せっかちな男
空白込みだと2000字オーバーになるのは大丈夫なのだろうか?
《イライラした男 (イラ)が腕時計を気にしながら足をトントンしている。そこに、遅刻した男(遅刻)が慌てて駆けてくる》
遅刻「悪い、悪い! 遅れたわ!」
イラ「遅いよ! 俺が時間に厳しいの知ってるだろ! 何分待ったと思ってるんだよ!」
《イラが腕時計を見せる》
遅刻「えっと、約束が12時だったから、30分か! うわー、すまん! 出かける準備に手間取ったんや」
イラ「わかったよ、次から気を付けてくれよな」
遅刻「そうするわ。でもさ、お前ってほんと時間に厳しいな」
イラ「当たり前よ。なんてったてあれだよ、ほら、えーと『時はーー』」
遅刻「ああ、『金なり』」
イラ「『ーー亀有公園前派出所』だからな」
遅刻「間違ってるわ! なんか読むのにめっちゃ時間かかりそうな漫画と混ざっとるやんか!」
イラ「そうか? それよりも早く飯食べに行こうぜ」
遅刻「そうやな、今日はそれと映画見るために集まったんやしな。んで、飯どこにする?」
イラ「そこのファストフードでいいだろ」
遅刻「ハンバーガーか。そういえばさ、お前って飯もやっぱりこういうところばっかりか?」
イラ「そうだよ。もう俺レベルになると、飯の提供まで1分切らないような店には入れないからな」
遅刻「そこはもう少し待てよ! なんだよ1分って、カップ麺もできねーじゃん!」
イラ「いや、できる!」
遅刻「いや、カップ麺っていったらさ、普通お湯かけて3分でしょ」
イラ「いや、俺レベルになってくると、お湯かけた次の瞬間には食い始めてるから」
遅刻「できてねーじゃん! アルデンテにも程があるだろ!」
イラ「なんなら、先に麺食って、後から口の中にお湯注いだこともあるぞ」
遅刻「明らかに順番がおかしいだろ! 本当にそれで食えるのかよ?」
イラ「ああ、お湯注いだ瞬間に口の中火傷したけどな」
遅刻「ダメじゃねーか! ちょっとは冷ませよ!」
イラ「いや、冷めるのを待つ時間が惜しい」
遅刻「流石にそれぐらいは待てよ! まぁいいや、とりあえず店に入ろうぜ」
イラ「おう」
《ハンバーガーショップ入店》
遅刻「いやー、久しぶりに来ると何食べようか迷うなぁ。お前はもう決まってるのか?」
イラ「もちろん。こういうのは悩む時間が一番もったいないからな、いつも注文するメニューは決めてるんだよ」
遅刻「へぇ、そうなんだ。じゃあ、俺もそれにしようかな」
イラ「よっしゃ、なら注文するからな。すみませーん! 『ハンバーガー肉抜きと水』二人分……」
遅刻「待てや!」
イラ「なんだよ!」
遅刻「ハンバーガー食べに来たのに、何でハンバーグの部分抜いてしまうねん! 肉食わせろや肉!」
イラ「いや、だってそこが一番作るのに時間かかるだろ?」
遅刻「それでもハンバーガーの肝はそこやろ! それがなかったらただの『パン』やんけ!」
イラ「おう、そう思ってこの間『パン一人前』って頼んだら店員に首傾げられたわ」
遅刻「そりゃそうだよ! ここパン屋じゃねーし! とにかく、今日は俺と一緒なんやから俺に合わせて普通に頼んでくれ」
イラ「しかたないな、今日は合わせるか」
遅刻「頼むで。すんませーん、注文いいですか? 俺、ダブルチーズバーガーとフライドポテトM一つで」
イラ男「じゃあ俺は、ハンバーガーとフライドポテトのMノンフライで」
遅刻「待てい! なんや、フライドポテトのノンフライって」
イラ「いや、だって、ポテトって揚げるのに時間が一番かかるだろ」
遅刻「だからってフライドポテトをフライドしてなかったらただの『ポテト』やんけ!」
イラ「おう、そう思ってこの間『ただのポテト』って頼んだら生のじゃがいも持ってこられたわ」
遅刻「それは店員が正しいわ! つーか、よくあったな生のじゃがいも!」
イラ「おう、なんかめっちゃ芽とか生えてたわ」
遅刻「それ、観葉植物がわりに育ててあるやつやん!」
イラ「渡してくるとき、なんか知らんけど店員が涙目になってた」
遅刻「それ、絶対その店員が育ててたやつやん! とにかく、ポテトはフライしてくれ」
イラ「しょうがないなぁ、今日だけは合わせるか」
遅刻「いや、これからもフライドポテトは揚げろや」
《注文が届いて二人はテーブルへ》
遅刻「それじゃあ、食べようか」
イラ「おう、何だかんだで結構時間かかったしな」
遅刻「あれからどれだけ経ったんや?」
イラ「丁度30分ぐらいだな」
遅刻「え、マジか! じゃあ、一時からの映画に間に合わんやん。すまん、俺が遅れたせいやわ」
イラ「いや、間に合う!」
遅刻「いや、どう考えても無理やろ! まだ映画館に着いてもないのにもう一時やで!?」
イラ「ほら、何分前行動ってあるだろ? 俺、時間を無駄にしないように、実は腕時計をちょっと進めてあるんだよ」
遅刻「マジか! ということはまだ時間はあるんやな! ちなみに何分位進めてるんや?」
イラ「えっと、30分だな」
遅刻「どこがちょっとやねん! つーか30分って、そもそも俺遅刻してないやんけ! いい加減にしろ!」
二人「どうもありがとうございましたー!」
台本形式は初めてかいたのでなんだか新鮮。