第54話 連関.7
城宮くんは、“竜人の姿”に戻るなり、衣服を着用している。
まったくもって不思議な原理だ。
さておき…。
「“特殊スキル”も備わっていたりするの?」
ふと僕が尋ねてみたら、軽く頷いて、
「“気焔”っていうやつを。」
そのように答えた。
なんでも〝本人が敵だと認識した者らに対して気を発することで失神させられる〟のだそうだ。
他にも〝神法や戦闘スキルなどみたいに段階があるらしい〟〝今は一日一回しか発動できず効果時間は15秒〟〝格上には殆ど効かない〟との事だった。
「いや、それでも充分なんじゃ??」
こう呟いたのは“片目のベルーグ”だ。
「ところで。」
「かつてリィバ殿が目撃したという竜は、どなただったのでしょう?」
“魔術師のレオディン”による疑問に、
「あー、40年くらい前のことだったら、祖父だな。」
「〝王都の近くでダンジョンブレイクが発生した〟との報せが入るなり、速攻で城から出て竜に変じ飛び立っていた。」
そう語る“長兄さん”だった……。
▽
暫く談笑した後に、
「そろそろ、お暇いたしましょうか。」
「長居しては迷惑になりかねませんので。」
“次兄さん”に促され、
「だな。」
「それじゃ、これにて失礼させてもらう。」
代表して挨拶した長兄さんが、扉へ向かおうとする。
これを、
「もし“瞬間移動”を使えるのでしたなら、ここで用いられても構いませんぞ。」
ルシム大公が止めた流れで、
「また、今後お越しになられる際も、この場所に直接どうぞ。」
「特例として許可いたします。」
このように伝えた。
「ん??」
「いいのか?」
「気遣ってもらって、すまんな。」
そう述べた長兄さんに、
「いえいえ、ヴァイア殿下は、ラルーシファ殿下とアシャーリーにとって“前世の友人”であられますし…。」
「それに、変化を見させていただきましたので、せめてものお礼でございます。」
お辞儀して大公が敬意を払う。
ここから、
「時空よ、我らに狭間の境界を越えさせ、彼方へと導け。」
“三兄さん”が【魔法】を詠唱していく。
その最中に、
「では。」
「近いうちに祖父上や父上が訪問すると思いますので、よろしくお願いします。」
次兄さんが会釈する。
「じゃあ、またね。」
僕と、
「いつでも遊びに来てくださいね。」
アシャーリーに、
「ああ。」
ヴァイアが、手を振り合った……。
▽
翌日の朝、大公とアシャーリー母子は、“魔女さん”の【テレポート】によって[スブキィ町]に赴いている。
[チキュウビストロ・ルワーテ]と[リヌボ]の現状を確認するために。
午後に帰ってきたアシャーリーによれば〝問題ありませんでした〟との事だ。
こうしたところで、大公が[北の町]でも“お店”を展開していく旨を告げた。
それに伴い、“タケハヤ島”の北に在る[港町ジィーモ]に、大公が手紙を送る。
[ケンタウロス便]で届くのに10日以上が掛かるそうだ。
なんでも、ある人物に[館]へ来てもらうつもりらしい。
いろいろと話しを付けるために―。
現時点での[ヴァイア=カナム]
【神法】
・攻撃/光/闇の全属性を使用可能
※どれもが低級
【スキル】
・亜空間収納
※小規模
【特殊スキル】
・気焔
※初期段階
一日一回のみ全身から放った気で敵を15秒間だけ失神させられる
その後30日は使えない
【戦闘スキル】
・狙撃術/剣術/打撃術/槍術/武術
※どれもが[壱]
前世での名前は[城宮宗次]




