島崎凪の目標(下)
放課後、いつも通りに僕は先生やクラスメイトから頼まれた事をこなした。
今日はたまたまいつもより少なく、水乃ちゃんの部活の終わる時間帯より少し先に作業が終わったので鞄を肩にかけ、教室から出て下駄箱に近い自販機の前で一息付く。
そして思わず、と言った様に二人分のパックジュースを両手にため息を付く。
はぁ、頼られるって結構大変だなぁ。
でも水乃ちゃんに頼られる男になるって決めたんだ。
この程度で疲れてる訳には……
「凪」
「あ、水乃ちゃん!」
どうやら考え事をしている内に水乃ちゃんの部活が終わった様だ。
僕はさっき買ったばかりのパックジュースを水乃ちゃんに渡して、下駄箱に向かった。
「凪、最近イジメられてるの?」
「へ?」
「昼休みにたまたま凪のクラスの人が話しているのを聞いたのよ
最近の凪はチョロいとかどうのって……」
「は?」
靴を履き替えてる途中で水乃ちゃんにまた声をかけられた。
僕は水乃ちゃんの言った内容を理解出来ず、靴を片方履いた状態で顔を上げてしばらく呆けてしまった。
その後、僕は気が付いたら家の玄関前に居た。
多分、水乃ちゃんが僕を送ってくれたんだろう。
後に、僕が「頼られる男」と言う物の本当の意味を知り、理解したのは後に入る高校の生徒会長に指摘された時だった。
これを理解した時、僕は深く反省した。
中学時代の僕は周りから見たらイジメられてる様にも見えてしまったらしい。
僕自身が周りにとっての「都合の良い男」になってしまっていて、中学最後の一年僕とクラスメイトの関係性がおかしくなっていたのだと気付かされたのだ。