行き届いている。


そこら辺はアシャーリーに食べ方をレクチャーしてもらった料理人が、報せているみたいだ。


……、話しを戻そう。


[食堂]にいる顔ぶれが“パスタ&ハム”に興奮していた。


「これはまた初めての食感だ!」「すっごく美味しいです!!」といった具合に―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ