第213話 ダンジョン探索⑦
[一本道]が徐々に下り坂となっていく。
暫くすると右にカーブしていたので、そのまま足を運ぶ。
更に歩いたところ、[広めの空間]に出た。
どうやら[八合目]らしい。
やはり、数個の【ライト・ボール】で照らされた[小粒の金]が至る所で煌めいている。
僕たちから見て[11時]と[1時]の方角に[洞穴]があった。
ヴァイアの父君である“ドォーゴ竜王子殿下”に、
「二組に分かれてもいいのですが…、実戦が初めての人達もいるので、まとまって行動しますか?」
「皆さん心配になるでしょうから。」
このように伺われた僕は、
「ええ、それがいいと思います。」
素直に賛成する。
そうしたところで“黒猫の獣人 ユーン”が、
「どちらを、お選びになられます??」
このように質問してきた。
「あー、……、じゃ、なんとなく、そっちで。」
僕が[右斜め前のほう]を指差したことによって、全員が再び進みだす…。
▽
少し行くと[階段]が在った。
当然ながら[土]で作られており、そこそこ歪だ。
六段ほど降りて、[踊り場]を右に曲がり、続きの階段で下へと向かう。
新たな[一本道]を何分か進んだら、またも[広めのエリア]になっていた。
現在は、勿論、[七合目]だ。
数百の金がキラキラしているけど、どれも小さい。
そうしたなか、“リーシア姉上”が、
「今度は洞穴が三つあるわね。」
ふと述べられた。
これらは、[10時/0時/2時]に確認できる。
そんな状況で、
「どうなされます? 陛下。」
“隻眼のベルーグ将軍”に窺われ、
「んー、……、真ん中にしようか。」
このように決める僕だった…。
▽
緩やかな坂になっている[一本道]を歩く。
左にカーブしていたので、それを進む。
こうしたなか、ドォーゴ殿下が、
「ここまでは魔物に遭遇していない事から、私たちの先を行く冒険者がいるのかもしれません。」
そう推測する。
これに誰もが〝成程〟と納得した……。
▽
またもや[広めの空間]に出ている。
六合目の洞窟は[10時/11時/1時/2時]の方位だ。
そうしたところ、
「何か来ます!!」
先頭のユーンが足を止めた。
“お世話係の獣人達”と“マンティコアのラバス”は、既に身構えている。
すると、11時のほうから「急げ急げ!」や「早くしろ!!」といった声が聞こえてきた。
この流れで、僕とかと同じ年頃くらいに見受けられる“少年少女四名の竜人”が飛来する。
僕らに気づいて「ぅおッ??!」と驚きつつ、頭上を過ぎ去ってゆく。
次の瞬間、彼ら彼女らを追いかけて走ってきたのは、“魔犬の群れ”だった。
「“ヘルハウンド”ですな。」
そう呟いたのは“魔術師のレオディン”だ。
以前、“ハーフエルフのリィバ”に授業で教えてもらったことがある。
このモンスターは、全身がブラック色のドーベルマンといった“シャドードッグ”の進化系で、ひと回り大きい。
“真っ黒なシェパード”といった印象であり、瞳は赤色だった。
確か、クチから直径20㎝といった【火の玉】を放つはずだ。
さておき。
すぐさま右手で直径50㎝の【神法陣】を構築した僕は、“前線メンバー”の間を狙って、
「サンダー・ボール!!」
【雷の玉】を10コ飛ばした。
直径5㎝のこれらが悉くヒットする。
感電した魔獣たちは横転したものの、洞穴から“ヘルハウンドの後続集団”が出てきた。
ダッシュしていたモンスターらは、事態を察したのか、速度を緩め、左右に広がっていく。
倒れて痙攣している面子と合わせたら50匹はいそうだ。
こうしたなか、通常のヘルハウンド達とは違う存在が、徒歩で悠々と姿を現す。
いや、似てはいるのだけれど、三倍ぐらい大きく、頭を二つ有している。
体高も体長もアバウト3.5Mといったところだろう。
その魔獣を、
「“オルトロス”ですね。」
こう認識するリィバだった―。




