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邪龍神機 イオス・ドラグーン  作者: 九頭龍
第三章 激戦・熱戦・超決戦!/黄衣の王誕生
47/95

3-4

 四つの影……四体の白騎士は、他のそれとはどれも違っていた。

 そのうち二体は白地の上にそれぞれ真紅と藍色のラインが入っている以外は、同型の大きな翼を背に持った、まるで天使のような姿だ。

 もう一体は他より巨大な体躯と腕を持ち、最後の一体は逆に小さく背中に大きな塊を背負っていた。


『よもや、これ程の力を有していたとはな……邪龍とはいえ、流石は我等が光龍様と並ぶ存在だな』


 巨大な白騎士から聞こえる声は、発する言葉とは逆に落ち着いている。少なくとも、ドラグーンの攻撃を見ても動揺した様子は無い。


『だが、それもここまでだな! 貴様は我等五聖輝将がここで討伐する!!』


 藍色の方の天使がこちらを指差し、やや感情的な声で叫ぶ。


『そうか……あんたら、あのボガードと同じ五聖輝将か』


『貴様っ! 義兄上の名前を気安くっ!!』


『なんだ、ボガードはお前の兄ちゃんだったのか? はは、悪いな。ここの所、ずっと一緒だったから、つい気安くなってしまってね』


『何っ!? 義兄上は生きているのか?』


『いや……死んださ。カケナの森で俺と戦ってね』


『貴様っっ!!』


『頭を冷やせ、アクエイド。邪龍の戯言じゃ、一々真面目に受け取るでない……さて、それでは早速終わらせるとするかの?』


 小柄な白騎士がアクエイドと呼ばれた藍色の白騎士を止めると一歩前に進みでる。


『へ〜……五聖輝将ってのは戦う前に、正々堂々名乗りをあげるものだと思ったが、ボガードだけだったか』


『ふん、下らぬ挑発だが、あえてのってやろうではないか。皆、良いな?』


 隙を誘う為の軽口もあっさりと返された。もしかしたら、この小型白騎士の操手、この中で一番厄介かもしれない。


『俺は《雷滅のゴブル》』


『《凍土のアクエイド》、貴様を地獄に落とす名だ、覚えておくがいい!』


 巨大な白騎士に続いて、アクエイドが高らかに言い放つ。感情的になりやすい分、こちらは比較的やりやすいかもしれない。


『《焦土のフレイア》だ』


『なるほど、そっちは女の子か』


『ふんっ、あまり私達を舐めるなよ、坊や』


『そして、儂が《金剛智略のダイトル》よ。ほっほっほ……邪龍よ、ブエラリカでは世話になったのう』


 ブエラリカと聞いて、王弟ブライドとゴッチェ商会がすぐに浮かんだ。


『そうか……お前があの騒ぎの黒幕だったって事か、ダイトルッ!!』


『うむ、貴様と駒達のおかげで良い実験が出来た』


『駒だと……実験だと……命を何だと思っているんだっ!』


 ダイトルと俺との距離はさほど開いてはいない。俺は、一気に跳躍するとダイトルの胸目掛け拳を撃ち込んだ。


ーーギャッン!!ーー


『何っ……!?』


 必殺の意思を込めて放った攻撃は、しかしダイトルには届かなかった。ダイトルの背面にある塊が分離すると、ダイトルの前面に回り攻撃を防いだのだ。

 その様は、まるで浮遊する強固な盾だ。


『ほっほっ、驚いたか? さらにこういう使い方も出来るぞ』


『くっ!』


 俺の拳を止めていた盾が瞬時に大きく変形し、まるでワニの口の様な形に変わると、そのまま俺の腕を咥え込んだ。

 咄嗟に後方へ飛ぼうとするも、見透かしたかのように、反対方向へ盾が動きバランスを崩す。


『それでは、お別れじゃな』


 同時に左右からフレイアとアクエイドの回し蹴りが襲う。俺は咄嗟に、浮かぶ盾を支えに空中に身体を持ち上げ回避した。

 その攻撃自体が罠だったかのように、回避し身動きの取れない俺へ、飛び上がったゴブルの巨大な拳が上から降ってくる。

 

『うぉぉぉ!』


 身体の向きを無理矢理変えると、自由な片腕で何とかいなし受け流す。ゴブルの拳が掠った甲殻が、バキバキと音を立てて引き剥がされた。

 身体を丸め、食らいつく盾を両足と片腕でこじ開けると、後方へ飛び距離を開ける。


『ほう……仕留めたかと思ったが……俺の拳をよくぞ躱したな』


 ゴブルが関心したように言う。確かに……掠っただけで、あの威力だ。直撃していれば、ドラグーンといえど無事とは言えなかったろう。


「流石に……五聖輝将四人同時は厳しいな」


「ふん、ならば白旗でも上げてみるか?」


「いや……やれるだけやってみるさ。それに、手強いとはいえ、ボガードに比べれば、数段遅いっ!!」


 再度、五聖輝将に向かい突撃する。俺の動きに合わせるように、先と同じくアクエイドとフレイアが、ほぼ同時に蹴撃を放ってきた。

 アクエイドの上段蹴りを、フレイアの中断回し蹴りを、それぞれ片腕で掴み受け止めると、その勢いを利用してアクエイドを斜め下に投げ下ろし、フレイアへぶつける。

 そのまま前方のゴブルに近づき、打ち出される正拳突きを半身ズラして躱す。轟音をたて過ぎる拳を掻い潜り、ゴブルの胴に拳を打ち込む。流石に重いが、わずかに浮いたゴブルに、身体を回転させ鞭のようにしならせた尾を当て吹き飛ばした。

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