chapter6,勇者と魔王の物語
chapter6,勇者と魔王の物語
太陽が昇り、スズメ達がチュンチュンと囀り合う朝。
その囀りで目を覚ましたシンは、その天井が普段の見知った自分の部屋のものではないことに一瞬驚き、そして、昨日あった出来事を思い出して、ここが異世界のオルトクレイグランドにある王都の宿屋であることを思い出して少し息を吐く。
その後、下の階の食事処の隅に設置されてある洗面台で顔を洗い、側に置いてある真っさらなタオルで顔を拭き、朝食を用意していた女将のミナに起床の挨拶をして朝食を頂く。
そして、朝食を食べ終わった後、食後のお茶を頂いていたシンに、女将が1枚の紙を差し出した。
「シンさん、これはこの王都の街並みを簡単に記した地図です。この真ん中にある城の絵が王城で、その斜め前に描かれている神殿の絵が王立神殿を表しています。そしてこのスズメの絵がこの宿を表していて、神殿の場所へ行くにはこの大通りの市場の坂道を真っ直ぐ登ればいいですよ。」
「なるほど…。この広い道は市場になっているんですね〜。」
女将は手作り感がある地図を指差しながら場所の説明をした。そして地図に描かれているデフォルメされた城や神殿、スズメのイラストを指でトントンと叩きながら広い道が描かれている所を指で辿る。
説明が終わり地図を折りたたんだ女将は、その地図をシンの手に持たせた。
市場があると聞いたシンはそこで今後生活するにあたって必要なもの…例えば、服や下着などを買っておこうと思いながら席を立った。
そしてシンは宿屋を出て朝日が照らす街の中へと歩き出したのだった。
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「さー、いらしゃいっ!今朝届いた新鮮な野菜と果物だよー!そこの綺麗な奥さんっ!お一つどうだいっ?」
「そう?だったらそのリゴの実を三つとタースの葉を一つ頂いていこうかしら?」
「まいどー!リゴの実は一つ60ギルでタースの葉は一つ150ギルだよ!オマケしてリゴを一つ入れとくよ!」
市場には活気が溢れ、早朝にも関わらず、多くの客が商品を求めて練り歩く。
シンが歩いているすぐ隣では、八百屋の様な店の中で中年の女性がリンゴに似たリゴの実とレタスに似たタースの葉という商品を買い求めていた。
これらはゲーム時代にも食材として販売されていた。食材を組み合わせて作成した料理はゲーム中では回復薬の代わりになったり、ステータスを上げる効果やその逆にステータスを下げる効果を与えたりしていたのだ。
八百屋と女性の様子を脇に見ながら、シンは田舎者が都会に出てきたかの様にキョロキョロと辺りの店を見て歩く。
途中で衣料品店を見つけ、そこでインナー様に黒いロングティーシャツと半袖シャツを2〜3枚と、下着類やタオルなどを購入し、その隣の雑貨店では、歯ブラシやタオルなどの雑貨などを購入し両手に抱える程の荷物を抱えてシンは店を出た。
そして、それらの荷物を持って歩くのは大変だと思ったシンは、店と店の間の裏路地に身を滑らせると、そこで全ての荷物を召喚異次元の中へと移動させ、再び手ぶらになって市場の通りの坂を歩いて行った。
シンがわざわざ裏路地まで行って隠れるように荷物を異次元に移したのには理由があった。
その理由とは、前日の夜にルインの両親から王立神殿の事などを聞いた後、付け加える様に話された話だ。
…曰く、この世界において回復魔術に限らず、“魔術”と呼ばれる人知の及ばぬ力を扱う者は非常に少なく、殆どの魔術師がこの世界に5ヶ国ある各国の国賓級魔術師として召し抱えられており、もし誰かに魔術を使っていることを見られると、いらぬトラブルに巻き込まれることがあるそうだ。
例えば、悪人に言いくるめられ、いつの間にか犯罪に手を染めていたり…、現在の王国に所属している1部の魔術師が自分の権威が脅かされないように自らの権威を振りかざして一般の魔術師を捕らえて罪人にしたてあげたりなどetc、etc…。
その様な理由から、召喚魔術などの完全に人知を超えた力を市場の人混みの多い所で使えばいらぬトラブルを巻き起こすかもしれないと判断したシンは、わざわざ裏路地に身を潜めて商品を異次元に移したのだった。
ちなみにルイン達宿屋の家族は、シンは回復魔術と剣術が扱える特殊な冒険者であるというイメージが定着しており、シンの職業が召喚騎士だということは知られてはいない。
「ふーっ!到〜着っと!…いや〜、改めて近くで見ると迫力ある城と神殿ね〜…。」
坂を登りきって目の前に悠然と建った巨大な白亜の建造物が現れた事にシンは感嘆の声をあげる。
街の入り口から見えた通り、城の斜め前に王立神殿が存在し、城の周りには街を囲っていた巨大な壁と同じく強固な壁がぐるりと城を囲み、その入り口には金や銀で造られドラゴンの細かな装飾が施された優美な巨門がその城を堅牢に守っていた。巨門の左右の端には門番の衛兵が白の揃った騎士服を身に纏い、槍を手に持ってピシリと立っていた。
(おー!本物の騎士だー!)
ゲームの中にも騎士の格好をしたプレイヤーは多くいたが、実際にこうして城を守っている本物の騎士を見ると、言い知れぬ感動があった。
シンは騎士達をチラ見しながら、本来の目的地であった王立神殿・レムリウスへと歩みよった。
神殿は城よりは小さいが、それでも建造物としては巨大であり、屋根の頂点には金色に光り輝く鐘が存在した。
入り口の扉も巨大で、人3人分の高さがあり、木でできたその扉を銀細工で縁取っていた。
その立派な扉を押し開け、思ったより軽いその扉に吃驚したシンは、神殿の中を見てさらに驚いたのだった。
神殿に入ってまず目に付くものは、一番際奥の祭壇に鎮座している大きな像3体だ。
まず、真ん中には翼を広げて祈りを捧げている様なポーズで立っている美麗な女性の像があった。おそらくこの女性の像が女神・オルトクレアなのだろう。
そして、その女神像の右側には鞘に収めた両手剣を地につけて、その柄の部分に両手を置いた黒の鎧を纏った厳格そうな面立ちの老騎士の像が立っていた。
また、左側には真っ白なユニコーンに跨って片手剣を高々と振り上げ、胸の部分にワイバーンのシルエットの様な絵が描かれている金の鎧を着た若い騎士の像が立っていた。
像の後ろには色取り取りのステンドグラスがあり、そこから太陽の光が降り注ぎ、3体の像を神秘的に照らす。
神殿の中心スペースには、真ん中に少し幅広の道を空けて長椅子が左右にずらりと並び、早朝にも関わらず点々と祈りを捧げる人達が見受けられた。
さらに、右の壁の方には、手紙のような紙が立派な金の額縁の中に納められ、その横に銅のプレートで説明文の文字が記されており、左の壁の方には前方に祀られている騎士像の2人の肖像画がこれまた立派な金の額縁の中に納めらていた。
「うひゃー…、立派〜!………しかし、この若騎士の金の鎧、どっかで見たことあるような〜…。」
シンはスタスタと神殿の長椅子と長椅子の間の少し広い道を歩いて像の前へと立った。
そして、現実の世界ではお目にかかれない程、立派で美麗な像達を見上げながら感嘆の声を上げる。
その時、左側にある若騎士の像が身に纏っている金の鎧を見て、何処かで見かけた鎧の様に感じたシンは、その場で腕を組んで考え込み出した。
(うーん…、金の鎧にこの模様……、あーっ!?思い出したっ!!この鎧は聖騎士職の限定鎧の『ハイドラールの金鎧』だよね?…っていうか、なんでこの像の人がこの鎧着てるの?これってゲームの世界の鎧のはずだよね?)
『ハイドラールの金鎧』…、それは、ゲーム・クレイグランド内のある上級討伐クエストにおいて、上級ボスモンスター『金竜ハイドラール』という黄金のワイバーンを討伐し、ドロップされた金竜素材と呼ばれる素材を集めてそれらを武具錬成所と呼ばれる場所に持ち込んで、多額のお金を支払う事で得られる鎧だ。
シンの所有する『鎧銀狼シルバーアームズフェンリルの鎧』を得る特殊クエストに追随するほど、そのハイドラールから素材を得るクエストは非常に困難なものである。
というのも、ハイドラールはレベル500程のプレイヤーでなければ倒せない強モンスターである。そのため、そのレベルに達するために膨大なレベル上げとステータスアップの時間が必要なため、まず古参プレイヤーの中でもそれなりにやり込んでいるプレイヤーしか討伐クエストを受けられない事が理由の一つ。
さらに、そんな高レベルで強モンスターから『金竜の竜頭』『金竜の強翼』『金竜の硬鱗』『金竜の長尾』『金竜の鋭爪』という5つ部位の素材を集めなければならず、しかもその部位素材はランダムでドロップされるため、各部位を集めるために何度もハイドラールを討伐する必要が出てくる事もあるのだった。
そんな非常に面倒な工程を経て素材を集めきっても、その後に武具錬成する際に1億ギルという莫大なお金が必要になるし、さらにその武具は騎士の上級職の聖騎士という職業のプレイヤーにしか装備できないという為、ある意味で聖騎士限定の特殊クエストにしても良いものだが、何故か一般の上級クエストとして存在していた謎クエストと呼ばれるクエストで得られる鎧だったのだ。
そのハイドラールの金鎧を身に纏った騎士像の前でシンが不思議そうに唸っていると、背後から落ち着いた雰囲気の眼鏡を掛けた神父風の男性が声をかけてきた。
「お嬢さん、どうしましたかな?先ほどから何やら難しそうな顔でいますが…。」
「えっ?…っと、すみません。このユニコーンに乗った騎士の像の人が着ている鎧に見覚えがあったもので…。あー、私は訳あって冒険者をしながらこの世界や勇者、魔王といった事について調査をしています、名前をシンという者です。」
シンはスズメ亭の一家に説明した様な嘘の混じった自己紹介をすると、ぺこりと一礼をした。
そんなシンの挨拶を見て、眼鏡の男性はほんの少し驚いた顔を浮かべると、すぐに微笑みを浮かべてシンの挨拶に応えた。
「これはご丁寧にどうも。私はこのレムリウスで司祭を勤めております、コルトと申します。冒険者の方がこのような神殿にいらっしゃるとは、珍しいですね。」
「そうなんですか?」
「ええ。冒険者の方の多くは腕の立つ方達ばかりで、このような静かな場所は苦手な方が多いようですね。そのため、冒険者の方が神殿に立ち寄ったという事にほんの少し驚いてしまいました。」
コルトと名乗った司祭の男性は微笑みながらシンにそう告げた。
「あの…司祭様。一つ、お願いがあるのですが…。」
「お願い…ですか?いったい何でしょうか?」
「実は、世界の事や国のこと、魔王や勇者の話を聞きたいのなら、この王立神殿の司祭様に尋ねれば良いと聞いたのですが、今からお話を聞く事はできますか?」
シンがこの世界の話について話が聞けるか司祭に尋ねると、司祭は困った様に微笑んで答えた。
「申し訳ありません、シン様。今朝は少し先約の方がいらっしゃるのですよ…。昼からならば時間が取れますが、いかがでしょうか?」
「あー、そうでしたか。わかりました。では、昼頃に…」
「コルト司祭様。そちらの方の願いを優先してくださって構いませんよ。」
時間の都合が合わないので、時間を変えて話をしようと言った司祭に、シンが了解の返事を告げようとすると、その言葉を遮るように凛とした美しい女性の声がシンの背後から響いた。
その声の主を確認するためにシンが背後を振り向くと、銀色のロングの髪の上にツンっと尖った三角の獣耳を持ち、お尻の部分には同じく銀色のフサフサな尻尾があるクールビューティーという呼び名が似合いそうな20代の狼の獣人族の女性が立っていた。彼女は身長もシンより若干高く、軽くシンを見下ろしていた。
白のカッターシャツと黒のスラックスのような服を着用しているところを見ると、一見普通の一般人のように見えたが、彼女のその両腕には手枷が填められており、異様な雰囲気を醸し出していた。
シンは女性が手枷を填めていることを見て驚き、女性の顔と手枷を交互に見て、何故女性は手枷を填められているのかと疑問に思っていた。
そんなシンの驚いている様子を見た女性はクスリと笑うと、申し訳なさそうに自己紹介を始めた。
「驚かせてしまったようで、申し訳ありません。私はルファと申します。見ての通り、罪人です。」
「え…っと、私の名はシンです。冒険者をやってます。」
ルファと名乗った獣人族の女性はさらりと自らを罪人であると自己紹介し、そんなサバサバした女性の様子に若干混乱したシンは、つられて自らの名を名乗った。
そして、ルファの言葉を聞いた司祭は、困った顔を浮かべて言葉を紡ぐ。
「ルファ様…、貴女の罪は冤罪であるとセレーナ姫が手紙で申しておりましたよ。なぜ、王様は勇者様のお言葉ばかり聞くのかと非常に嘆いておられる様子でした。」
「司祭様。私もできる限り審議の場で無実を訴えましたが、現状ではこの通り…有罪であると見なされてしまっているのです。もう、どうしようもないのですよ。…今日の礼拝は最後になるかもしれないと思い、司祭様のお時間を頂いておりましたが…、私もシン様のように勇者様の物語をお聞きしたいので、是非シン様の願いをお聞きください。」
ルファは司祭と知り合いのようで親しげに会話をしていた。そして、どうやら今朝司祭の時間を予約していた人物はルファのようだった。
シンにはルファと司祭の会話の内容は分からなかったが、流れを聞いて推察すると、どうやらルファはこの国の姫様と関係があり、さらになにやら無実の罪を課せられたようだった。
「そうですか?ルファ様がそう願うのならば、お話を致しましょうか…。さて、どの話がいいですかな…。」
「シン様はどの様な話がお聞きしたいですか?」
司祭が話の内容について悩みの声を発すると、ルファが横からシンへと話の希望を尋ねる。
「そうですね…、じゃあ、勇者と魔王の物語の様な話があれば、その話をお願いしたいです。」
「物語…でございますか?子供達に聞かせる様なお話しですが、本当によろしいので?」
「はい!むしろ、その方が分かりやすくて良さそうですから!」
「分かりやすそう…ですか?きっとシン様も子供の頃に聞いた様な物語だと思いますが…。」
「ふふっ。シン様は面白い方ですね。ですが、私も子供の頃の様に勇者様の物語を聞くのはちょっと楽しみです!」
「ルファ様まで…。しかし、願われたのならばお話し致しましょう。では、そこにお座りください。……昔々…。」
物語を話してもらう事を望んだシンに不思議そうな顔を浮べた司祭は、ルファの後押しも聞いてほんの少し苦笑を浮かべると、この世界の勇者と魔王についての物語を語りだしたのだった。
ーーー
昔々、遥か昔。
女神オルトクレアは、この世界オルトクレイグランドを誕生させた。
そして、人族や獣人族など様々な姿の人間と動物や植物、魔獣など様々な生き物をその世界へ生み出した。
生き物達は命の限り精一杯生き、そして命が潰えるとその身を大地へと捧げ、また新たな命が誕生するという、平和な世界が広がっていた。
そんな平和な世界に、ある日突然闇が訪れた。
闇の名は魔王グラダナス。
魔王グラダナスは魔族という闇の兵士を引き連れて魔獣達をも従え、この世界の生き物達の命を奪って行った。すると、たちまち世界の半分は草や木や生き物さえいない、暗黒の国へと変わってしまった。
女神オルトクレアに生み出されたオルトクレイグランドの世界の生き物達は嘆き、このまま世界が滅んで行くのを見ているしかないと感じていた。
しかしその時、一人の人間の男が立ち上がった。
男の名はセラス・セレヌディア。
彼は、黒の鎧を見に纏い、そして女神が造ったとされる伝説の両手剣【ドラゴスレイヤー】を手に持って、一人で魔王に立ち向かった。
魔王との戦いは7日間続き、7日目にセラスが放った最後の一撃によって、魔王グラダナスは膝をついた。
「人間が我に立ち向かったのは褒めてやろう。だか、我は傷を治し、再びこの世界を闇へと変えよう。」
瀕死の様子の魔王はセラスにそう告げると、黒の煙に姿を変えて霧散してしまったのだった。
こうしてオルトクレイグランドに再び平和が訪れ、セラス・セレヌディアは人々に勇者と讃えられ、第一の国・セレヌディア王国の国王となった。
そして、オルトクレイグランドには魔王に対抗するために五つの国が造られた。
第一の国は初代勇者の国
セレヌディア王国。
第二の国は獣人族と獣族の国
バロウガル獣王国。
第三の国は強い戦士達の国
ゴルトバル帝国。
第四の国は深海の水人族の国
ウォルター海王国。
第五の国は草原と森林を統べる国
フォリア緑王国。
この5ヶ国は世界の平和のために協力して存在していた。
しかし、国が造られて1000年が経った頃、人々は魔王の恐怖を忘れ、平和への感謝の心を無くして、国同士で領地の奪い合いの戦争を起こし始めた。
そんな荒んだ世に人々の心は闇を帯び、その闇の心の力を糧に、魔王グラダナスは復活を果たしたのだ。
魔王は再び魔族の民を束ねると、たちまち世界の三分の一程を命の無い暗黒の地へと変えてしまったのだった。
人々は国同士の争いをすぐに止めて、協力して魔王軍へと立ち向かったが、長引く戦のせいで疲弊していた人々には魔王軍に打ち勝つ力は無かったのだった。
勇者セラス・セレヌディアの血を引く10代目セレヌディア国王も、初代勇者が用いた両手剣ドラゴスレイヤーを手に持ち、魔王軍へと立ち向かった。
だが、初代勇者程の勇気も度量も力も持ち得なかった10代目セレヌディア国王には魔王軍の尖兵にすら刃を立てることが叶わなかった。
そして魔王が世界の半分を再びその手中に収めて、オルトクレイグランドの世界の住人達が世界の終わりを覚悟していたある日、純白のユニコーンに騎乗して、黄金に輝く鎧を身に纏った1人の青年がセレヌディア王国へとやってきた。
青年の名は、アトラス。
アトラスは、この世界の事も文字や文化の事も知らない子供の様な人物だったが、様々な人々と交流して行く事により世界の事や現在の事を知り、旅をしながら腕の立つ冒険者だった魔術師のペールとフォリア緑王国のエルフの姫であるソレイヌを仲間にして魔王軍や魔王へと立ち向かって行った。
3人の力と各国の兵士たちの力によって魔族の軍は破られたのだった。
ペールとソレイヌは自らも負傷しながら他の負傷した兵士達を救うために魔王討伐軍に残り、ただ1人、アトラスだけが魔王へと立ち向かった。
初代勇者との戦いにより力が衰えていた魔王はアトラスとユニコーンの愛馬・タナトスによって打ち倒され、アトラスが所有していた『魔封じの宝玉』と呼ばれる封印魔石に封じられたのであった。
アトラスはこの世界を魔王の魔の手から救い出し、新たなる勇者として人々に讃えられた。
人々は2人の世界を救った勇者を讃えるために、セレヌディア王国の神殿レムリウスに女神の像と2人の像を造り、女神と2人の勇者達を讃える祈りを捧げる様になった。
こうして再び世界に平和が訪れ、人々は幸せに暮らしたのだった。