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第104話 過ぎゆく季節のなかで⑦

[広間]にて。


「そういえば、特殊スキルの“気焔(きえん)”だったっけ??」

「使った事ないよね?」


なんとなく僕が尋ねてみたら、


「あー。」

「あれは、自分より弱い相手にしか通用しない。」

「なので、これまでは控えていた。」

「だが…、渓谷の戦闘でいくらかは強くなっただろうから、次の実戦あたりで試してみる。」


そのように答えるヴァイアだった。


こんな感じで雑談すること約10分。


[別館]に渡っていたメンバーが、[本館]に戻ってきた。


“ルシム大公”を中心に、今後の事を軽く確認し合い、竜人族とドワーフ族が、それぞれの地元に【テレポート】する……。



お昼は、大公が〝キラービーの蜜を用いた調理〟をアシャーリーに頼んだ。


結果、“フレンチトーストにハチミツを掛けたもの”が出てきた。


“キラービーの蜂蜜”は濃厚で、とても美味しい。


糖分などを摂取できて疲れが癒えていくようだ。


他にも、チーズ/トマト/きゅうり/ゆで卵/キャベツによる“サラダ”や、“フライドポテト”に、“冷製オニオンスープ”が、配膳されている…。



二日が経った。


中央都市で展開する予定の[チキュウビストロ関連店]が、まだ定まらないそうだ。


幾つかの候補はあるものの、これといった決め手に欠けるらしい。


そうしたなか、“大公家の料理人”のなかで、噂を聞き付けた女性が、自薦してきたのだとか。


なんでも〝この都市の南東区で家族が飲食店を経営している〟らしい。


彼女は〝実家を手伝うために帰りたい〟と思っているそうだ。


それに大公達が前向きになった。


本人は、アシャーリーの調理法や、僕らの存在を、知っているので、〝いろいろと話しが早い〟と考えたらしい。


また、お店がヒトの往来が多い[大通り]に面しているので、好条件だったようだ。


このため、彼女は家族の了承を得るべく、お休みを貰って、一旦、戻る運びとなった。


なお、快諾してもらえるよう、大公も共に赴くらしい。


そうした女性の実家は〝南門から徒歩で15分ぐらい〟の所に在るそうだ。


[大公家の本館]からだと、歩いて二日以上になるので、“魔女さん”によって[南門]の外に【瞬間移動】することになったのだとか。


ちなみに、この料理人は“レイエル・ローザ”という名前だ。


スラッとしており、“後頭部で束ねているセミロングの髪”や“眉”はホワイトシルバー(白銀)だった。


肌が白く、瞳はライトグリーンだ。


彼女によれば〝祖母がハーフエルフ〟らしい。


かつて、人間の男性と結婚し、飲食店を開いた。


そのヒトたちの娘さんが、レイエルの母にあたるのだそうだ。


婿養子である父親も“人族”らしい。


23歳のレイエルには、二つ下の妹がいるようだ。


彼女以外の家族全員で営んでいるのが[ビアクト]という名称の店舗との事だった。


これは[絆]といった意味らしい。



PM15:30頃。


大公達が帰宅した。


アシャーリーに作ってもらった数品を試食してもらったのもあり、喜んで賛同してくれたらしい。


そのため、後日、暫く休業して、調理の修行に勤しんでもらうのだとか。


魔女さんによって【テレポーテーション】する“アシャーリー母子”が、お店に通うみたいだ。


大公と“次男のルムザさん”は、もう一店舗を選ぶべく、改めて精査しだす……。



およそ十日が過ぎている。


“レイエル一家”は()み込みが良かったらしく全料理をマスターした。


こうしている間に、大公が、“製麺機/コーヒーミル/業務用ジューサー/食パンの型箱”を揃えてくれたみたいで、プレゼントしている。


余談になるもしれないけど、前々から[東の町]の職人に大量発注していた“コーヒーフィルター”が完成したそうだ。


その町は〝島内で最も製紙技術が盛ん〟らしい。


〝なかでも特に優れた工場に依頼しておいた〟のだとか。


とかく。


レイエルファミリーの飲食店は、[チキュウビストロ・ビアクト]になった。


勿論、[大公家御用達(ごようたし)]だ。


このような経緯(けいい)で、彼女たちの新しい日々が始まる。


あと、アシャーリーの【特殊スキル】が進化したらしい―。


現時点での[アシャーリー=イズモ]


【神法】

 ・浄化もしくは負傷/治癒/異常回復などの使用が可能

  ※どれもが中級の光属性


【スキル】

 ・亜空間収納アイテムボックス

  ※小規模


【特殊スキル】

 ・地球の洋食

  ※一ツ星レベルの料理人


【戦闘スキル】

 ・狙撃術

  ※段階は[壱]


前世での名前は[嶋川由美(しまかわ・ゆみ)]


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