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嵐の夜に

『ちっちゃくても姉上は姉上だった!』を短編として投稿してしまったため、

次話が投稿できなくなった、アホウな作者です。

なので投稿本文もアホウな内容です。

 それは僕が六才、姉上が七才の嵐の夜だった。


 コンコン!


 すでに眠りについていた僕の部屋の扉を、


 コンコン! コンコン! コン……ゴシュ!


 誰かが破壊した音で目が覚めた。

 

「……姉上、どうしたんですか? 鍵なら開いてますよ?」


 扉の前の人物を正確に言い当てた僕は、ベッドから半身を起こし夜中の来訪者を迎え入れた。


「アル…………私、怖い夢を見たの……」


 ノックで扉を破壊する姉上に、怖いものなんてあるのか?


 いまだ覚醒しない脳ででも行き付く答えに、

 でも、


「アル、私、一人じゃ眠れないの……」


 扉の前にたたずむ、お気に入りのクマちゃん(当社日:布の厚さ五倍。綿少な目で、縫い糸は特殊加工したミスリル糸使用)を、心細そうにギュッと抱きしめた姉上がいた。


(ああ、これは……)


 当時の僕は六才。

 すでに母上とも姉上とも結婚できない現実を知った僕だが、家族の愛を忘れた訳じゃない。

 きっと姉上は、レッスンとか訓練で疲れ、不意に寂しさを感じたのだと結論づけ、


「……そんなに怖いのなら、一緒に寝ますか?」


 思わずそんなことを言ってしまった。

 刹那。


「あじがどうアルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」


 ちなみに侯爵家である僕の家は無駄に広い。

 それは僕の部屋も例外ではなく、扉から僕のいるベッドまでは数メートル。

 姉の背丈なら、ゆうに五人分はあるのだが、


「ありがどう! アル大好き! 結婚を前提にお付き合いして下さい!」


 床に穴を空けるほどの踏切で、姉上は僕との距離をゼロにし、クマちゃんをはさみながらも、僕をギュッギュッと抱きしめた。

 メキメキと全身の骨が軋む音が聞こえるが、僕は優しく姉上の頭を撫で、


「うん、なんか姉弟ではありえない台詞は無視しますよ! それ以上言ったら部屋から追い出しますよ!」


 そう言い放つと、


「…………はい」


 素直に抱きしめる力を弱める姉上。

 ここで抱きしめることを辞めないのが、姉上クオリティーだ。


「で、どうしたんです? 怖い夢で見ましたか?」


 ゴロゴロと喉を鳴らしそうなご機嫌な姉上と一緒に、ベッドに横たわり僕と姉上に毛布を掛ける。

 もう、このまま寝たいな、なんて思ってた僕に、


「そうなのアル! 私、物凄く怖い夢を見たのです!」


 姉上はクワッ! と瞳を見開いて僕を抱きしめる腕に力を込めた。

(うん、アバラの二番と三番が逝ったかな?)

 コッソリと治癒の魔法を使う僕に、姉上はボソボソと語り始めた。


「あのね、あのね、怖い夢と言うのがね!」


 そこでスウッと姉上が息を吸った。

 反射的にこれはヤバイ! これは長くなる! っと思ったが、時すでに遅し。


「アルと結婚できない夢なの! だっておかしいでしょ? こんなに愛し合ってる二人が! それで逃げるの! でもでも騎士とか怖い魔物とか襲ってるんだけどアルがぱぱってやっつけるの! その後ルールも法律も無い未開の土地でやっと結婚できるって誓いのキスをする時に、目が覚めちゃうの!何で! もう少しだったのに…………」


「うん。そうだね、(姉上の夢)おかしいね…………」

「そうでしょ! やっぱりアルも(私たちが結婚できないのは)おかしいと思うよね!」

「……うん……そう……だ……ね……」


 眠くなった僕は、適当な相槌を打ちつつ、まだ何かを言ってる姉上の声を子守唄にして眠りについた。


 後日、あの時の話を、全面的に否定しなかったことを、僕は酷く後悔した。

最後までお読みいただきありがとうございます!

初回をしくじったので、このまま短編を出し続けようか?

それとも一回消して連載にしようか迷ってます。

ブクマや評価をしてくれたあなた!

もし突然作品が消えたら、『あいつ、やったな!』っと思い、

面倒だと思いますが、再度ブクマと評価、お願いします。

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