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あったかもしれない物語。

作者: 癒月

××××年______

ヒーローという職業が出来た。

人を助けるために。


ヒーロー達はその仕事を全うした。

最も典型的な悪の組織を倒すことで。






むかーしむかし、あるところに一人の女の子がいた。

その子は、世間的には悪と言われてる男が父親だった。

男は少女に優しかった、悪の親玉だなんて嘘のように。

世間一般で言う「優しいお父さん」の様に。







ある国の外れにある廃墟跡に家が建っていた。決して大きくもなく、小さくもなく。みんな、幸せに暮らしていました……あの時までは。



カーテンの隙間から、朝日が差し込んでいるベッドの上でスヤスヤと幸せそうに眠っている少女がいる。

突然コンコンと扉をたたく音が聞こえた。その後に男の声で


「アリサ、朝だよ。起きなさい」


その声と音を聞いた途端そろりと瞳をあけた、少女…アリサ。髪は長く、漆黒で艶があり、瞳は琥珀色で今は眠いのかタレていて、まつ毛は長く、頰はピンク色をしている。アリサは欠伸をかみ殺しつつゆったりとした動作でベッドから降り始めた。


「んっ…しょ…んしょ……」


床に足をつけたアリサはトテトテと音がつくくらい可愛らしい動作で扉の側へ行き、その小さな両手でアリサの5倍ほどの大きさの扉を開ける。そして、男の顔を見た途端眩いばかりの笑顔を見せた。


「おはよーございます!ゆぎり!」


「ん、よく言えました。おはよう、アリサ」


男はアリサの頭を優しく撫でながら答えた。それをアリサは嬉しそうに受け入れ、抱きつくように体を寄せた。

向かいから女がヒールの音を響かせ歩いてくる。その音に反応した2人は顔を見合わせ、そしてクスリと笑った。


「もー!ユギリさんってば、いつまでアリサちゃんとイチャイチャしてるんですか〜!早く来てくださいよ?朝ごはん食べ損なっちゃいます!」


男…ユギリの方に顔を向けちょっと怒ったような表情を見せながら冗談めいたことを言う女。一通り言いたいことを言ったのか、両膝をついてしゃがみこみ、アリサと目線を合わせて女はにっこりと笑った。


「おはよう〜アリサちゃん!今日のご飯は貴女の好きなフレンチトーストですって!」


「ほんと?やったあ!教えてくれてありがとう!りさちゃん!」


「こら、アリサ?リサちゃんにご挨拶は?」


アリサはハッとしたように、女…リサの足元に抱きつき、恐る恐る下から覗き込んだ。


「あ、…えっと…おはよう!……あいさつ忘れちゃってごめんね…?」


「ふふ、大丈夫よ。さあ、食べに行きましょうか」



3人で楽しそうに話をしながら、ダイニングがある部屋の方へ歩いて行った。ダイニングにつき、いつもの騒がしさがないことに気付いたユギリが怪訝な顔をして目線だけを女の方に向ける。リサは何かを心得たようにコクリと頷いた。アリサが敏感に何かを察しユギリの服を握りしめる。

それに気づいたユギリが優しく自身の服を握っているアリサの手を外し、手を離さぬようにしっかりとつないだ。そして、アリサの頭を安心させるように優しく撫で、覚悟を決めたように扉を開いた。



突然、発砲音のような音が火薬の匂い共に聞こえた。アリサはビクリと震え、縋るようにユギリの手をぎゅうっと握りしめる。

次の瞬間


「「「「happy berthday!!アリサ(ちゃん)、ユギリ(さん)」」」」


声が重なって聞こえた。状況が読めず、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしているユギリと、はてなが頭を飛び交っている様なアリサ。そんなユギリの表情を見て笑いをこらえきれず、大声で笑っている男に、そんな男を批難するような表情をしつつ、己も笑いをこらえられず、にやけ顏の女。

そんな2人を見て諦めたように首を振っている男と、いつの間にか移動したのかそれを慰める様に肩に手を置き、ため息をはいているリサ。


「くくっ…どんな時でも…っ…冷静で、表情を…くくっ変えねぇ…っユギリ様が…ははっ…あーおもしれぇ…」


「ちょっと、トーマ!?……ぷっ……あーえっと…っその…ユギリに失礼だって…!…っふふ…」


「〜〜〜っ…はぁ…やれやれ、…マユさんとトーマさんを抑えるのは無理だったか…」


「…あっちゃー…やっぱりこうなったかー…おつかれさま、サキト…」


さっきまでの緊張感が嘘のように、一瞬で騒がしくなるダイニング。その空気に、ユギリは表情を緩め、未だに状況が把握できていないでいるアリサを抱き上げ幸せそうに笑う。ユギリのそんな表情を見たアリサはトーマ、マユ、リサ、サキト、最後にユギリの顔をしっかり見て………


「……っ…………、…」




薄暗い部屋の中、月明かりに照らされて壊れかけのベッドのでうずくまっていた女が急に顔を上げ、今にも悲痛な叫びをあげそうな表情で、音を立てずに泣いている。あぁ、なんと美しいことか。艶のある漆黒の髪に琥珀色の瞳、涙が月明かりに反射してキラキラと光って、強い憎しみの炎が宿っている。


「…っはぁ………だめよ、まだ…」



女は意味ありげな言葉を残し、震える自身の体を押さえつけ、また壊れかけのベッド上にうずくまり、暫くして動かなくなった………



読み辛かったですよね、すみません。

この文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。


少しでも続きが気になってくれたのなら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読ませていただきましてありがとうございます。 主人公も見分けることができて、楽しかったです。 アリサちゃんが可愛いと、パソコンの前でつぶやいてしまいました。お時間がおありでしたら是非、…
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