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第187話 ターニングポイント⑦

いつもより早めに鍛錬を切り上げた僕らは、[第二広間]に移っている。


冷たい[珈琲(コーヒー)]や[紅茶]が各自に配膳されていくなか、


「それでは、新しい国名を考えましょう。」


先生が僕に声をかけられた。


そうしたところで、


「よろしいですかな?」


ふと伺ってきた“ルシム大公”が、


「“武神 カティーア様”が仰せになられていたように、“タケハヤ(しま)”の変更も、お忘れなく。」


こう念を押してくる。


更には、


「ラル君。」

「“王”も違うものにしましょう。」

「例えば、“皇帝”とか。」

「ただ、それもありきたりだから、別の案がほしいわね。」

「じゃぁ、よろしく♪」


“リーシア姉上”が〝ニッコリ〟しながら要望なされた。


“マンティコアのラバス”に乗れない鬱憤(うっぷん)を晴らそうとしておられるのだろうか??


いや、そんな筈はない。


……、僕は、姉上を、信じる。


さておき。


暫く〝何か()いアイディアはないものか?〟と悩んでいたら、“天空人のアンヌ”が、


「〝日本人に分かりやすく〟といった点に、〝ダイワの初代様がお決めになられていたものを大幅に崩さないようにしたい〟というのであれば、“スサノオ”や“オオクニヌシ”は如何(いかが)でしょう??」


こう喋った流れで、


「すみません、差し出がましくて。」


頭を下げた。


片想いしている女子の協力に、


「ううん! そんな事ないよ!!」


嬉しくなった僕は、


(むし)ろ、ありがとう。」


照れながらお礼する。


そんな僕の視界に、壁際で耳や尻尾を〝パタパタ〟させているユーンたち“お世話係 計5名”が入った。


どうやら喜んでいるみたいだ。


何故だろう?


ま、おいといて…。


「肩書は、“帝王” でどうですか??」


先生の意見に、


「悪くないわね。」


〝ふむ〟と頷かれた姉上が、


「今後は“帝国”としてやっていきましょう。」

「さ、ラルく……、陛下。」

「最終決断を、お願いします。」


このように促してこられる。


再び迷いだした僕に、


「おそらく、かつて高校生だった人達は“スサノオ”のほうに聞き覚えがあるかと。」

「“オオクニヌシ”は、日本の神話などにそこそこ詳しくなければ理解しきれないかもしれません。」

「憶測ではありますが…。」


先生がアドバイスしてくださった。


それを受け、


「では、“スサノオ帝国”と“オオクニヌシ(じま)”で。」


こう僕が定めると、


「“ラドン陛下”や“ドォーゴ王子殿下”には、我々からお知らせしておきます。」

「同盟に関する書類の一部を修正しないといけなくなるかと思いますので。」


竜人双子の兄にあたる“ドッシュさん”が述べる。


「あ、確かに。」

「お手数お掛けして申し訳ない。」


謝罪した僕に、


「いえいえ。」

「その程度であれば簡単に済むかと。」


微笑みながら返すドッシュさんだった。


「それじゃ、次にいきましょう。」

「ルシム大公。」

「答えはまとまったのかしら?」


姉上に訊ねられ、


「はい。」

「“長男のルーザー”に大公の座を譲り、儂は宰相に就任させていただきます。」

「また、“アシャーリー家族”と“セゾーヌ母子(ぼし)”は、いずれ儂と共に移住する所存です。」


そのように大公が発表する。


こうしたところで、


「なぁにぃ??」

「もしかしてぇ、なんか楽しいことでも始めようとしてるぅ~?」


“兎の獣人 カトリーヌ”が〝ワクワク〟した様子で質問してきた。


それによって、


「丁度いいわ。」

「貴女たちも誘いたかったから。」


姉上が計画について説明していかれる。


…………。


「事情は分かりました。」

「しかしながら、今ここで即決するのは控えさせてください。」

「親族に相談しないといけませんので。」


こう“カトリーヌの母”に言われ、


「当然、持ち帰ってもらって構わないわ。」


穏やかに承諾なさる姉上だった―。


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