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(1)プロローグ
物心ついた時にはもう既に「父親」はいなかった。
小学校の頃、周りが「パパ」の話をしてるのをなんとも言えない気持ちで聞いていた。
中学生の頃、とある雑誌に載っていた写真の男性は父親だと見せられた。
高校生の頃、父親を探そうと思った。
そんな、フィクションみたいでちょっとだけノンフィクションな日記のようなお話。
父親の写真を見た時、どことなく「あぁ、この人は僕と血の繋がった父親なのだろう」と妙に納得してしまった。
何がと聞かれたら上手くは答えられない。しかし納得した。彼は有名な高級列車の車掌として、特集が組まれていた。
この人が、父親なのかと、食い気味に母親に尋ねた。もしかしたら居場所や連絡先を教えてもらえるかもしれないという、僅かで淡い期待を寄せていたのだと思う。しかし母親は「そうだ」とだけ僕へ伝え、その話は終わってしまった。
彼は今、家族がいるのだろうか。会ってみたい、しかし迷惑にはならないだろうか。そんなことを考え、悩んでも仕方の無いことなのに悩む1週間。
あの時から、僕の中の何かが変わった。
お父さん、いつか、会いに行きます。
この物語が書籍化されたら、それを持って。




