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葉山高校の日常  作者: s.s.t
第一話
4/10

三人目 ― 河津慎也は憧れる

 「葉山高校の日常」第一話、三人目の河津慎也君です。

 一人目と二人目は人間性のベクトルが残念な方向に傾いていますが、彼はどうなんでしょうか?


 私は彼が好感の持てる青年だと思うのですが、皆さんにもそう思って頂けると幸いです。

 突然だが、「の中のかわず」という言葉は諸君も聞いたことがあるだろう。そして知っている者は知っているだろうが、この言葉には「大海を知らず」という文句が続く。

 井の中の蛙、大海を知らず。要は狭い世界に閉じこもって外にある広い世界を知らないという意味。後ろを省略して前の句だけで見識の狭い人間を指すことが多い。

 

 私は葉山高校という場所も、一つの井戸だと思っている。

 高校生になって少し気が大きくなって、しかも同年代の少年少女よりも優れた学力を有していることを保証されているためか、葉山高生は若干この「井戸の中の蛙」になりやすい傾向が見られる。本人達の間では広い視野を持っているつもりなので余計に性質たちが悪い。

 なるほど確かに、奴らは他の高校の生徒より賢いかもしれない。見聞を広めようと、世の中の動きにも目を向けているかもしれない。

 だがなあ、たかだか高校生が政治や経済の話をしても、私から見れば、いや、大人から見ればそれはごっこ遊びだ。

 所詮は高校生。ニュースで目にしない政治家の名前さえ知らないし、経済学の初歩を社会科目から断片的に学んでいるに過ぎない。奴らが仲間内だけで議論を交わしてもまさに井戸の中、大して実のある話ができる訳でもないのに偉くなった気分でいる。


 ……私の話を聞いてくれている諸君の中に何人の大人がいるかは知らないが、最近の子供達には腹が立たないか? 

 奴らは大人を舐めている! 特に我が校の生徒達と来たらもう、何なんだあいつらは!

 ちょっと将来の展望が見えたからって、ちょっと教師に匹敵する知識を手に入れたからって、もうその辺りの大人より優秀になったつもりか!?

 良い大学入って大企業に就職するから安月給のサラリーマンより偉いとか、高校の勉強が完璧になったぐらいで教師と差が無くなったとか、阿呆か! 人生経験からして違うんだよ! 

 本来年長者っていうのは、たった数年の違いでも確かな経験の差が、視野の違いが存在するんだ。

 それだけで尊敬に値するんだよ。お前らは見せかけの実力主義とか親世代の過保護で外界の刺激から守られてるんだ。

 教師なんてその良い例だよ! PTAのせいで生徒に強く当たれないせいで、奴らは私達を弱い人間だと誤認するんだ。

 本当はな、大学卒業したての新米教師だってお前らに口論で負けたりしないんだぞ! 教師としての立場と大人としての立場から引いてやってるんだ。

 世の中の大人なんて本気になれば誰でもお前らをへこませる力ぐらいあるんだよ! 青二才どもが! ウェッ、げほ、げほ!




 …………あー、あー、すまない。少々取り乱した。

 どうも語り出しに愚痴を入れると口の回りが良くなるようで、ついついこぼしてしまう。

 

 ごきげんよう、私だ。鷹田英理子だ。

 若々しい美人でありながらベテラン教師の風格を漂わせていると評判の鷹田先生だ。

 さっきの愚痴はあれだ、周りの先生がよくそういうことをぼやいているんだ。私はまだまだ若い年齢ながら、そういう生徒達と年の離れた先生方の心境も理解できるのでね。決して私自身が既に生徒達と隔絶された年齢差に到達してしまっているのではない。誤解しないでくれ。

 

 うん、それでは今回の人物の紹介に移ろうか。話題転換で誤魔化している訳じゃないぞ?

 今回は河津慎也かわつしんやという男の話だ。

 葉山高校三年生、十七歳のA型。


 こいつは前回の平田なんかとは全然違うぞ。プロフィールからして天と地ほどの差がある。

 陸上部の部長で、エース。三年生四月の時点で、一・二年時に全国大会に出場した実績がある。

 専門種目は競技人口が比較的多い100m走。もちろん他の短距離種目も部の誰より速い。

 前回ちらっと話したが、葉山高校に時々入学してくる勉強も運動もできるタイプだ。個人種目、身体能力勝負という性質上強豪校に行く必要性も低いし、少々苦労したようだが葉山高校に合格するだけの学力もあった。


 人当たりがよく、後輩には「頼りがいのある先輩」「すごい実績のある先輩」と評価され人望を集めている。

 河津の同級生もだいたい同じ認識で、勉強ばかりの自分達には無い才能を持った人間として見られ、特に運動部の生徒からはある種の尊敬の念さえ抱かれている。

 周りから見ればまさに文武両道、さらに人格者と三拍子揃った好人物だと言えるだろう。



 ――そう、周りから見れば。

 河津の様なタイプは葉山高校には一学年に数人いる程度で、ましてや全国大会に出られるほどの実力を備えている生徒は数年に一度入学するかしないかというほど希少だ。

 故に、河津を深く理解できる奴も、その内面を想像できる様な奴もいない。


 まあ、私には奴の心の内が何となく分かる。

 河津に限っては私の経験上同じタイプの生徒と深く関わったことは無い。しかし、私には分かる。少なくとも想像はできる。

 それは何故かというと、私が大人だからだ。狭い世界に閉じこもらず普通に生きてきた大人ぐらいに視野が広ければ、こういう奴の考えそうなことは分かるものだ。

 

 だから語ろう。

 河津もまた、あの馬鹿と関わった一人だ。河津という人物を深く知ることは、今後の物語を面白くするかもしれないし、そう悪いことじゃない。


 舞台は河津が三年生になった四月の下旬、葉山高校の運動場。サッカー部、野球部、陸上部が主に利用している。

 河津があの馬鹿と初めて出会った場所、正確に言えばニアミスした場所だ。


 

 ある日のこと、河津が授業後のHRを終え放課後の運動場に行くとそこで騒ぎが起きていた。

 その騒ぎというのはもちろん、前回平田が華麗に素通りして見せたあの騒動なんだが。


 運動場の割振りは校舎から見て野球部が右手前の正方形エリア、サッカー部がその隣で左手前の長方形エリアをそれぞれ使っている。

 陸上部は奥の細長い直線エリアを使ったり校外にランニングに行ったりする。スペース的にトラック競技の練習が不可能で、河津が例外というだけで本来冷遇されている部なのだ。

 

 騒ぎの中心はサッカー部のコート内で起きていた。

 河津は自分の部ではないのでまずは様子見、ということで奥にいる陸上部員達の下に駆け寄った。

「何か問題が起きているみたいだけど、どうしたの?」

「あ、先輩。えっと、部外者の一年生がサッカー部の練習に混ぜてくれって言ってるらしいです」

 部長に話しかけられた陸上部の後輩は助かったとでも言う様な表情で河津に事情を説明する。

「部外者? サッカー部じゃないの? どこか別の部の人?」

 見ればサッカー部員に相対している男子生徒は普通の体操着で、シューズも運動靴、ソックスも脛当ても付けている様子は無い。本格的にサッカーをする格好では無かった。

「そういう訳でもないみたいで、帰宅部の一年が気まぐれで参加しようとしてるんですよ」

「ちょっと非常識な奴ですよね。真面目にやってるサッカー部員の迷惑を考えないっていうか」

「しかも都合の良いことに紅白戦にだけ出してもらおうとしてるんですよ」

「この学校にもああいう人はやっぱりいるんですね」

 二年生の面々は騒いでいるのが一年生ということもあって原因の男子生徒を非難していた。


 陸上部員達、特に二年生の否定的な意見を聞いていた河津だったが、問題を起こしている一年生を悪く思う気持ちはわき上がらなかった。

 別に一緒にサッカーをやるぐらい良い気もするけど、と思ってしまうのだ。

 

 さて、一体この河津と陸上部員達、いやむしろ陸上部だけでなく河津と葉山高生の間にあると言うべき考え方の違いはどこから生まれているのだろうか。諸君はどう考える?

 

 私の答えはこうだ。

 河津は全国大会にも出場するほどの陸上選手。中学の頃から県選抜の強化合宿に呼ばれることもしばしばあったと記録されている。

 さらに陸上、特に河津の専門である100m走の様に技術より身体能力の比重が大きい種目だと、普段は別のスポーツをやっている選手も少なくない。

 加えて河津は曲がりなりにも陸上部の部長を務めるほどには社交性がある。

 つまりは、必然的に他校の生徒、様々な人種と関わる機会に恵まれていたと言える。これが河津が周りとは異なる考えを持つ理由だ。

 

 

 河津の出会った人間の中には今サッカーコートで騒いでいる一年生などより余程驚くような話を聞かせてくれる者もよくいた。

 例えば全国で仲良くなった地方の選手は、生徒数が少ないので普段は放課後暇な生徒達で色々なスポーツをやっていたという。

 地方ブロックの大会では三つの部を掛け持ちして好き勝手に参加しているという選手もいた。

 この近くにも、色んな部の助っ人を頼まれる選手がいて、最初は勝手に混ざっていたけどその内に上達したと話していた。

  

 彼らに比べれば、そこの一年生の頼みごとは十分許容範囲だというのが河津の嘘偽りない考えだった。

 一応最低限の運動する服装はしているし、試合形式の練習だけ参加というのはむしろ他の練習だと邪魔になることを懸念した気遣いの表れだとも見れる。

 もしかしたらすごくサッカーが上手いかもしれないし、うちのサッカー部は弱小なんだから部員を増やすチャンスと思えば良いじゃないか、なんて若干無責任なことも考えてしまう。

 みんなに悪く言われているのが可哀想で同情さえしていた。


「先輩、うちの部はどうします? このまま揉めていると運動場の空気が悪くなるし、サッカー部の人達も困っているみたいなんで助けた方が良いんじゃないですか?」

 少しの間思考に没頭し昔のことも思い出していた河津は、その後輩の言葉で現実に引き戻された。

 そうなのだ。さっきは避けて通ってきたが、今の今までまだあの一年生が引き下がっていないということは、サッカー部だけでは追い返せないかもしれない。

 第三者が介入して一年生を宥めるなりサッカー部に妥協させるなりしないと、平行線のままだ。

 そして現在、少なくとも河津の周囲は陸上部の部長である彼に問題解決を期待する空気が生まれていた。


 余計な一言を……と河津も思わずにいられないだろう。

 後輩の言葉が無ければ「あっちは気にせず練習始めよう」とか切り出せただろうしな。

 実を言うと河津はそんなにリーダシップがある訳ではない。

 今も運動場の向こうでこちらを一瞥して興味無さそうに顔を背けた、とある無口な生徒が下校していくのを見て「羨ましい……」と内心では思っている。

 部長になったのも河津の実績から他の部員はあり得ないだろうという流れで決まっただけなのだ。

 そして決定的に奴は自分に自信が無い。そのことについては後々語ろう。


 そんな河津は、気丈にも騒ぎの中に身を投じた。

 サッカー部の部長とは面識があったから、そっちの方へ。

 サッカー部の部長は例の一年生を無茶な注文をしてくる迷惑な奴だと見なしていた。

 しかし河津はどちらかと言えば一年生よりの心境で、だから素直に自分の気持ちに従った。

「参加させてあげても良いんじゃない?」と、自分の考えを伝える。

 一年生を諦めさせた方が早いしサッカー部の体面も守れるというのに、自分が正しいと思った方に味方する。

 陸上に真剣だからこそ、他の物事に対しても同じ態度が取れるというのが、難儀ではあるが美点でもある河津の動かしようのない一面だった。

 

 人を説得することなんて得意どころかむしろ不得意だというのに、河津は自分が必要されているからという理由で行動している。

 そういう意味ではつくづく葉山高校では見られないタイプの生徒であり、私からして見どころのある奴なのだ。河津慎也という男は。


 結局サッカー部の部長は思いの外すんなりと河津の意見を聞き入れた。

 河津が思っている以上に河津は信頼されていて、その分発言力も強かったのだ。

 ついでに「強いかもしれないよ」「部員増やすチャンスかも」という言葉も効果があった。

 一年生がサッカー部員達に混ざるのを見届けて、河津は陸上部員達の下へ引き返した。


 この一年生というのが言うまでもなくあの馬鹿なのだが、この時は会話も無くニアミスという形で終わることとなった。

 問題をすぱっと解決したと思われた河津は陸上部の面々に口々に褒められ、それを笑顔で受け止めていた。

 

 

 しかしこれで河津が自信を付けたかというと全くそんなことは無い。

 その訳は私がこれから語る河津慎也という男の内面を知れば諸君にもご納得頂けるだろう。



 河津……こいつと私が話したのは馬鹿による一連の出来事が終わった後だったが、この運動場で騒ぎが起きた時のこいつは本当に哀れだった。

 なんというか河津は、運動部の間でちょっとしたカリスマにされているんだよな。

 第三者の介入が必要なら野球部でもいいじゃないか、と思うかもしれないが野球部も弱小だし、こういう時頼れるのは河津だというイメージが勝手に作られていた。

 

 素の河津っていうのはただ陸上競技に全力で取り組んでいるだけで、その努力は称賛に値するものの本人の人となりは平凡なものだ。

 色々なタイプの人間と会った経験というのは対人関係にアドバンテージを与えてくれるかもしれないが、それ以上に河津には人の上に立つ自信が持てない理由があった。


 その理由というのが、河津の中にある劣等感だ。


 ……文武両道で人望も厚いというのに何の劣等感があるんだって?

 考えても見たまえ。彼の実態を。

 

 運動面ではどうだ。

 全国大会、と聞けばすごいかも知れないが出場しただけだぞ? 一次予選を突破できなければ実質地方ブロックで一位か二位程度の実力しか証明できない訳だ。

 各都道府県から多くて三名、大会に出場するとして最低でも四十八人いるんだ。五十人も六十人もいる選手の中で一番下のレベルの奴らが将来も陸上を続けられると思うか?

 ましてや三年生という嫌でも進路を意識する時期。陸上で食い扶ちを稼ぐ見込みが無いとなれば陸上を諦めなくてはならない。


 そして勉強面。

 ここでも三年生という立場が彼に迷う暇を与えてくれない。

 葉山高校は進学校。同級生は既に半数以上が志望大学を決めている。

 河津も葉山高生とはいえ同じ学校の生徒と比べれば学力は見劣りする。

 陸上競技に全てを捧げながらも必死に成績を維持し、それでも中の下、良くても平均程度。


 以上の様な河津の現状を考慮すれば、その心の内は想像に難くない。

 彼が子供の頃から心血を注いできた陸上競技では全国大会で目にする才能あふれる選手達に劣る。

 中学の時点で陸上に不安を覚え、保険として第二の道に選んだ勉学は苦労して入った進学校の同級生に劣る。

 結果的に河津はどちらも中途半端になってしまったのさ。


 もちろん河津が陸上を最優先して努力したことに疑いの余地は無い。

 しかしこればかりは努力だけではどうにもならない問題。最終的に河津の陸上は頂点に届かず終わってしまった。

 河津は今二種類の大きな劣等感に苛まれているということだ。


 そんな河津の実状を理解できる生徒は葉山高校にはいない。というより想像さえしないだろう。

 

 元々が河津は葉山高校に場違いな生徒なのだ。奴と同じ境遇の生徒はいない。

 周りの生徒達は遠い世界の人間として、上辺だけの実績を見て勝手に判断してしまうのさ。あいつはすごい奴だと。

 だから河津はそんな周りのイメージとかけ離れた自分に余計劣等感を強くする。

 その苦しみは自分が人の上に立つべき人間だという自信を根こそぎ奪ってしまう。


 部長に任命されてからの河津は、虚勢だけでそれを乗り切って来た。

 何とか理想の部長に、頼れる人間になろうと気を張っていたんだ。

 誰も理解してくれない中、一人で。


 本当に可哀想な奴だった……


 

 そして劣等感は、その裏返しの感情も河津に植え付けていた。

 それは、憧れ。

 

 河津慎也は憧れていた――全国で活躍する若き才能たちに、自分を取り囲む同窓の友たちに。


 河津は他の多くの葉山高生とは違って、盲目的に大学進学を目指している訳ではなかった。

 そもそも奴は陸上という勉学とは違う道を目指していた訳だし、それだけでも他の生徒とは違う視野を持っている。

 しかし河津はもう陸上の道を諦めかけていた。


 それは葉山高校という環境のせいもある。

 勉強という保険、悪く言えば逃げ道を残すために選んだ高校は、河津が真剣に陸上に打ち込むにはやはり相応しくない場所だった。

 設備も無い、指導できる人材もいない。いくら身体能力勝負といえども河津一人では限界があったのだ。

 

 そのことを河津は他校の選手から学んだ。

 自分が知らない知識を持っていて、それを教えてくれた教師がいて、その知識を実践する場もある。

 全国大会に出るような他校の選手にはそれが当たり前で、でも河津にはそれらが一つも揃っていなかった。


 それでも学校を変えられるなんてことはない。

 一度飛び込んだ葉山高校という井戸は、入ったらもう抜け出せなかった。

 たとえ外にどんな世界があるのかどれだけ知っても、その世界に行くことは叶わなかった。


 そして井戸の中でも河津は劣っていた。

 陸上とは違う、勉学の道で。

 例え周りの生徒達が視野の狭い「井の中の蛙」であったとしても、河津は彼らに劣っていた。

 逆に外の世界を知っている河津は、力が足りないからやはり井戸から出られない。


 どちらにせよ葉山高校という井戸の中でどちらかの道を選ばなくてはいけない。

 河津慎也は、こうした自分の境遇を自覚していて、だからこそ強く憧れる。

 どちらかの力だけでももっとあったなら、きっと井戸の外にも出られただろうにと。


 河津がこの後どうなったか、奴に救いと呼べるものが訪れたかどうかは、また別の機会に語るとしよう。

 

 


 お疲れ様だ。ずいぶん長々と話してしまったが、聞いてくれてありがとう。

 私も河津には結構思い入れがあって、ついつい話が延びてしまった。


 まあ今回の話は結局何だったのかというと、

「大海(大会)を知っている井の中の蛙(河津)」の話というところだ。

 

 ……正直に言うとこれが言いたくて冒頭で「井の中のかわず 大海を知らず」という故事を紹介した。もちろん愚痴の内容も本当のことだが。


 

 河津については後で触れる機会が必ずあるだろう。

 少し歯切れが悪いかも知れないが今回はここまでにさせてもらうとしよう。


 次回は……そうだな、男子ばかりが続いたからそろそろ女子生徒の話もした方が良いかな。

 そういう訳で次は女子の話だ。

 だがくれぐれも勘違いしないでくれたまえよ? 間違っても美少女なんて登場しないからな。

 この物語で容姿が優れてると言えるなんてせいぜい私ぐらいのものだろう。

 いやー残念だよ。この私の美貌を諸君に見せてやれないのが。所詮私はただの語り手だからな、私の美しさは諸君が勝手に想像するとしてくれ。 

 


 …………嘘じゃない、嘘じゃないんだ。

 そりゃ私も絶世の美女と自称するほど厚顔無恥ではないが、それでも良い女は自分に自信を持つものなんだ。

 客観的に見ても若い頃は……いや今でも若いが、花の盛りの少女という頃の話で、その頃は男が寄って来ることも一度や二度じゃなかったんだ。

 今は職場が職場だから出会いも無いがそれでもあの頃の美貌を保っていると自負している。

 


 ……うん、もういい。これでもまだ疑うなら好きに判断してくれ。

 とにかく、次回は女子生徒の話。そしていつも通り期待はするなということだ。


 次回をお楽しみに!


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