第181話 任命①
“リーシア姉上”がいくつか発表なされていく…。
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まず、“魔術師のレオディン”には[魔法大臣]になってもらう。
[王宮魔術師統括責任者]は名称が長くて呼びにくいため、途中で噛んでしまったりもするのが理由の1つだ。
それと、大臣であれば国全体の魔法に関するトップなので、よりもっと偉い立場ということになる。
勿論、【神法】も管理や規制をしてもらう。
とは言え、新しく設けた役職なので、暫くは何度となく試行錯誤を繰り返しそうだ。
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“ハーフエルフのリィバ”は[科学技術大臣]になっている。
当面は、これまでどおりポーション類の製造などに勤しんでもらう。
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“片目のベルーグ”には[軍部大臣]になってもらった。
それもまた新しいポジションだ。
基本的に[将軍]と兼任してもらう。
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“細長眼鏡のマリー”は[軍部副大臣]だ。
彼女は、当然、[副将軍]でもある。
今後はベルーグと共に軍事予算なども担ってもらう。
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ここからは、“エルーザ”の教育係について、の話しになる。
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マリーの母親にあたる“メイラ”には[財務大臣]になってもらった。
しっかり者というのもあって。
ちなみに、【打撃術】と【剣術】に、【攻撃系の高級魔法】を、備えているらしい。
姉上はなかでも特に[鞭]の扱い方を教わっていたけれど、妹は好みじゃないらしく別の武器についてレクチャーを受けている。
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“クレイ・エドガー”は、約二年前、僕が王城の庭で“暗殺者たち”に襲われた際、姉上と共に駆け付けてくれた人物だ。
年齢は50代半ばになっている。
“人間の男性”であり、【武術】と【打撃術】を使えるらしい。
姉上の勧めもあって、彼には[外務大臣]になってもらう。
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男性ドワーフの“フィオ・ディベリ”は、30代前半の見た目だけど、実は150歳ぐらいだそうだ。
先生やトラヴォグ公爵達とは異なる[ドワーフ王国]の出身らしい。
それは、南西の[サウエス大陸]に存在しているのだとか。
百年以上も前に天涯孤独となり、故郷を出たきりで、一度も帰っていないらしい。
おさらいとして、先生がたは南東の[サウスト大陸]だ。
なにはともあれ。
“短髪”で“立派な髭”に[メガネ]の本人は、【剣術/打撃術/槍術】を備えているらしい。
若かりし頃に土木建築や設計の経験があるみたいだ。
なので、[建設大臣]になってもらった。
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女性ハーフエルフの“ジア・シエント”は、60歳あたりの容姿だけれども、200年近く生きているらしい。
“銀色のロングヘアー”に“緑色の瞳”をしている。
こうした彼女は[王宮魔術師の一員]だ。
全ての魔法が【極級】らしい。
そのため、[魔法副大臣]として、レオディンに協力してもらう。
補足として、本人は、リィバとは違う[エルフ王国]の出身だ。
リィバは南東の[サウスト大陸]だけど、彼女は北西の[ノウエス大陸]らしい。
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“ティーナ・ヒラルド”は、40代前半だ。
“人間の女性”で、金色の髪をセミロングにしており、瞳は青い。
【弓術】と【武術】を扱えるみたいだ。
こういった本人には[内務大臣]になってもらう。
◆◆
大臣に就任する前に、それぞれに爵位を授けることになっている。
既に持っている者たちは地位を上げる事になった。
これもまた僕と姉上の話し合いで決まっている。
僕の教育係は、全員を[伯爵]にする予定だった。
けれど、マリーが「母を差し置いてもらう訳にはいきません」と辞退したので、そこはメイラに与えることで変更になっている。
エルーザの教育係は、メイラを除いた4名が[子爵]になった。
あと、姉上の御厚情で、“黒猫のユーン”が[女男爵]に、“お世話係”の残る4人は[準女男爵]になっている。
彼女らも陰に日向に僕を護り支えてきてくれたので、褒美として。
他の大臣も選ばないとだけど、これは〝追々で〟という事になっていた―。




