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第126話 逐日③

威圧気味で、


「まったく。」

「謹慎が解けて、ラルーシファ達に会いに行ったきり、なかなか戻って来ないと思ったら…。」

「いい身分だな。」

「揃いも揃って。」


そう喋られた“武神カティーア様”に、


「あ、いえ、これは、その……。」


“癒しの女神パナーア様”が、しどろもどろになった。


他の神様がたは、おもいっきり目を反らしている。


どうやらカティーア様を恐れているみたいだ。


一方で、神気(しんき)を感じられるヒトたちが震えていた。


ただし、“ラドン竜王陛下”と“ドォーゴ王子殿下”は平然としている。


いや…、よく見ると、両名共に冷や汗をかいているようだ。


床に座っていた“マンティコアのラバス”は、いつでも逃げられる体勢になっていた。


場の空気を変えるべく、


「カティーア様。」

「そちらは?」


僕が質問してみたら、


「ん??」

「あー。」

「私の孫の一柱で、“カッティ”だ。」

「母親が“闇の神の一族”でな、この子は、その血を濃く引いている。」

「天界から館の様子を私と一緒に覗いたところ、美味(うま)そうな品々を飲食しているパナーア達を羨ましがったので、連れてきた。」

「容姿こそ幼いが、二百年近くは生きておるぞ。」


このように説明なされた。


そうした流れで、


「ルシムよ。」

「カッティにも席を設けてもらえないか?」


“赤髪の武神様”が窺う。


「はッ。」

「すぐに二つ分ご用意いたします。」


こう“ルシム大公”が述べたら、


「いや、私は帰る。」

(きも)を冷やしている者が多々おるみたいだからな。」


優しく微笑むカティーア様だった……。



カッティ様は、パナーア様の隣の椅子に腰かけている。


基本的に無表情かつ無口だ。


そのため、感情が読み取りづらい。


けれども、“食べ物”や“ジュース”を口に運んでは、〝パァ―❀〟と嬉しそうな顔つきになられる。


こうしたカッティ様に、誰もが〝ほんわか〟していた…。



大公が、急遽、“館の料理人たち”に追加を作らせている。


カティーア様や最高神様などに献上するそうだ。


“トラヴォグ公爵”は[ビール]を進呈していた。


それらを、パナーア様が代表して【亜空間】に収められる……。


数十秒後、別れの挨拶を交わす。


こうしたところで、


「ありがと。」

「どれも美味しかった。」


カッティ様が幸せそうになされる。


全員が〝ニコニコ〟するなか、


「それでは、いずれまた、機会がございましたら。」


〝パッ!〟と消えるパナーア様がただった…。



5日が経っている。


僕達は、中央都市の東に位置する[森林]に訪れていた。


そう。


僕とアシャーリーが初めての実戦に臨んだ場所だ。


あの時とは違って、“ヴァイア/ドォーゴ王子殿下/先生/トラヴォグ公/セゾーヌ/アンヌ/ザベルさん/ラバス”も参加している。


今回、この森林に再び赴いたのには、理由(わけ)があった。


なんでも“ロード級の魔物”とやらが現れたらしい。


いろんな冒険者が挑んだものの、討伐できないでいるそうだ。


それによって〝森の食材を採れなくなっている〟のだとか。


また〝いつロードが配下たちを連れて森林から出て、町や村を襲うか分からない〟とも。


こうしたロードは、ギルドマスターによれば〝ゴールドクラス、もしくはミスリルクラス以上が、何人かいないと、倒すのは難しいでしょう〟との事らしい。


ちなみに、強いほうから[オリハルコン > ミスリル > ゴールド > シルバー > ブロンズ > スティール > アイアン > ストーン > ウッド > ペーパー]と万国共通で定められているのだとか。


それを(もと)に推測するならば、[森林のロード]はかなり危険な存在のようだ。


このため、大公が周辺を封鎖させていた。


そうした経緯(いきさつ)で、小雨の降るなか、僕達は森へと入ってゆく―。


[カッティ神]について


・“長い黒髪”や“白肌”に“金色の瞳”といった特徴を持つ


・続柄は武神カティーアの孫


・癒しの女神パナーアにとっては従姪(じゅうてつ/いとこめい)にあたる


・カッティ自身は“闇を司る神の一柱”とのこと


・容姿は10歳ぐらいの少女だが実際のところ約200年は生きている



※カッティ神も本作のオリジナルとなります。

現実(地球)の伝承や逸話などには出てきませんので、あしからず。


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