第4話
「...ビルでっかい」
スマホでビルの場所を調べたとき少しだけ美琴社長の会社についても調べた。会社名はアルタイルプロダクション、アイドル事務所らしい。
もう10年ぐらい建っているこの会社は様々な素敵で人気なアイドルや俳優などを生み出した。最近も、あるアイドルグループをデビューさせて、一ヶ月以内に大量なファンを集められたらしい。特にそのグループは若い女性のファンが多いです。
「入るか...」
少し緊張しながら、愛華はビルの中に足を運びました。
昨日は会社に来るように以外には何にも説明はもらっていない愛華はロビーにあったカウンターへ行った。
「あの、すみません」
小さな声で愛華はカウンターの後ろに立っている社員さんに声をかけた。
「はい、どうかされましたか?」
「その、井口美琴社長には用事があるんですけど...こ、これ昨日井口さんからもらった名刺です」
愛華は名刺をカウンターに置いていた。
女性の社員さんは名刺を見てから愛華に笑顔を向けた。
「大和愛華様ですね?社長はもうお知らせいたしました。ご案内しますので、少々お待ちください。」
社員さんは美琴社長に電話をかけて愛華のことを伝えました。美琴社長の反応はわからなかったが、電話を切った後女性の社員さんはカウンターから出て愛華のこと案内し始めた。二人はエレベーターを乗って、一番上のフロアーへ移動した。
エレベーターの扉が開かれた瞬間、目の前はすぐ美琴社長のオフィスだった。
女性の社員さんは先にエレベーターから出て愛華もそうした。
美琴社長は手のもとにあった種類から目を背けて、愛華を笑顔で歓迎した。
「やっと来たか!待ってたよ!」
女性社員さんは美琴社長と少し話してからエレベーターに戻って、オフィスから去った。
「座って座って、紅茶がいい?それともコーヒー?」
「い、いいえ、大丈夫です。お構いなく...」
「そんなこと言わずに、今日は君は私のお客、だからそんなに遠慮や緊張しなくても大丈夫だよ」
そう聞いた愛華は少しだけ力を抜いて、ソファーで腰を掛けた。
「で、では紅茶で」
「オーケー、ちょっと待ってね」
飲み物のことは普通アシスタントの仕事だと思ったが、美琴社長は一人で愛華のため紅茶を淹れた。美琴社長はティーカップをテーブルにおいてから自分も愛華の向かいにあったソファで座った。
「どうぞ」
笑顔をくれた美琴社長に愛華は有難く頭を頷いたからティーカップを持って口まで運びました。
とても暖かくておいしい紅茶でした。
「さて、本題に入りましょうか?私のオファーちゃんと考えたの?」
「はい、興味は持ってますが、やはり仕事の内容が知りたいです。その...ここって芸能事務省ですよね?」
「うん、そうだよ」
「そのアイドルか俳優さんたちとかかわる仕事ですか?」
「そうだね、そう言われると、まあ。でもそんなこと心配だったら大丈夫だよ、この仕事は君が彼らと直接会える仕事ではない」
愛華は頭を傾けた。
「というと?」
「君にはハウスキーパーとして雇いたいの!」
「ハウスキーパー?」
ちょっと思っていたものと違って、愛華は少しびっくりした。
「うん、少し説明させて。愛華ちゃんは最近デビューしたBEYONDというアイドルグループのこと知ってる?」
愛華は頷いた。
さっき調べた時で出てきたデビューしたばかりの超人気のアイドルグループのことだった。
「実は彼ら同じ家で住んでるんだけど、彼らあんまり家のこと片付いていないんで...すごく汚いの。だから彼らのためハウスキーパーを探してるの」
「は...それなら専門のお方を雇い方がいいのではないんですか?」
「最初そうだったの、でも...理由があって、普通の一般人の方がいいかなって思いました」
理由が気になった愛華ですが、聞くべきもじゃないと判断した。
「まあ、そう思ったから一週間経って、そしたら君と出会った!これは運命だと思ったのよ!」
そう言われた愛華は苦笑をした。
「で?どう思う?働かない?」
「うーん、そうですね...家の全部片付いただけでいいですか?それとも、それ以外の仕事はあります?」
「片付いて以外は料理を作ったり、服も洗濯して、干して、畳むぐらいかな」
「なるほど」
「料理はできれば後ででも温めるものがいいんだ、だって彼ら食べるのは仕事帰りの時だし、そしてその時はいつも変わってる」
愛華はふむふむと頭を頷いた。
「仕事の内容はそれくらいかな。できれば週に5日ぐらい家を片付いて欲しい。スケジュールは君に任せる」
説明からにはそこまで難しい仕事じゃないと愛華は思った。もちろん家を全部片付くなんて大変なお仕事だと思った。でもやっぱりスケジュールは自分が決められる、早く済ませれば早速家に帰らるし、何より前は給料が高いと美琴社長が言ってた。
「彼らとは全然会わないんですよね?」
「うーん、ときどきは会うかもね。オフの日とか。いやかい?」
「そんなことはないんですが、彼らはそれで大丈夫でしょうか?一応アイドルだし、急に知らない人がプライベートの空間に入るなんて、居心地悪いと思って...」
愛華の意見を聞いた美琴社長は微笑んだ。
「気にしてくれたんだ。ありがとう。でも、それは私から説明すればいい、もし彼ら不満があったら私にも言うはず、だから心配しないで」
「(ならば問題ないか...会ったとしても、できるだけ彼らの邪魔にならないように気を付ければいい)」
しばらく考え事を整理して愛華は静かになった。やはり彼女にとってこの仕事はメリットが多い、このオファーを受け取らないと後悔するはず。
「やっぱりまた時間が必要かい?」
「いいえ、もう決めました。ハウスキーパーとして働かせてください!」