ひと駅ぶんの、君
傘も差さずに濡れながら
「朝が来た」と笑ってた君
思い出すだけでちょっと
胸の奥がくすぐったい
指でなぞった駅前のマップ
行き先はなんでもよかった
風が揺らしたスカート
ほんのすこしで
見えそうだ
間違いばかりのスケッチブック
落書きも君に見せたかった
ページを捲るように進んできたけど
どれがホントの僕だった?
それでもさ
声を重ねた音はほら
不器用だけどきれいだ
「わかってる」って言いながら
わからないまま歌ってる
待ち遠しい
手を繋ぎたかった
けど照れくさくて
袖つまんだ
君の“またね”がちゃんと欲しくて
意味もなく駅をひとつ乗り越した