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第100話 渓谷探索①

僕たちは、それなりの数の“キラービー”と“キラーホーネット”を回収し終えている。


虫が苦手らしいアシャーリーは顔がひきつっていたけど、セゾーヌは平気みたいだった。


落ち着いて景色を見てみると、ここから先の道は5つある。


その右から二番目が、キラービーが飛んできた所だ。


なので、僕らは、この道へと進みだす…。



ジグザグした土路(どろ)を歩きつつ、


「ここのダンジョンマスターを倒したとかいう冒険者達は、さっきの“蜂の集団”に襲われなかったのかな?」


素朴な疑問を口にした僕に、


「あー。」

「この渓谷は、儂らが来た北西以外にも、幾つか出入口がありますので、そのどれかで触手目玉に遭遇したのでしょう。」


ルシム大公が教えてくれた。


「なるほど。」


そう納得していたところへ、


「左斜め上、敵です。」


“獣人のユーン”が知らせてくれる。


視線を送ってみたら、“キラービーの群れ”だった。


「え??」

「またぁ?」


辟易したのは、アシャーリーだ。


一方で、


「あの向こうに“巣”があるに違いない♪」


“トラヴォグ公爵”が喜ぶ。


こうしたなか、


「取り敢えず、ぶっ倒そうぜ!!」

「まずは、魔法や神法(しんぽう)で攻撃だ!」


ヴァイアの三兄(さんけい)にあたる“ガオンさん”に指示され、皆がハッとなる。


そこから、


「新たに素材を集めるのであれば、使うのは中級までにしてください。」

「それ以上は損傷が激しくなってしまいますので。」


このように“ハーフエルフのリィバ”が告げる。


そうして、“魔術師のレオディン”が【デッドリーポイズン】を、“魔女さん”が【パラライズ】を、再び用いた。


ただ、さっきの倍は数がいるみたいで、【猛毒】や【麻痺】の範囲から逃れた敵は少なくない。


迫る蜂たちに、リィバが、


「純潔なる煌めきよ、我がもとで強さをましてゆくべし。」

「より一層に輝き、立ち塞がる障壁を貫け。」

「ホーリー・レイズ!!」


直径2㎝×長さ50㎝の【光線】を100コ発射する。


“細長眼鏡のマリー”は、


彼方(かなた)に在りし結晶よ、この手に冷たき力を捧げ、我が前に現れろ。」

「アイス・アロー!」


25本の【氷の矢】を放つ。


ガオンさんは、


「我に宿りて、姿を現せ。」

「秘めし力よ、敵に後悔を与えるべし。」

「サンダー・シェル!!」


直径20㎝といった【雷の砲弾】を25コ飛ばす。


なお、リィバとガオンさんが【中級】で、マリーは【初級】だ。


僕は直径5㎝の【サンダー・ボール】を10発、ヴァイアが50本の【ウィンド・アロー】を、発した。


アシャーリー/先生/セゾーヌは、直径10㎝の【ホーリー・ボール】を50コ放射している。


当然、これらの【神法】は下級だ。


ちなみに、今までの鍛錬や実戦で、〝下級神法の威力や効果時間は中級魔法と同等〟ということが判明している。


……、さておき。


落下しているキラービー達に武器などを振るう一同だった…。



「ちと、あっちの方角、確認してくる。」


そう述べて、翼をはためかせ、宙に浮いたガオンさんが、


「ドッシュ、ラッス。」

「念のため、俺と一緒に。」


“竜人の双子兄妹さん”に声をかける。


「了解です。」


「かしこまりました。」


このように応じた双子さんもまた、上昇していく……。



それなりに離れた崖で、ガオンさんたちは、空中戦になっている。


どうやら、キラービーの生き残りがいたみたいだ。


でも、たいした数ではなかったようで、割と早めに決着がついた…。



崖の(くぼ)みに[巣]があったらしく、ガオンさんが【アイテムボックス】から引っ張り出した剣で、これを切り離す。


そうした巣を、両脇で抱えた双子さんが、僕達の側まで運んでくる。


巣は“直径1.5Mぐらいの(いびつ)な円形”だ。


これに、アシャーリーが〝うッ〟と気持ち悪がった。


そこへ、地上で何かを探していたガオンさんも戻ってくる。


“全長80㎝あたりの蜂”の首根っこを右手で掴んでいた。


「“クイーンビー”ですね。」


ふと気づいたリィバが、


「預からせてください。」

「大公家に帰ったあと、ボクが(さば)く事になりますので。」


〝ニコニコ〟しながら申し出る。


「おう。」


ガオンさんが“女王蜂”を渡すなか、


「巣は、ひとまず、ルシム殿が受け取ってくだされ。」

「細かい話しは後程(のちほど)にしましょうぞ。」


このようにトラヴォグ公に勧められ、


「では、失礼して、そうさせていただきます。」


快諾する大公だった―。


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