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第141話 漸進①

代表した“マリーの母(メイラ)”による説明で、


「のうりょくかいじ!」


“妹のエルーザ”が唱える。


そうして、


「おぉー!!」

「なにこれぇ~?!」

「あたまのなかに、もじがでてきたぁー!!」


妹のテンションが上がった。


「あ。」

「理解できないんじゃ??」


ふと口を開いた僕に、


「大丈夫よ。」

「読み方だけなら母上が教えていらっしゃったから、難しい文字でさえなければ分かるわ。」

「あと、書くのも無理みたいだけど。」


このように姉上が知らせてくださる。


ふと僕もそうだったのが思い出されるなか、エルーザが自身の【能力】に関して喋りだす…。



妹には、全ての【戦闘スキル】が備わっていた。


どれもまだ“壱”みたいだけれど。


それと、【小規模の亜空間収納】があるらしい。


ただ、【魔法】は1つも無かったようで、エルーザが落ち込んだ。


しかしながら、


「あまり気にしなくていいわよ。」

「魔法に関する鍛錬を積んでいけば、いつか習得できるから。」

「それよりも。」

「あなたのレアスキル、なかなか凄いわよ!」


“リーシア姉上”に言われ、機嫌を良くする妹だった。


ここから、


「エル、取り敢えず着替えましょう。」

「私たち、二人ともドレスで、動きづらいから。」


そう提案した姉上が、


「ここと部屋を行き来するのに、瞬間移動、使っていいかしら?」

「時間を短縮したいの。」


アシャーリーに質問なさる。


一瞬〝え??〟と戸惑ったものの、


「あ、はい。」

「それぐらいのことであれば、問題ないかと。」


このように答えるアシャーリーだった……。



姉上と妹は、男子みたいな服装になっている。


僕らの合同鍛錬に参加なされた姉上もまた、ある【レアスキル】を備えておられたのだけど…、ま、追々にしよう。


少し離れた位置では、エルーザが、メイラ達と、どれを習っていくか話し合っていた。


その近くで“マンティコアのラバス”が欠伸(あくび)する……。



“竜人のヴァイア&祖父君/ハイドワーフの先生&祖父君/天空人のアンヌ&従姉妹さん”と別れた後、僕と姉上に妹の“お世話係たち”が[館]に戻ってきた。


何名かの給仕と買い出しに赴いていたらしい。


数時間が経ち、夕方になったところで、“長男さん家族”が、お抱えの魔術士によって[港町スブキィ]から【テレポート】してきたみたいだ。


他にも、あちらで働いていた人々が一緒に移ってきたらしい。


これは、お昼過ぎに“ルシム大公”が女性魔術士さんの【テレポーテーション】でむこうに渡った事によるものだった。


つまり、今までの経緯(けいい)を伝えた大公が、帰って来るよう促したのだ。


大公はもとより、アシャーリーも僕らと共に[ダイワ王国]へ向かうのを決めている。


そのため、心配したアシャーリーの両親が付き添う運びとなった。


よって、大公が、留守にする間こちらのことを長男さんに任せるべく[スブキィ]から戻ってこさせたらしい。


あちらの領主にも事情を告げたうえで。


余談になるけれど、館の部屋が、満室になった。


それと、各自、ラバスに怖がっている。


まぁ、暫くしたら、“長男ルーザーさん”のところの“ルーシス(息子)”と“シャルロッテ()”は、ラバスを撫でだしたけど。


エルーザの勧めもあって。


当のラバスは少なからず鬱陶(うっとう)しがっていた。


あと、セゾーヌも僕達と行動する旨を表明している。


“元クラスメイト”であり“同じ転生者”ということで。


こうしたセゾーヌの母親は、雑用係として従軍するようだ。


やはり娘の身を案じて…。



翌日のPM13:50頃。


[館]の正面に、男女問わず200名の兵隊が集結した。


全員が[黒を基調とした軍服]を着用しており、どこか中世ヨーロッパみたいな印象だ。


その最前には、1人の女性が直立している。


20代後半くらいで、背中あたりまでの長さがある髪や、眉に、瞳は、ライトブラウンだ。


こうした彼女の背後に、残りの兵士たちが整列していた。


「あの者は“ルイ・エスガー”といって、ここにおる“中央軍の一番隊”を率いております。」

「ルイを始めとした25人ほどは、初代ラダーム様の近衛衆(このえしゅう)の末裔です。」

「ちなみに、彼女ら以外は別の職種に就いています。」


そう述べた大公が、


「こちらは、ダイワの新しき国王、ラルーシファ=イズモ陛下であらせられる!!」

「そして!」

「両脇におられるは、王姉(おうし)王妹(おうまい)の両殿下である!!」


一番隊に報せる。


〝は?〟と理解できない様子のルイ達を、


「何をしておる??」

御前(ごぜん)であるぞ!」

「無礼であろうがぁッ!!」


大公が叱りつけた。


これによって、


「申し訳ございません!」


ルイを筆頭に“中央軍の一番隊”が急ぎ跪く―。


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