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第34話 連関➄

「まず、どんな者であっても、“その惑星で(・・・・・)輪廻転生を繰り返す(・・・・・・・・・)”という仕組みになっている。」

「例えば、〝地球の生物であれば地球で〟といった具合にな。」

「だが…、ラダームたちのときといい、今回といい、この世界に転生させてしまった。」

「私もパナーアも、こちらの銀河の“神々の園”に、魂を連れ帰ってしまったことで。」

「そのため、私などの父である最高神が、創造主様に報告するのと共に、日本の神々の代表との話し合いの場を設けていただいた。」

「およそ五百年前もそうだったか、此度(こたび)も、ある条件のもと、承諾してもらえたのだ。」


ひと呼吸置いたカティーア様が、


「日本の神々(いわ)く、〝そちらの世界に転生させた者らを陰に日向に護ってあげるように〟〝ただし、悪行を働く(やから)は、その限りではない〟と……。」

「これによって、私は、何かとラダーム達に手を差し伸べた。」

「さっきも言ったように、日本の神々は“全宇宙最強”だからな。」

「敵に回してしまったら、絶対に勝てん。」


そう教えてくださって、目を細める。


更に、


「今後、ラルーシファやアシャーリーなどについては、パナーアが協力する事になる。」

「しかし、私と違って、深く関与できる権利がないため、助けてあげるにしても範囲は狭い。」

「ま、私もたまには顔を出すから、案ずるな。」


このように語るカティーア様だった。


「あ。」

「そう言えば。」

「あれから、パナーア様は、どうなりましたか??」

「“処罰が下る”みたいなことを仰っていたので。」


僕が質問してみたところ、


「現在、執行中だよ。」


カティーア様が〝ニィ~〟と口元を緩める。


けれども、すぐに真面目な表情になって、


「アイツの父親は〝最低でも一年は謹慎させるべき〟〝思念体を飛ばすのは禁止〟と主張したが、私が別の刑を提案したら、折れた。」

「まぁ、パナーアの父は、私の弟だからな。」

「姉である私の顔を立てたのだろう…。」

「私にしてみれば、かつてのラダームとの約束をこうして果たせたのだから、パナーアの罰を軽くしてあげたかったのだ。」


そう説明した流れで、


「とはいえ。」

「今頃は、悲鳴を上げているだろうがな。」


〝ふっふっふっふっふっ〟と笑みを零すカティーア様だった…。


紅茶を飲み干したカティーア様が、


「あぁ、知らせておかないといけない事が二つあった。」

「実は、ここに赴く前に、念のため時空神に近い未来を見てもらったのだ。」

「……。」

「一つ、ラルーシファとアシャーリーは、戦闘の腕を磨くように。」

「さもなければ、数年後、この場に居る殆どの者が命を落としてしまう。」

「無論、君ら2人もだ。」

「なので、鍛錬だけではなく実戦(・・)を推奨する。」


こう喋ったカティーア様に、


「えッ?!!」

「どのようにして死んでしまうのですか??」


リィバが尋ねる。


「すまないが…、掟によって、詳細は伏せておかなければならない。」

「だが、未来を変えるのは構わん。」

「何せ、創造主様が万物に対して望んでおられるからな。」

「“より良い未来”を。」


カティーア様が返したところで、


「でも、僕などは、15歳にならないと実戦を行なえません。」

「国王である父上が特別に認めてくださらなければ。」


そのように伝えた。


しかしながら、


「神と王、どちらが偉いと?」


こうカティーア様に訊かれ、誰もが〝ハッ!〟とする。


そのような状況で、


「武神カティーアの名において許可する。」

「ラルーシファやアシャーリーなど、神法(しんぽう)を備えている者は、年齢を問わず、実戦を積んでよい!!」


宣言がなされた。


これに、


「ありがたき幸せでございます!」


何故だか喜んだのは、ルシム大公だ。


アシャーリーに至っては〝ええ~ッ??〟と露骨に嫌そうにしている。


それを察したらしい“アシャーリーの父親”が、


「いきなりは危険なので、考慮してください。」


大公に釘を刺す。


〝うっむぅー〟と大公が反論できずにいると、


「だったら、少しずつ慣らしていけばいい。」

「始めは年に二回、来年は四回、再来年は六回、みたいな感じでな。」

「最低でもそれぐらいはやっておかなければ、本当に絶命するぞ。」


カティーア様が助け舟を出した。


これによって、


「……、かしこまりました。」


“アシャーリーの父親”が引き下がる。


そうしたなかで、


「恐れながら、もう一つは、どのようなものでしょうか?」


“獣人のユーン”が伺う。


〝ふむ〟と頷き、


「料理店を経営するみたいだが…。」

「それだけでは、前世の友人知人はラルーシファとアシャーリーの所まで辿り着けはしないぞ。」

「彼ら彼女らに分かるよう、何かしらの工夫をしておかなければ。」


このようにカティーア様が告げた。


〝あッ!!〟となった僕らに、


「文字はどうだ??」

「日本語ならば理解を得られるだろう。」

「そうして一人でも多くの仲間が集まれば、生存率が高まるというものだ。」

「その者らもまた“神法”を扱えるのだからな。」


カティーア様が穏やかに提案してくれる。


「なるほど、です。」


僕が納得したところで、立ち上がったカティーア様が、


「数日内にはパナーアが訪れるだろうから、よろしくな。」

「食事の時間だというのに邪魔して悪かった。」

「では、いずれ再会するとしよう。」


そう述べて、〝パッ!〟と【瞬間移動】した―。


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