第四章 ランチタイムに瞞着
有山線はまだまだ続く。次は嶋田駅のはずだ。
少し走った後、とてつもない急ブレーキがかかった。
『キキキキキーーーーーーーーッ!!!!!!』
「わーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「なにがおこったんでしょう・・・・・・。」
車掌は走って、運転席へむかった。
五分後、帰ってきた。そして車掌は私に、
「イノシシにぶつかったらしいです。もう、出発しますよ。」
「よかったです。何かと思いましたよ。」
「安心してください。」
「まもなくぅ、嶋田ぁ 嶋田ぁ 嶋田にとまりますぅ」
三分後、嶋田駅に到着した。
この駅は珍しい、私はそう思った。
なぜなら、コンクリート造りの駅だったからである。
周辺は”嶋田川”という川が流れていて、水遊びができる公園がある。あと、数百メートル先に団地も見える。
「弁当ー 弁当はいらんかねー 有山線名物ー 筑前煮弁当ー 幕の内ー」
「すいません、筑前煮弁当1つ。」
「700円頂戴します。」
「はい、700円。」
「まいどあり!」
やっと飯にありつける。駅弁があってよかった。車掌さんのおかげだな。
嶋田駅ではカッターシャツの男が降り、カンカン帽を被った50代くらいの壮年と30歳前後の半そでの服きた男が乗った。みんな駅弁を買っている。
お、向こうの線路から列車がやってきた。すると、タブレット交換を行っているではないか。上下列車の交換を行っているのだな。カメラにとっておこう。
「そのカメラ、ちょっと違いますねェ。フィルムじゃないのですか?」
ギクッ! そうだった。ここは1983年だ。誤魔化さねば。
「あ、ああ、私、カメラ会社に勤めていて、い、今、新型カメラの研究で試用しているんですよ。はい、い。」
「そうなんですかぁ。どういう構造なんですか?」
「ええとですね、ええ、まあ、液晶というやつでフィルムよりもきれいに映るんですよ。あとは発売されてからのお楽しみです。まだまだ欠陥もあるかもしれませんから。」
「ほぅ。いくらくらいを予定してますか?」
「まあ、ざっと十万円。」
「十万円!! 庶民には買えませんねえ。」
「な、なんかすみません。。」
ドアが閉まり、列車は出発した。向こうの列車には『杉本行 FOR SUGIMOTO』と書いていた。しかし、ほとんど人は乗っていなかった。
嶋田駅を離れていく。列車は山の方へ入っていくのだろうか。山の方へ進んでいった。早く飯を食ってしまおう。




