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第118話 実戦⑧

庭に出た僕らは、“大公家の魔女さん”によって、山岳地帯の(ふもと)に【テレポーテーション】した。


位置としては〝山の南側〟らしい。


なお、山岳そのものは、〝タケハヤ(しま)の北西〟にある。


今回もまた、周辺を封鎖させているそうだ。


“ルシム大公”が、この地域の領主に命じて…。



アンヌは、[剣士みたいな軽装備]と[サークレットタイプの額当て]を着けている。


武器は[レイピア(細剣)]で、短めに作ってもらったらしい。


標準的な[レイピア]は全長1.2Mだそうだけど、アンヌの物は、その半分くらいだろう。


これらの[防具]と[武器]は、白色を基調として、銀の装飾が施されていた。


まぁ、それはおいといて。


「参りましょう。」


大公に促され、皆で足を進める……。



先生の所は“トラヴォグ公爵”が付き添っていた。


ヴァイアは、いつもと同じ“竜人の双子さん”に、初参加となる“長兄(ちょうけい)のラゴーンさん”が、いる。


ラゴーンさんは、[騎士のアーマー]で、[兜]は(ツノ)の邪魔にならない作りになっているのと共に顔が完全に見えていた。


それから、アンヌは“母親のザベルさん”と“従姉妹のレミンさん”が一緒だ。


ザベルさんは、剣士みたいな恰好で、左腰に[サーベル]を帯びている。


レミンさんは、騎士のような甲冑で、左手に[スピア()]を持っていた。


“サウスポー”なので。


とにもかくにも。


山内(さんない)の雑木林を暫く真っ直ぐと歩いていたら、道が二又になった。


どの道幅も割と広めだ。


集団をどう分けるか、誰もが悩みだしたところで、


「男性が右斜め前、女性は左斜め前、にします?」


こう先生が提案する。


それだと、アンヌと離れ離れになってしまうので、先生の事を嫌いになりそうな僕だった。


「いや…、戦力に差が出るから、やめておいたがいいだろう。」


ラゴーンさんが異を唱え、


「あー、確かに、そうですね。」


このように先生も認めたので、大人達が相談していく。


数十秒後……、アンヌと同じグループになれた!


それによって、


(よしッ!!)


僕は、心の中で大喜びする…。



右斜め前の道に、“僕/教育係/お世話係/ラバス”と“アンヌ親族”が向かう。


他のメンバーは、左斜め前だ。


ちなみに、マンティコアの“ラバス”は[アーマー]を着けている。


[中世ヨーロッパの馬]みたいな感じだけれど、羽などの邪魔にならないよう、重装備にはなっていない。


これは、トラヴォグ公に[契約の証]を発注した際、ついでに作ってくれたものだ。


魔物は進化すると体が大きくなるそうで、[防具]も[契約の証]もエルフの【錬金術】を使ってある。


いつか[(くら)]と[(あぶみ)]も用意して、僕がラバスに乗れるようにしてくれるらしい。


最初に聞いたときは恥ずかしくなったものの、アンヌと空を飛ぶところを想像した結果、(ありだな)と改めた。


勿論、その考えは、内緒だ。


……、話しを戻そう。


ラバスは“左前足首”と“右後ろ足首”に[契約の証]を()めている。


なんだかんだで、僕たちは、モンスターに遭遇することなく、二合目に来ていた。


こうしたところで、ラバスが〝ガオォッ!〟と()え、


「魔物です!!」


“獣人のユーン”が伝えてくれる。


そのタイミングにて、あちらこちらの樹木から、モンスターが突撃してきた。


ラバスと獣人族は躱していたけど、それ以外は体当たりを受けてしまう。


こうした流れで、周囲の木々に()まってゆく約15数の魔物を、


「“ワイルドモモンガ”か。」


“隻眼のベルーグ”が認識する。


どれも1Mぐらいの大きさがありそうだ。


そんな“モモンガの群れ”に、ラバスが口から直径20㎝あたりの【ファイア・ボール】を放った。


初めて見た光景に、


「え??!」


僕が驚いていたら、ワイルドモモンガの1体にヒットした【火の玉】が〝ボウッ!!〟と燃える。


このモンスターが落ちてくるなか、炎が消え、煙が尾を引く。


そうした状況で、


「あー、うっかり伝え忘れていましたが、ラバス…、アンヌ嬢も。」

「植物が多い場所では、火炎や爆発は扱わないでください。」

「できれば、雷も。」

「火事になりかねないので。」


“ハーフエルフのリィバ”が告げた。


「了解しました。」


こうアンヌが応じる一方で、ラバスは首を傾げる。


「〝危険に繋がりかねないから()めておこう〟ということだよ。」


僕が簡単に説明してみたところ、ラバスが〝ガフッ〟と頷く。


どうやら分かってくれたみたいだ。


その間に、レオディンが【デッドリーポイズン(猛毒)】の詠唱を行なっていた―。




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