第131話 急報①
新章突入です。
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森林での戦闘を終えて何時間か過ぎた午後。
“武神カティーア様”が[大公の館]に御出ましになられた。
こないだ“癒しの女神パナーア様”を通じて渡された品々に、感謝するのと共に食器類を返却なさる。
最高神様なども、かなり満足されていたそうだ……。
▽
数日が経ち、冬になっている。
セゾーヌの[スキル]によって、“お酢”が完成した。
早速アシャーリーが幾つかのソースを作ってみたものの、どれも味がイマイチだったらしい。
〝何故だろう??〟と考え込む彼女に、
「セゾーヌさんの“研究”という特殊スキルで試してみてはどうです?」
「確か、“調味料の作成”といったものでしたよね??」
「それであれば成功するんじゃないですか?」
“ハーフエルフのリィバ”がアドバイスした。
それに従ってみたところ、予想どおりの結果になったらしい。
あと、[ケチャップ]に[マヨネーズ]も誕生している。
マヨネーズの出現によって[タルタルソース]も。
これらを使った料理に、誰もが瞳を輝かせて興奮していた。
僕も久々に味わう調味料に感動している。
大量生産が可能になれば市場で販売するそうだ。
なお、セゾーヌの[特殊スキル]が進化し、通常より半分の期間で、お酢などを作れるようになったらしい。
そうしたなか、先生と“トラヴォグ公爵”が、[館]に訪れた。
なんでも [手動のミンチミキサー]が出来たらしい。
包丁でも“ひき肉”を作れるみたいだけど、〝量が沢山だと非常に疲れる〟とのことで、アシャーリーが発注していたのだとか。
これによって、[ハンバーグ]も誕生…、アシャーリーやセゾーヌの言葉を借りるなら、“爆誕”していた。
他には、[ミートソースパスタ/ケチャップナポリタン/ポテトサラダ/エビフライ/イカフライ/トンカツ/メンチカツ/コロッケ/クリームシチュー/ビーフシチュー]なども。
それらに伴い、[サンドイッチ]の種類が増えている。
こういった状況に、アシャーリーを始め、全員が嬉しがっていた。
“マンティコアのラバス”は、食事の度に“サソリの尾”を〝ブンブン〟と振って喜びを表している。
また、“竜人族/ドワーフ族/天空人族”も絶賛していた。
そうした料理や調味料にミンチミキサーを、アシャーリーが[チキュウビストロ関連店]に授けて回ったそうだ。
一方、“ルシム大公”によれば、南北の港町に設けられた[娯楽施設]も大盛況らしく、先生やトラヴォグ公が安堵していた。
このような時が流れ、年末を迎える。
▽
年が明けて、もうじき春になろうとしていた。
まだまだ寒さは続いている。
その日の夕方、ドアが丁寧にノックされた。
開けてみると、“お世話係の獣人5名”が廊下に立っている。
“黒猫のユーン”が代表して、
「リーシア様とエルーザ様などが、お越しになられております。」
「現在、第一広間にて、お待ちです。」
こう知らせてくれた。
突然のことに〝え?!!〟と驚いたものの、僕は取り敢えずラバスを連れて[広間]に向かう。
余談になるかもしれないけれど、ラバスは、僕の部屋で寝泊まりしている。
床に置かれた[特注のクッション]を愛用して。
……、さておき。
歩きながら、
「何かあったのかな??」
素朴な疑問を投げかけてみたところ、
「申し訳ございません、私どもには分かりかねます。」
「リーシア様が、ラルーシファ様に直接お話しになられるとの事でございましたので。」
そのようにユーンが答える…。
▽
[第一広間]には主だった人たちが集まっていた。
“大公/次男さん夫婦/アシャーリー”に、“僕の教育係”が、見受けられる。
こうした顔ぶれ以外にも、姉上と妹それぞれの“お世話係”が佇んでいた。
それと、リーシア姉上の“教育係”もいる。
姉上は14歳になられているので、教育係の契約は満了した筈だけど??
ちなみに、このメンバーのなかには、“細長眼鏡のマリー”の母親も含まれていた。
とにもかくにも。
入室した僕に気づき、
「ラル君!」
リーシア姉上と、
「にぃさま!!」
エルーザが、円卓の椅子から立ち上がる。
ここから、
「ラル君、落ち着いて聞いてちょうだい。」
「……。」
「ラダン兄上が謀反を起こしたわ。」
深刻な表情で告げられる姉上だった―。




