第1話
強い太陽の日差しの下に彼女が歩き続けた。
今日という日は夏の中では一番暑い日になりそうで、仕方ないと彼女はわかってた。それでも、もう三日ぐらいパンだけを食べていた彼女にとってはすごくしんどかった。
一週間前、6ヶ月以上働いてたアルバイトの店の店長が実家に戻るつもりなので店はもう続けないと言ってた。そして昨日、昔彼女を育ってた親戚が夫の手術の為にお金を借りに来てた。断りたかったが出来なかった。
「ありがとう愛華!本当君がいてよかった」
その言葉全然信じていなかった。
一応口座の中には来月の家賃やのお金はまだ残っているが新しいアルバイトのことは早く見つけないと。
「少し休むか」
近くの公園にあった自販機で冷たい飲み物を買った後に鞦韆で少し足を休んだ。公園は走り回っている子供たちの笑い声でいっぱい、結構賑やかだった。
水を飲みながらぼんやりしてた彼女は突然服の袖が引っ張られた。
「ん?」
パッと右を向いたとき、涙目と向き合った。
「おねえちゃん...僕のおねえちゃん...」
しくしくと泣き始めた男の子はがぎゅっと彼女の袖を強く握ってた。
「えっ?!あっ...え?えっと...」
慌てて愛華は右左を見てた。公園では彼女以外の大人はいなかった。賑やかに遊んでいた子供たちももう帰ったようで。
「えっと、よしよし」
何をすればいいのかわからなかった愛華は男の子の頭をゆっくりと撫でた。
「まずは落ち着こう...ね?君のおねえちゃん探すから」
うるんだ瞳で男の子は愛華のの顔に見上げた。
「ほんと?」
「うん、だから少し落ち着こう」
強く頷いた男の子は小さな手で涙を吹いた。
さてと愛華が思った、どこからお姉さんを探し始めようか。