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第十三公主ベアトリーチェの奇跡~魔女の嫁入り転生譚外伝~  作者: 坂崎文明


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第1話 第十三公主べアトリーチェの勇気

「あの、私なら、その、<北狼国>と組んだ北部連合の重騎兵百万騎を敗走させることが出来ます」


 第十三公主べアトリーチェは黒髪と(つぶ)らな瞳で、事も無げに言ってのけた。

 星からやってきた伝説を持つ聖なる民が住むという、この央国(オウコク)の弱冠十五歳の公主である。

 つまり、央国(オウコク)の剣聖でもある『ワ皇帝』の末娘である。

 銀色の兜に銀の鎖帷子(くさりかたびら)、銀の脛当て(すねあて)に丈夫な革製の乗馬用ブーツと<ピンクの百合の花の紋章>が入った純白のド派手なマントを羽織っている。

 しかも、第十三公主近衛軍の<光速軽騎兵>部隊二万騎を率いていた。

 だが、それを聞かされた国境警備隊二十万を預かるランドロフ将軍は、公主の突拍子もない提案の是非を考えあぐねていた。

 央国(オウコク)の現在の危機的な現状は、西の強国<西馬国>の騎馬部隊の国境侵攻から始まった。

 東の大海に面する<東海国>は得意とする海軍により河を遡上して侵攻してきた。

 三百万の兵力を誇る央国(オウコク)と言えども、この二国がそれぞれ百万規模の侵攻軍を編成してきた時点で、その対応のために、予備戦力のほとんどを使い果たしていた。

 南の国境は険しい山岳地帯が天然の防壁になってるとはいえ、南方には大国<南州国>があり、国境警備軍を減らす訳にはいかない。

 今回の東西と北方の同時軍事侵攻の黒幕が大国<南州国>である可能性も否定できないのだ。 

 だが、そこにいつも彼女を守護している者のひとりが助け舟を出した。


「第十三公主殿下は我らが今いる『カナール渓谷』を三歳の頃から遊び場とし、地理を知り尽くしています。その地の利がある限り、負ける事はまずありません。この、央国(オウコク)一の天才軍師ルイ・パルスの名に懸けて保証致します!」


 エメラルドグリーンの髪と神秘的な瞳を持つ、弱冠十五歳の天才軍師ルイ・パルスが断言するならば、説得力十分であった。

 <央国(オウコク)>の聖なる民の先祖である、星人(ほしびと)の血を引いていると思われるその神秘的な容姿は、会う者を圧倒しつつ強烈に魅了する。

 そこへの更に追い打ちをかけたのは、同じく十五歳の天才、剣聖レイ・ダリウスであった。

 

「公主殿下の守護は、私こと、剣聖レイ・ダリウスが勤め、<光速軽騎兵>部隊二万のうち一万騎を指揮し、<央国(オウコク)>のために粉骨砕身(ふんこつさいしん)する所存です!」


 銀色の鎧で身を固め、黒いマントを羽織っていた。

 弱冠十三歳で剣聖となり、現在、十五歳のレイ・ダリウスは、胸の前で(てのひら)を組んでランドロフ将軍に拝礼した。


「ワ皇帝があなた方ふたりと、<光速軽騎兵>二万騎を派遣してきたからには、おそらく、それなりの勝算と熟慮があると確信しております。我が北部国境警備軍は只今より第十三公主べアトリーチェ殿下の指揮下に入ります。ご存分に我が軍を使って下さい」


 ランドロフ将軍はワ皇帝の戦略眼とこの若き天才達に賭けてみる事にしたようだ。

 噂によれば、第十三公主近衛軍の<光速軽騎兵>部隊二万騎のメンバーのほとんどが剣聖修行中であり、剣聖レイ・ダリウスには一撃で二十万人を(ほふ)ることが可能な<聖天剣技>を持つと言われている。

 その辺りの剣聖の<聖天剣技>などの情報は最高ランクの軍事機密でもあるので、ランドロフ将軍でさえ詳細情報は不明である。

 ただ、<光速軽騎兵>部隊二万騎は実質、三十万騎に匹敵する戦力があるとも言われていた。


「では、公主殿下、北部連合の重騎兵百万騎の討伐に行きますか」


 天才軍師ルイ・パルスはそう自信満々に言い放ったが、心なしか、少しその背中は震えているように見えた。

 

「はい、行きましょうか」


 第十三公主べアトリーチェは静かに答えた。

 そして、後に彼女の奇跡的な伝説の始まりとなる<カナール渓谷の戦い>が幕を開けた。

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