REPLICA
君が灯した光は
とうに途切れたフィルム
埃を被ったままで
色褪せていくばかりだ
剥がれ落ちた壁の隙間を見つめては
君のいない世界を何度もなぞった
まるで僕の身体にひび割れが走るみたいに
君の指先が触れた輪郭が
軋んで消えていく
愛しい君は僕の腕の中で
ただのレプリカになってしまった
ガラスケースに閉じ込めた恋は
息もできないほどに重くのしかかる
いつかこの心臓が君の欠片を吐き出すまで
僕はずっとこの孤独を抱えて生きていくんだ
中には何もない
箱が贈り物だったことを
受け取った後から知るみたいな
真実の確かめ方を君は僕にさせた
本当にそれだけは悪趣味だったよ
あるいは、とその続きを綴る
遠い花火のように美しく散った記憶を
拾い集めては心の傷をなぞった
痛みが愛の証だとそう信じ込んで
僕は僕を許せないまま
どうして君は僕を独りにしたまま
そんなに綺麗に消えていってしまったの
残された僕はただの抜け殻で
世界はもう君のいない色彩を
知らないふりして回っていく
愛しい君は僕の腕の中で
ただのレプリカになってしまった
ガラスケースに閉じ込めた恋は
息もできないほどに重くのしかかる
いつかこの心臓が君の欠片を吐き出すまで
僕はずっとこの孤独を抱えて生きていくんだ
消えない傷跡が君の居場所だと
そう思ってしまう僕は愚かだろうか
ただひとつだけ確かなのは
この痛みだけが君と僕を繋いでいる
未だに




