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逆ハーに巻き込まれた幼馴染を助けるために、群がるハエは一匹残らず駆逐します!  作者: 花宵
第2章 テオドール公爵家のエミリオを駆逐せよ!
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第6話 ターゲットその1、テオドール公爵家のエミリオを駆逐せよ

 どうすればティアナを救えるのか考えて、俺はティアナの周りに群がるハエを一匹ずつ駆逐していく事にした。


 ティアナにエリート集団が群がる状況が、令嬢達を嫉妬と憎悪の権化みたいにしているフシがある。それを沈静化するには、引き離すのが一番だ。


 ということで最初のターゲットは、俺に嫌がらせをしてきたテオドール公爵家のエミリオだ。

 勿論理由はそれだけではない。

 ティアナに率先してキツくあたるのがプリムローズ侯爵家のサンドリアの取り巻きの令嬢達だというのも大きい。

 エリート集団の婚約者の中で、ティアナと同じ学年であるのはサンドリアだけだ。ティアナを目にする機会が多い分、火に油を注ぎやすいだろうというわけだ。


 第一王子ハイネルの婚約者、フォックス公爵家のアリーシャ様は、正直そのような事をするお方ではないだろう。正義感の強いダリウスが尊敬し、想いを寄せる相手だし。そう信じたい。

 宰相の子息シリウスの婚約者、シュナイダー伯爵家のユリアは三年生で接触を図る機会がなく、正直よく分からない。

 騎士団長の子息レオンハルトの婚約者、属領であるガルシア公国の第二公女ヘンリエッタは俺と同じ一年生だ。A組のリーダーで、姫のように守られている姿を遠目に何度か見たことがあるが、キツそうな印象ではなかったと思う。


 ティアナが安心して勉強できる環境を作るには、接する機会の多い二年の令嬢達をまずは沈静化させたい。

 というわけで、狙うのはエミリオとサンドリアだ。



 駆逐するには相手の弱みを握る必要がある。

 まず俺は、エミリオとサンドリアの情報を集めてみる事にした。

 とはいえ、お貴族様の事情はお貴族様に聞かねば分からない。

 俺が話しかける事が出来る貴族なんて……居た、アイツだ。

 休み時間に、俺は我がCクラスのリーダー、ゲルマンに話しかけた。


「という事で、ゲルマン様。知らず知らずのうちに不敬を働かないように、エミリオ様とサンドリア様について詳しく教えて頂けませんか?」

「やっと分かってきたようだな、貧乏人! いいだろう、お前が問題を起こせばこのクラスを仕切っているこの俺の責任にもなる。耳の穴かっぽじってよーく聞いとけよ?」


 何故ピンポイントでその二人だけの情報を俺が聞きたがっているのかとか、疑問に思わない頭の緩さがゲルマンの良い所だな。お貴族様の事情を探るには何とも頼りがいある存在だ。良い情報頼みますぜ。


 時折入り込むゲルマンの自慢話をのかして内容をまとめると、エルグランド王国は王都を囲むように東西南北をそれぞれ公爵家が統治しているようで、その中でエミリオの生家テオドール公爵家は北部地方を治めているらしい。

 北と南を統治する公爵家は王家の血筋を引いているらしく、ハイネルとは従弟関係にあたるそうだ。そして双子の妹がいるようで、病気のため今は療養中らしい。

 婚約者のプリムローズ侯爵令嬢サンドリアとは幼馴染で、昔からとても仲が良くて有名だったそうだ。ただルフェーブル学園に入学して半年ほど経った頃から、エミリオがサンドリアと距離を置いているようでその事にサンドリアは心を痛めているらしい。


「魅了魔法でエミリオ様の気を引くなんて、本当に平民はあざといな。サンドリア様が気の毒でならない」


 精神魔法は国を揺るがしかねない危険な魔法だ。それ故、防御対策はかなり厳重にされている。

 普段来ている軍服のような制服には耐性効果の高い素材が使われているし、入学の際必ず持たされるブレスレットにしても高い耐魔効果があるはずだ。

 それを無効にする程の魔法をかけ続けるなんて、まず無理な事だ。どれだけの魔力を持ってしても不可能な事がすぐ分かるだろうに。


 それに、ティアナの魅了魔法をかけれる対象はあくまで物だ。

 その物自体が持つ魅力を高めるだけで、媚薬みたいに誰かを惚れさせて操る魔法じゃない。


 仮に魅了魔法をつけた何かを常時身につけていたとしたら、男女構わずその魅力を素晴らしいと思った者だけがティアナの周りに群がるはずだ。

 ピンポイントでエリート集団四人だけに効くなんてことは、まずありえない。

 それをよく知らないから、周囲はティアナがあいつ等に魔法をかけて操っているとでも思っているのかもしれない。


 これ以上有意義な情報は見込めないと踏んだ俺は、適当にゲルマンの話を切り上げさせて次の作戦に移った。

 エミリオがサンドリアを避けるようになった理由。そこに少なからず弱みを握る何かがあるはずだと考える。

 それを探るために、早速調査開始だ。

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