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第68話 心組み②

秋、真っ只中だ。


そのため、少なからず肌寒くなっている。


こうしたある日の朝に、[大公の館]に主だったヒト達が集まってきた……。



[広間]にて。


先生の祖父にあたる“トラヴォグ公爵”が、自身の[アイテムボックス]から幾つもの品物を引っ張り出していく。


それらは、完成した[防具]だ。


受け取った者たちが、[亜空間収納]に入れて、着替えるために自室へと足を運ぶ…。



数分後。


[広間]に再びヒトが続々と訪れる。


まず、“片目のベルーグ”と、“竜人の双子さん”は、騎士みたいな[甲冑]だ。


他の多くは[額当て/肩当て/胸当て/肘当て/籠手/腰回り/膝当て/脛当て/足甲]といった感じで、割と軽装備だった。


こうしたなか、“獣人のユーン”は、籠手に[鉄の(ツメ)]が付いている。


“魔術師のレオディン”と、アシャーリーの教育係である“魔女さん”は、[ウィザードローブアーマー]という代物だ。


なお、先生&トラヴォグ公に、ヴァイアと“竜人兄妹さん”は、前もって防具を装着してから、この館に赴いていた。


ルシム大公に、トラヴォグ公は、地球のヴァイキングみたいな恰好で、兜にタイプの異なるツノが付属している。


先生や、僕のところの“熊”と“狸”も、似たようなものだけど、ツノが無い。


ヴァイアの[額当て]は、本人の頭に生えているツノの邪魔にならない作りになっているみたいだ。


“双子の兄妹さん”は[兜]に(みぞ)があるらしい。


「僕とかの装備品は鉄製みたいだけれども、なんで黒くないの?」


ふと疑問を口にしたら、


「あぁ。」

「それは、エルフの錬金術で変える事ができるのです。」


そうトラヴォグ公が教えてくれた。


ちなみに、僕の装備品は白色で、アシャーリーはピンクだ。


ヴァイアは黒色であり、先生はブラウンだった。


これら以外にも“赤/青/黄/緑/紫”と様々で、なかには“銀製”の物もある。


……、余談になるけど、当初は、ヴァイアの祖父君(そふぎみ)である“竜王”が来ようとしていたらしい。


しかし、政務があるため、ヴァイアの“父君”と“兄君がた”が、くい止めたのだそうだ…。


とにもかくにも。


僕らは[庭]に出ることになった。


魔女さんの【瞬間移動】で、ある場所へと渡るために……。



[タケハヤ(しま)]の最西端に【テレポート】した。


それなりに離れた正面には[鉱石洞窟]というものが存在している。


もう何百年も前から[ダンジョン]になっているらしい。


かつて、“ハーフエルフのリィバ”や“細長眼鏡のマリー”が授業で話していたときがある。


これらによれば、世界中を漂っている[魔素(まそ)]は、誰も住んでいない所に溜まりやすいのだそうだ。


そうして、いろんなモンスターが誕生するらしい。


なかでも“直径1Mぐらいの目玉に12本の触手を有する魔物”が、ダンジョンを構築していくとの事だった。


こうした性質から、そのモンスターは、“ダンジョンマスター”と呼ばれているそうだ。


また、“触手目玉”という別名があるらしい。


洞窟であれ、遺跡であれ、何処であれ、“ダンジョンマスター”が居る場所は、内部が次第に複雑な造りになっていくとの話しだった…。


さて。


本来であれば、魔物討伐は冒険者が請け負っているそうだ。


特に、ダンジョンは、外に出たモンスターが、村や町を襲いかねない。


最悪なのは“スタンピード”や“ダンジョンブレイク”だそうで、〝混乱と興奮が入り混じって理性を失った魔物集団が暴走する〟とのことだった。


それらの理由で、内部のモンスターを殲滅してほしいところみたいだけれども、現在、島では、問題が起きている。


南北の港町に設けた[チキュウビストロ関連店]に、冒険者達が通い詰めているらしい。


このため、大公のもとに、各ギルド長から〝所持金が底を突きかけるまで働かなさそうです〟といった報告が寄せられたのだと、数日前に聞かされた。


そうした経緯で、僕らは、ここに訪れたのだ。


あと、島の最東端にも[ダンジョン]が在るらしい。


補足として、むこうは、[渓谷]との事だった……。


なんか、いろいろと説明が長くなってしまって、ごめん。


…………。


[鉱石洞窟]まで約100Mといった位置で、


「ヴァイア様は既に体験なさったみたいですが…、ラルーシファ殿下、アシャーリー嬢、フリント様、ご覚悟ください。」

「今回は“人型の魔物”や“魔獣”を相手にする可能性がありますので。」

「つまり、〝命を奪う生々しさを(いや)が応でも味わう〟ということです。」


ベルーグに伝えられる。


確かに、春ごろに戦った“植物型モンスターたち”とは違ってくるだろう。


不安と緊張が高まるなか、


「洞窟から向かって来るものらがいます!」


“ユーン”が何かに気づく。


獣人族達の視線の先を追ったところ、ダンジョンから“魔物の群れ”が飛び出してきた―。


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