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第197話 祝賀会③

あれから、“ラグール公爵”と今後について相談していた。


主に〝まだ空いている大臣の座に誰たちを就任させるか〟といった件を。


僕などよりもいろんな人材を知っている叔父上が、何名かの適任者を教えてくれる。


これらを参考に、余裕があるときにでも僕と“リーシア姉上”で決めていくことになった。


そうして、叔父上達に部屋を用意し、時間まで(くつろ)いでもらう……。



“天空人族”はもとより、“ルシム宰相家とセゾーヌ母子/ルファザ侯爵家/竜人族/ハイドワーフ親族/兎の半獣ファミリー”が、次々に訪れる。


叔父上がたに“ラドン竜王”などを紹介したところ、恐縮していた…。


定刻となり、“ロザーラ=サヴォワ女王”との調印を交わした僕は、保管していた[レシピ]であったりを渡す。


なお、[浮遊島(ふゆうとう) カルスム王国]での[オリハルコン]や[ミスリル]の採取は、僕が現場にいるときだけ許可されている。


言い方を変えれば〝そこに僕がいなければ認められない〟という事だ。


こうしたところで、関係者が[第一広間]へ移りだす。


ちなみに、今日は“アンヌ”の姿もあるので、秘かに喜ぶ僕だった……。



(うたげ)が催される。


叔父上たちは、初めて味わう[地球の料理]や[ビール]などに大興奮していた。


「これは国内に広めないので?」


そう尋ねてきた叔父上に、


「ゆくゆくは全土に伝播(でんぱ)させる予定ですわよ。」


姉上が述べられる。


〝ふむ〟と理解を示した叔父上が、


「差し(つか)えなければ、製法を我の所にも教えてくださいませんかな??」


このように伺ってきた。


「まぁ、ラグール(きょう)には何かと力を貸してもらっているので、別に構わない、ですよね?」


僕が姉上に確認したところ、


「陛下さえよろしければ問題ございません。」


微笑んで頷かれる。


「それでは、うちの料理人達にレシピなどを書かせ、後日、郵便で届けさせるとしよう。」

「どちらに送ろうか??」


そう訊ねた僕に、


「でしたら、西方領の我が城に、お願いします。」


叔父上が頭を下げた。


これに、


(あい)分かった。」


僕は応じる。


状況として、叔父上は、弟にあたる“ライニル(もと)公爵”が捨てた領地に、暫く駐屯してくれることになっていた。


治安維持など、統制を図るため。


いずれにしろ。


叔父上と、その護衛たちが、とても嬉しがっている。


これは余談になるかもしれないけど、〝神様がたは下界を覗けるのであれば、こちらで製法などを準備する必要はなかったのでは?〟といった旨を、以前“癒しの女神 パナーア様”に質問してみた。


すると、「調理を担当している神々が〝それは不正行為な気がする〟と嫌がっていましたので」との事だった。


ま、なんにせよ。


僕らは楽しい時間を過ごしてゆく…。



四日が経っている。


その朝に、[都]から約千名の兵を伴った僕は、魔術士によって[中央]と[東方]の領境に【テレポート】した。


勿論、僕の“教育係&お世話係”に“マンティコアのラバス”も一緒だ。


姉上と“妹のエルーザ”などは、お城で留守番している。


もしもの奇襲に備えて。


こうしたなか、僕らが居る中央領側に、およそ五千ずつの軍勢を率いた領主達が、ほぼ同じタイミングで【瞬間移動】してきた。


その領主らは計三名なので、兵隊の総数としては1万5000人ぐらいになる。


僕たちと合わせれば、もう少しだけ多い。


こうしたなか、ラバスの背に乗り、宙に浮いた僕は、いつぞやみたいに、名乗りを上げ、鞘から抜いた[神剣(しんけん) ムラクモ]で【閃光貫(せんこうかん)】を空へと放つ。


それによって、軍勢が跪いた……。



平原に降りた僕のもとに、領主達が挨拶に来る。


人間の男女1名ずつと、“熊の半獣”といった男性だ。


これが済んだところで、陣形を整えていく。


その数分後、東方領側にも兵士らが【テレポーテーション】してきた。


ざっと2万あたりらしい。


あちらを率いるは、“ラハージャ従叔父(いとこおじ)”と“ラノワマ元宰相”だ―。




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