表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/205

第127話 森林での攻防戦①

僕たちは、森の西側から東へと歩いている。


なお、“ルシム大公/次男のルムザさん/アシャーリーの教育係”は、過去に何度かこの森林に入ったことがあるそうだ。


それはさておき…。


暫くすると、“マイコニド×10/アルラウネ×5”が現れた。


おさらいとして。


“マイコニド”は、背丈1Mぐらいの“キノコ人間”で、【幻覚の霧】という[特殊スキル]を用いる。


身長1.5Mほどの“アルラウネ”は、下半身が“紫色の花”であり、上半身は“緑色の肌をした人間の女性”で、[剣士の甲冑]を装備していて、武器は[レイピア(細剣)]を使う。


“先生/セゾーヌ/アンヌ”は、特に、アルラウネに引いていた。


アシャーリーも嫌そうにしている。


ま、僕もだけど。


モンスターとは言え、見た目が少しでもヒトに近い存在は、戦うのを躊躇ってしまうので。


しかし、無抵抗だと、こちらの命が奪われてしまう。


だからこそ、覚悟を決めるしかない。


こうして、僕らはバトルを開始する。


まず突進したのは、“マンティコアのラバス”だ。


どうやら狙いはマイコニドらしい。


「おそらく、危険(・・)と判断したのでしょう。」

「もしかしたら〝幻覚を扱う〟というのを知っているのかもしれませんね。」


そのように分析しつつ、矢を()ったのは、“ハーフエルフのリィバ”だ。


ふと思うに、ラバスは何処で生まれ育ったんだろう??


まぁ、考えても分からないのだけれど。


こうした最中に、間合いを詰めてくるアルラウネ達に、ヴァイアが【気焔(きえん)】を、僕は【神法(しんぽう)】を、用いる。


失神してゆくアルラウネ達に、50発の【アイシー・ランス】が(ことごと)くヒットするなか、後列から飛び出して来た1体のマイコニドに【ピンク色の霧】を噴射されてしまった。


……、僕は高校の教室にいる。


他に、学級副委員長と、書記の山仲(やまなか)さんが、見受けられた。


放課後らしく、僕たち以外の姿はない。


季節は春みたいだ。


グラウンドでは、さまざまなスポーツ系が部活動を行なっている。


校舎からは吹奏楽部の音色が聞こえてきていた。


何故だか、とても懐かしい。


まるで10年以上が経っている気がする。


そんな違和感を覚えたところに、


「ディスオーダー・リカバリー!」


別の山仲さん(・・・・・・)の声がした。


これによって、僕は、〝ハッ!!〟と現実に戻る。


「大丈夫ですか?」


山仲さ…、アンヌに心配されて、


「うん。」

「ありがとう。」


そう伝える僕だった。


周りを確認してみれば、魔物は既に殲滅されている。


「幻覚に掛かってしまったのは僕だけかな??」

「恥ずかしいところを見られたかもね。」


このように窺った僕に、


「いえ、なんだか楽しそうに微笑んでいらっしゃいましたよ。」

「あと、他のマイコニドに霧を浴びせられてしまった先生が、出席を取りだしました。」

「そちらの異常状態は、セゾーヌさんが解いてくださったので、もう問題ありません。」


状況を説明してくれるアンヌだった……。



あれから5分ほど東に向かっている。


今度は6数の“ウッドゴーレム(樹木人形)”に出くわす。


だけど、僕らのほうが多いので、難なく倒し、先へと進んだ…。



更に5分あたりが過ぎた頃。


10羽の“兎型(うさぎがた)モンスター”に遭遇した。


「アルミラージ、じゃないね?」


軽く首を傾げた僕に、


「“ジャッカロープ”です。」


そう“細長眼鏡のマリー”が教えてくれる。


この魔物は、1.5Mといったサイズだ。


ちなみに、アルミラージは1Mくらいだった。


それと、ジャッカロープの(ツノ)は、鹿みたいな形状になっている。


こうしたモンスター達が、それぞれに、角と角の中間に直径10㎝ほどの【サンダー・ボール】を構築した。


これ(・・)が弾けるなり、5本の【雷】が飛んでくる。


合計で50発だ。


“ドォーゴ王子殿下”と“ヴァイア”の父子(ふし)に、ラバスは、宙に浮いて躱す。


また、急ぎ翼を出現させた“ザベルさん”と“アンヌ”の母子(ぼし)も、上昇して回避する。


残りのメンバーは、殆どが直撃してしまい、ダメージを負うのと共に全身が痺れて、動けなくなった―。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ